欧州連合は、明確な根拠もなく、ヘンプ栽培者がマリファナを畑に混ぜないように取り締まろうとしました。
世界中の経験豊富なヘンプフード加工業者は、収穫技術と種の洗浄工程が、最終食料品のTHCレベルを下げるための重要な鍵であることを知っています。過去10年間に亘り、急成長する北米市場とカナダからの輸入品により、ヘンプ食品が消費者にとって完全に安全であることが証明されています。
相関関係なし
カナダのヘンプ食品業界は、農場で計測される植物内のTHCレベルを0.3%に制限しています。しかし、現在中国では収穫時0.3%基準を導入していますが、長年に亘り、THC無制限の植物を収穫して来た事実があり、これは言い換えれば、両国ともに収穫時のTHCレベルが高いにも関わらず、食品安全基準を満たす食品を生産する能力を示して来たと言うことになります。
そして、そこには科学的そして論理的根拠があります。大麻草は雌雄異体の特質を有し、雄株と雌株が分かれていますが、マリファナの生産者は、全ての雄株を積極的に除去し、受粉を防いでいます。なぜなら 種の生成はTHCの生産量を激減させるからです。最もTHC含有量の多いカナビスを生産する、この種なし(シンセミアと言う)栽培方法は、最高品質でTHCレベルが15%以上のマリファナを生産し、最も市場価値の高い受粉していない雌株の花の産出量を大幅に増加させます。そして、こうした嗜好性の高い製品は品種によって値段に開きがある為、マリファナ生産者は交雑を嫌います。つまり、食品として種子を収穫する事を目的とするヘンプ農家にとって不可欠な受粉と言うプロセスは、マリファナの生産者にとって失敗なのです。
社会および市場傾向
産業用ヘンプが種子を生産するためには、雄株または雌雄同体の植物が必要です。
従って、ヘンプ花粉とTHCレベルの高いカナビスとの異花受粉は、花に必要のない種を生産することにより、カナビスのTHCレベルを大幅に低減するので、最終生産物は、THCレベルの高い生産物(マリファナ)を求める現代の市場にとって、ずっと価値の低いものとなってしまいます。また、ヘンプをマリファナと異花受粉させると、ヘンプのTHC含有量を増加させる可能性がありますが、それは数世代に亘り慎重に選り分け、栽培する場合に限ってです。
その一方で、過去20年に亘り、ヨーロッパはマリファナ生産量を最小限に抑えようと試み、麻薬戦争が複雑化し、社会および市場傾向に逆らって来ました。結果として、ヘンプのTHC含有率0.2%を、ある種の「聖杯」と設定しても、ヨーロッパ全域でTHCレベルの高い大麻の消費量を削減する助けには、全くならなかったのです。
増加し続ける大麻使用量
麻薬市場の統計よると、ヘンプのTHC制限値が0.2%に下げられた前世紀末以来、マリファナを医療もしくは嗜好目的で使用する人が増え続けています。
更に、過去20年間で大麻サンプルのTHCレベルは大幅に増加しました 。それは、産業用ヘンプのTHC制限値を下げても、マリファナ生産量や消費量に何の効果もないことを意味しています。
1999年に欧州連合は産業用ヘンプのTHC制限値を0.3%から0.2%に下げるという誤った試みを実施しましたが、違法マリファナの生産を制限することができなかったのは明らかです。それはむしろ、ヨーロッパのために発展する重要なヘンプフードセクターを構築するために尽力する人たちに、不必要で経済的負担の大きい望まざる結果を招いてしまったのです。
(HEMPTODAY 2018年7月2日)