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【結果】大麻解禁法案が委員会を通過

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日本時間の今朝、米下院は委員会を開き、MORE法案と呼ばれる大麻の解禁に関する法案を賛成多数で可決しました。

これは、日本のシステムに当てはめるならば、厚生特別委員会を通過したといったところでしょうか。
連邦の議会で大麻の合法化について法案が通過するのは初めての事で、まさに歴史的な出来事だと言えます。
米国は、大麻解禁に向けて正式に一歩を踏み出しました
目次

この法案は・・・

1.マリファナ、もしくは大麻を連邦の規制物質から除外する

2.「麻薬戦争」によって最も被害を被ったコミュニティが、拡大を続ける大麻市場への参入をサポートするために、大麻製品からの税収を使用する。

3.大麻関連犯罪の前科の抹消

という3つの大きな変更を含んでいます。単なる解禁だけでなく、大麻犯罪の前科者たちへの救済策を織り込んである事が特徴です。
この法案を提出したジェロルド・ナドラー議員の、委員会の冒頭スピーチが素晴らしかったので、以下に原文も併記して御紹介します。
ともすれば政治や社会に失望して長い我々日本人に「海の向こうには正義がまだある」と希望を持たせてくれる内容で、胸が熱くなりました。

少々長いですが、是非読んでみてください

上記の法案の概要を説明したのち、ナドラー議員は、続いて以下のように述べました。
“These steps are long overdue. For far too long, we have treated marijuana as a criminal justice problem instead of a matter of personal choice and public health. Whatever one’s views on the use of marijuana for recreational or medicinal purposes, arresting, prosecuting, and incarcerating users at the federal level is unwise and unjust.”
「これらの措置は大幅に期限を過ぎています。あまりにも長きにわたって、私たちは大麻を個人の選択や公衆衛生の問題ではなく、刑事司法の問題として扱ってきました。大麻を娯楽または医療目的に使用する事に対する各個人の受け取り方がどうであれ、逮捕や起訴、および使用者を収監することは愚かであり不当です。」
そして、これまで積極的に大麻問題に取り組んでこなかった連邦の姿勢を批判し、
“Federal action on this issue would follow growing recognition in the states that the status quo is unacceptable. Despite the federal government’s continuing criminalization of marijuana, 33 states and the District of Columbia have legalized medical cannabis. Eleven states and the District of Columbia have legalized cannabis for adult recreational use.
「この問題に対する連邦政府の措置は、各州の『現状維持は受け入れられない』という認識の高まりを追随するものです。連邦政府によって続けられている、大麻を違法とする措置にもかかわらず、33の州とコロンビア特別区(ワシントンDC)は、医療大麻を合法化し、11の州とコロンビア特別区は、成人による嗜好用大麻使用を合法化しました。」
“I have long believed that the criminalization of marijuana has been a mistake, and the racially disparate enforcement of marijuana laws has only compounded this mistake, with serious consequences, particularly for minority communities.”
「私は長年、大麻を犯罪として扱う事は間違いであると信じてきました。人種によって偏りがみられる大麻取り締りは、この間違いをさらに悪化させただけで、特に有色人種のコミュニティにとって深刻な結果をもたらしました。」
と述べ、国の大麻政策が間違いであった事を明確に示しました。
そして、有史以前から大麻が薬用に使用されてきた事や、近代までアメリカでも薬品として薬局で販売されてきた事を説明したうえで、現在の大麻取り締まりについて、
“It was only in the early part of the 20th century that marijuana began to be criminalized in the United States—mainly because of misinformation and hysteria, based at least in part on racially-biased stereotypes connecting marijuana use and minorities, particularly African-Americans and Latinos. In 1970, when President Nixon announced the War on Drugs and signed the Controlled Substances Act into law, the federal government placed marijuana on Schedule I, where—unfairly and unjustifiably—it has remained ever since
「大麻が米国で犯罪化され始めたのは20世紀の初めでした。大麻使用と有色人種、特にアフリカ系アメリカ人と中米人を結びつける人種差別的なステレオタイプに基づいた、主に誤った情報(の拡散)とヒステリーが原因だったのです。 1970年にニクソン大統領が「麻薬戦争」を発表、規制物質法に署名し、連邦政府は大麻をスケジュール1というカテゴリーに分類しました。これが不公平かつ不当に、それ以来ずっと続いています。
“As a consequence, thousands of individuals—overwhelmingly people of color—have been subjected, by the federal government, to unjust prison sentences for marijuana offenses. This needs to stop.That is why we are taking action today.”
「その結果、何千人もの人々(圧倒的に有色人種)が連邦政府によって、大麻犯罪に対する不当な懲役刑に服しています。これを止める必要がある。それが、私たちが今日行動している理由なのです。」
“The collateral consequences of a conviction for marijuana possession—and even sometimes for a mere arrest—can be devastating.
「大麻の所持に対する有罪判決、および場合によっては単なる逮捕の結果は、(個人にとって)壊滅的なものになる可能性があります。」
“For those saddled with a criminal conviction, it can be difficult or impossible to vote, to obtain educational loans, to get a job, to maintain a professional license, to secure housing, to receive government assistance, or even to adopt a child.
「刑事事件の有罪判決を受けた人々にとって、投票、教育ローンの取得、就職、職業免許の維持、住宅の確保、政府支援の受給、さらには子供を養子とすること等は、困難または不可能です。」
“These exclusions create an often-permanent second-class status for millions of Americans. This is unacceptable and counterproductive, especially in light of the disproportionate impact that enforcement of marijuana laws has had on communities of color. 
「こうした(大麻関連前科者の)排斥は、何百万人ものアメリカ人に対して恒久的に低い社会的地位を与えています。これは、大麻法の施行が有色人種コミュニティに与えた不均衡な影響を考慮すれば、受け入れられないうえに、非生産的です。」
“In my view, applying criminal penalties, with their attendant collateral consequences for marijuana offenses is unjust and harmful to our society. The MORE Act comprehensively addresses this injustice, and I urge all of my colleagues to support this bill today.”
「私の意見としては、大麻犯罪に対して、付随的な結果を伴う刑事罰を適用することは不当であり、社会にとって有害です。MORE法はこの不公正を包括的に扱っており、同僚全員にこの法案を支持するよう要請します。」
と述べ、大麻取り締まりが多くの人々の人生を狂わせ、その影響は社会復帰にも影を落としている事を指摘して、その改善に向けたMORE法の必要性を説きました。
続く審議においては、保守の共和党議員であるシェイラ・ジャクソン・リー議員からも「47の州のアメリカ国民が、大麻使用は個人の権利であると認識しており、医療科学はその影響が限定的であると示している。」と述べてこれを援護しました。
また民主党のスティーブ・コーエン議員は「我々が、こうして集まって大麻について議論している事自体が、すでに大きく後手に回っている。馬鹿馬鹿しいことです。我々の司法当局は、覚醒剤やクラックやヘロインなどの、人々を依存症にさせ命を奪い、薬物を入手するために他人の物を盗むよう仕向けるような深刻なドラッグに対して働くべきであり、その対象は大麻ではない。」と気勢をあげました。

