ヘンプトゥデイジャパン編集局(HTJ)として初の海外取材は、ポーランドにあるヘンプトゥデイセンターで開かれた「Hemp Food, Health & Beauty Summit」の取材と、HTJのお披露目も兼ねていた。
ヘンプトゥデイセンターは親日国としても有名なポーランドの北部に位置している。ポーランドはドイツの右隣に位置していて、日本と同じくらいの国土だ。
ヘンプトゥデイセンターから最も近い都市はポーランド第2の都市クラクフ。ナチスとの歴史が深く、近年国内で物議をかもす原因となっている。(注:ポーランドがナチスに加担したとEU諸国民からの中傷が増えてきたため、国内で同様の発言をすると刑罰が課せられる法案が可決された。)
そのクラクフ(Krakow)から北へ80キロほどの所にあるナクロ(Naklo)という村にあるのだが、村と表現するにはとても小さ過ぎる印象だ。
エアポートから車を走らせると美しい田園が広がる。ポーランドの高低差は100m程度と平野が広がっている。たまに通る小さな街の風景とを1時間半ほどくり返していると、田園の中にこんもりと茂った森が見えてくる。
ヘンプトゥデイセンターはその森の中にあり、地図ではその森が「ドヴォルスキー公園」と表記されている。
入口のゲートから真っ直ぐエントランスへと伸びる並木道は、年月を重ねた木々に囲まれていて、真昼でも陽は当たらない。その宮殿が建てられたのは約250年前だという。
宮殿は2002年のカートが54歳の時にEU内で5億円のファンドを作り、約8千万円かけて全館の改修工事を行なったのだが、なんとその事が2008年のニューヨークタイムズ紙に紹介されていた。これは彼にとってライフプロジェクトの一つであり、人生を家族とあの宮殿と森と森の住人達と共に楽しむのだ。
ただその生活は、西側先進国の便利さなどは全く求められない。ネット環境は日本に比べ10年以上遅れている感じで、水道も通告なしにいきなり止められてしまう。そんな事は生きる上で些細なこととして考えられるカートの余裕は、便利さを追い求める私達にはカルチャーショックの何者でもなかった。
話を戻すが、当日はクラクフを出発したのが23時。迎えの車に乗り込むが、街と街の間には道路を照らす灯りはなく、日本では考えられないほど真っ黒い闇に包まれ、到着した時には既に0時半を回っていた。
(つづく)
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