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【全4回】オリンピックと医療用大麻(2)医療用大麻を使うアスリートは存在するのか?

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目次

治療使用特例(TUE)で認められている症状

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国際オリンピック委員会 (IOC)が主幹していたドーピング検査は、今では1999年11月に設立したWADA(世界アンチ・ドーピング機関)が担っています。カンナビノイドは、WADAの禁止物質リストにあるため、競技大会中にドーピング検査され、陽性反応があり、それが認定されると、失格および大会出場停止の罰を受けます。

 

では、日常的に医療用大麻を使っているアスリートはどうすればよいのでしょうか

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アスリートが病気や病気を治療するために服用する必要がある薬がWADAの禁止物質リストに該当する場合、治療使用特例(Therapeutic Use Exemptions:TUE)の承認をもらうと、必要な薬を服用することができます

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事前に治療使用特例(TUE)の申請をして、許可をもらうと、競技外または競技会中に禁止物質を服用し、ドーピング検査で陽性反応があっても違反になりません

 

TUEの有効期限は1年もしくは上限で4年間までとなります。

 

WADAでは、TUEの国際標準 (ISTUE)を定め、次のような症状の医療情報文書(TUE医師ガイドラインと呼ばれます)を公開しています

 

・小児および成人のADHD(注意欠陥多動性障害)

・副腎不全

・アナフィラキシー

・喘息

・心血管疾患:運動選手におけるベータ遮断薬の治療的使用

・糖尿病

・成人の成長ホルモン欠乏症

・小児および青年の成長ホルモン欠乏症

・不妊症/多嚢胞性卵巣症候群

・炎症性腸疾患,静脈内注入(点滴)

・内因性睡眠障害

・男性の性腺機能低下症

・筋骨格疾患

・神経障害性疼痛,腎移植,副鼻腔炎

・トランスジェンダーアスリート

TUEガイドラインには、神経障害性疼痛にカンナビノイドが明記

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治療使用特例(TUE)医師ガイドラインには、神経障害性疼痛に医療用麻薬(オピオイド系)と共に、医療用大麻(カンナビノイド系)が明記されています。

 

怪我や病気によって四肢を切断した患者の多くが体験する痛みで、現実には無いはずの腕や足がまだ有るように感じてしかも激しく痛む不思議な現象を抑えることを想定していると考えられます。

 

例えば、2016年のリオのパラリンピック陸上競技(200m)で金メダルをとったニュージーランドのリアム・マローン選手のようなアスリートです。(但し、彼が医療用大麻でTUE承認を得た選手ではない)

 

A.神経障害性疼痛の治療に用いられる可能性のある禁止物質の種類:

1.医療用麻薬

2.カンナビノイド

カンナビノイドの医学的使用法として最もよく研究されているのは、主に神経障害性疼痛である慢性疼痛の管理である。

 

カンナビノイドの鎮痛効果は、難治性の神経障害性疼痛のような一部の疼痛状態では中程度を示す十分な科学的証拠がある。カンナビノイドの処方において、特に物質乱用、精神疾患,コントロール不良の気分または不安障害の病歴を有する運動選手に対しては、十分な考慮と注意が払われるべきである。

 

カンナビノイドは国によって様々な製剤がある。

 

処方カンナビノイドにはドロナビノール、ナビロン、ナビキシモールがある。

 

一部の管轄区域では,ハーブの大麻製剤も法的に利用可能である。カンナビノイドは経口摂取,気化器による吸入,喫煙が可能。

 

可能であれば、気化は喫煙によりも安全な選択肢であり、臭気と他の人への迷惑を減らす。ハーブ系大麻には様々なレベルの活性カンナビノイド(THCおよびCBD)が含まれているため、カンナビノイドの投与量と投与頻度は使用する製品と個人の必要性によって異なる。

 

 

<用語説明>

ドロナビノール、ナビロン:商品名マリノール、合成THC医薬品

ナビキシモール:商品名サティベックス、天然の大麻草から抽出したTHCとCBDが1対1で含有する医薬品

ハーブ系大麻:医療目的で使用する大麻草のこと、一般的に医療用大麻と呼ばれている。

カンナビノイドを使用するアスリートはどれぐらいいるのか?