今後のステップ

その結果、法案は24:10で可決されました。
この先はまず下院全体で討議されますが、現在下院は民主党が過半数を握っており、通過は確実視されています。
その後は、上院の委員会での議決を経て、上院全体での投票、そして両院での投票で可決されれば、大統領のテーブルに法案が届き、はれて法律として成立するわけですが、上院は大麻解禁に否定的な共和党が過半数を占めており、楽観できる状況ではありません
悲しい現実ですが、特にこの法案の掲げる「社会正義」は共和党からの反発が必至です。
彼ら共和党の支持母体には、米国矯正協会(ASA)や米国矯正会社(CCA)という900を超える刑務所や矯正施設を束ねる団体があり、受刑者の減少は、彼らの収入減に直接響く問題なのです。

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AUTHORこの記事をかいた人

Yosuke Kogaのアバター Yosuke Koga HTJ 編集長

1996年カリフォルニアで初の医療大麻が解禁。その5年後に現地へ移住し、医療大麻の家庭栽培、薬局への販売などの現場や、それを巡る法律や行政、そして難病、疾患に対し医療大麻を治療に使う患者さん達を「現場」で数多く見てきた、医療大麻のスペシャリスト。

10年間サンフランシスコに在住後、帰国し、医療機関でCBDオイルの啓蒙、販売に従事し、HTJのアドバイザー兼ライターとして参画。グリーンラッシュを黎明期から見続けてきた生き証人。

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