先日お伝えしたKamala候補に続いて、別のアメリカ民主党の大統領候補、Tulsi Gabbard議員が、同国のヘンプ産業のための基盤整備を目的とした包括的措置であるヘンプ・フォー・ビクトリー法案を提出しました。
「私の法案は、ヘンプ産業のポテンシャルを最大限に引き出し、アメリカ全土の農家や小規模企業に利益をもたらすための基盤となるでしょう」
と、ハワイ選出のTulsi Gabbard議員は、彼女の提案した法律について語りました。
同議員は、この措置は、家族経営家族経営農家や小規模事業者にインセンティブを与え、企業独占から守り、安全な農業、環境・労務への配慮を確保しつつ、ヘンプ栽培やヘンプ由来製品のもたらす利益を研究することを目的としていると述べました。
急成長、十億ドル(1,000億円)規模の影響
Gabbard議員は、ヘンプについて「ヘンプ産業は急速に成長し、米国経済に10億ドル(約1,100億円)単位の影響を与え、何千もの雇用を創出しています。ヘンプ由来の素材は、ヘルスケアから国内製造業、手頃で持続可能な住宅建設、そしてそれ以上に産業を変革する可能性があるのです」と述べました。
2019年のヘンプ・フォー・ビクトリー法は、第二次世界大戦時代の米国のヘンプ産業の活性化に向けた取組「Hemp for Victory」に因んで名付けられました。
この措置のもとでは、ヘンプ産業が多数の分野で、その潜在能力を発揮することを支援する目的で、複数の政府機関や土地付与大学が関与することになります。
ヘンプ国家へ、多省庁横断型の超イニシアチブ
この法案は、米国農務省、保健福祉省、国防省、労働省、住宅・都市開発庁、退役軍人省、環境庁、中小企業庁の多省庁に対して、ヘンプの利用とそれがもたらす便益に関する調査研究を実施するよう求めています。
これには、有毒土壌除染や土壌流出抑制、持続可能で手頃な住宅、学校給食への栄養補助、退役軍人への医療、使い捨てプラスチックの代替品などが含まれます。
Gabbard議員は、ヘンプを農作物として再分類した第115回議会の独立法案であるH.R.3530「工業ヘンプ農業法」の当初の草案共著者でした。
Gabbard議員は、産業用ヘンプの栽培を法律化し、麻薬取締局の管轄から米国農務省の管轄に移管するH.R.2「2018年農業改善法」もしくは単純に「農業法案」と呼ばれている昨年度のヘンプ法案を支持していました。
先日お伝えした上記、Kamara Harris議員の提出した法案は、
大麻全体の非犯罪化を目指したもので、それには大麻犯罪前科者の前科取り消しなどの人権問題が織り込まれている
のに対し、今回のGabbard議員の法案は、
経済と保健衛生に焦点
が当てられています。