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全米50州のうち、医療用大麻が33州で合法化しており、11州で嗜好用大麻が合法化している米国をみてみましょう。

 

米国アンチ・ドーピング機関(USADA)の2018年次報告書によると、1年間に全ての国際大会および国内大会をあわせて、治療使用特例(TUE)の申請が865件あり、そのうち、364件が承認、39件が否認でした。その内訳は、次の通りでした。

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カンナビノイドは、2018年度に21件の申請中、8件を承認しています。

 

どうしても必要な治療と認めてもらうにはややハードルが高い感じがしますが、全くゼロというわけではありませんでした。

 

他の薬物の承認も3分の1程度しか承認されていません。治療使用特例(TUE)の承認には、以下の4つの条件を満たす必要があり、スポーツの公平性の観点から厳格な運用がなされていることがわかると思います。

 

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1)使用しないと健康に重要な影響が出る

2)他に代えられる治療方法がない

3)健康を取り戻す以上に競技力を向上させない

4)ドーピングの副作用に対する治療ではない

 

ちなみに、米国アンチ・ドーピング機関が2018年に実施したドーピング検査6,607件のうち、2015年より10倍に基準値が緩和した150ng/ml以上のカンナビノイド陽性反応があったものは、わずか6件でした

オリンピック・ムーブメントと医療用大麻

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オリンピック精神には、「スポーツが社会に溶け込む中、スポーツ団体はオリンピック・ムーブメントを進めるうえで、自身の権利と義務に敏感でなければならない。その権利と義務には競技規則を設けること、また組織の構成と運営にあたっては、いかなる外部の影響も受けることなく選挙を実施することなどが含まれる。」と書かれています。

 

また、国際オリンピック委員会(IOC)の16年4月のオリンピック・ムーブメント医療コードでは、「アスリートの健康と福祉は卓越しており、競争的、経済的、法的、または政治的考慮事項よりも優先される」と主張しています。

 

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医療用大麻は、スポーツの中で、必要とするアスリートには治療使用特例(TUE)という手続き規則を通じて、それを使用する権利があるといえるのです。

 

世間一般から見れば、神経障害性疼痛と戦うアスリートは、パラリンピック出場選手であり、その中で医療用大麻を使う方は、かなりレアなケースかもしれません。

 

しかし、東京オリンピック参加国が206となる現在において、医療用大麻が合法化していない国や地域がまだ多く存在しているにも関わらず、手続き的に門戸が開かれています。

 

まさに、アスリートの健康と福祉は、卓越した存在であり、優先される事柄であることがわかります。

 

後藤大輔
本記事を通じて、トップアスリートが競う国際スポーツの分野では、医療用大麻がすでに合法化(制度化)している事実を多くの人に知って欲しいです。

 

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合わせて読む?:アスリートが続々とCBD支持を表明・東京オリンピックに向けての課題も?

参考サイト:

WADA THERAPEUTIC USE EXEMPTIONS:https://www.wada-ama.org/en/what-we-do/science-medical/therapeutic-use-exemptions 

米国アンチ・ドーピング機関(USADA)の2018年次報告書:https://www.usada.org/wp-content/uploads/2018-annual-report-a.pdf

エリート選手の疼痛管理に関する国際オリンピック委員会の合意声明 2018年2月1日:https://bjsm.bmj.com/content/51/17/1245 

JOC の進める オリンピック·ムーブメント:https://www.joc.or.jp/movement/data/movementbook.pdf

 

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AUTHORこの記事をかいた人

日本臨床カンナビノイド学会員。北海道ヘンプ協会(HIHA) 法人会員。

美容クリニックで専門医監修の下、CBDオイルを利用したアトピー性皮膚炎の治療を開始。1年間の観察結果からアレルギー数値と、症状の改善がきっかけで大麻の可能性を一人でも多くの方々に知ってもらいたいと思い立ち、編集局員として参加。

「HEMP TODAY JAPAN」を通じて、「世界の大麻産業」の真実を知ってもらう必要があると考えております。

そして、大麻へのマイナスイメージを払拭がされ、医療分野、産業分野問わず、大麻由来製品を誰でも簡単に低コストで利用できる環境を望んでいます。

2017年6月~青山エルクリニックモニター参加。
2018年5月「Hemp Food, Health & Beauty Summit」(HTセンター/ポーランド)。
2018年8月「中国 黒龍江省ヘンプ産業視察ツアー2018」参加。

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