日本では飲酒運転の違反対象が呼気1リットル中のアルコール量が0.15mg以上の場合は酒気帯び運転になり取り締まりの対象となります。大麻合法国で懸念されているのがマリファナの影響下での運転です。
マリファナ運転に飲酒運転同様の規制が存在
例えばアメリカでは、DUI(Driving Under Influence)という、日本における酒気帯び運転や飲酒運転のような基準が設けられており、この「DUI」には、アルコールだけでなく薬物(風邪薬や痛み止めなど)の影響に対する基準も含まれています。
DUIを調べる手順は、直線をまっすぐ歩けるか?片足立ちができるか?ぐるっと回ってしっかりと立っていられるか?などが調べられます。
現時点でのマリファナの有効な検査方法は、尿検査、血液検査および唾液検査です。
アルコールとマリファナは代謝の方法が違い、マリファナの向精神成分であるTHCの代謝物は、脂肪に蓄積し数週間単位の長い時間をかけて排出されますが、これは運転手をマリファナのDUI容疑で検挙・起訴するには非常にやっかいな問題です。つまり、運転手が逮捕前2〜3時間前にマリファナを摂取したのか、それとも数日前や数週間前に摂取したかが明確にわからないのです。
THC検出器を開発する3社
Cannabix Technologies Inc(カンナビックス・テクノロジー社)はカナダの都市バンクーバーに本拠地を置く企業で、呼気検出器の開発をしています。
現在、フロリダ大学と共同でTHC検出器開発に取り組んでおり、同社は、すでにフロリダ大学が持つ特許技術を利用した機器のプロトタイプ制作の段階にあると表明しています。
Hound Labs社(ハウンド・ラボ社)はニュージーランドのオークランドに本拠地を置く企業で、救急医師のMike Lyn博士(マイク・リン)と元ベンチャーキャピタリストのKuni Oh氏(クニ・オウ)20年以上エンジニアとしての経験を持つ、Jenny Lynn氏(ジャニー・リン)の3人により、2014年に設立されました。
Hound Labs社はマリファナとアルコールの2つの成分を一度に分析する呼気検出器を販売しています。
Lifeloc Technologies社(ライフロック・テクノロジー社)はアメリカ合衆国コロラド州に本拠地を置く企業で、1983年の設立から30年以上に渡り、主に呼気検出器の製造販売を行っている会社です。30年以上の販売実績と製造技術を駆使し、現在はTHC検出器の開発を行なっています。
その他、ワシントン州立大学でも研究プロジェクトが立ち上がっており、将来的に高性能なTHC検出器が発売されれば、警察・司法機関や自治体などの公的機関、娯楽施設などへの導入が期待され、大きな市場が生まれることとなりそうです。