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サステナブル飼料の革命!ヘンプシードミールが切り拓く未来で市場拡大

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採卵鶏の飼料としてヘンプシードミールを承認

ミネソタ州の農業関係者は、採卵鶏の飼料としてヘンプシードミールの使用を承認したと発表しました。

「ヘンプシードケーキ」とも呼ばれるこの飼料素材は、昨年アメリカ飼料管理公式協会(AAFCO)によって暫定的に承認され、各州が商業利用を進められるようになりました。

このミールは、ヘンプシードから油分をほぼ全て抽出した後の「ケーキ」を粉砕または製粉して得られます。AAFCOの公式出版物に記載されており、これは飼料業界において、原料の定義、規制、ラベル表示、製造方法に関する手続きが定義された重要な基準書です。

ミネソタ州農業省(MDA)は、州が国内で初めてこの飼料素材の商業利用を承認した州の一つであると述べました。同州では、AAFCOが暫定的に承認した原料を動物用飼料やペットフードに使用することが認められています。ただし、ヘンプシードミールは現在、採卵鶏専用とされており、鶏の餌の最大20%までをタンパク質と脂質の供給源として使用できるとMDAは説明しています。

ポイント

ヘンプシードミール(Hemp Seed Meal)
これは、ヘンプシード(麻の実)からオイルを搾り取った後に残る固形物を粉砕したものです。つまり、「油を搾り取った後の搾りかすを粉状にしたもの」です。日本では大豆を搾った後に残る「おから」が同じような存在です。おからが食物繊維やタンパク質が豊富な副産物であるように、ヘンプシードミールも高タンパクで栄養価が高いのが特徴です。

ヘンプシードケーキ(Hemp Seed Cake)
これは、搾り取った後の固形物そのものを粉砕せずにケーキ状の形で使う場合を指します。日本での「油かす」や「おからブロック」に似ています。例えば、肥料や家畜の飼料として使われる「油かす」が近いです。

おからは大豆由来の植物性たんぱく質で、日本の副産物として長く利用されています。これと同じように、ヘンプシードミールやケーキも副産物として価値を持ち、食品としても飼料としても再利用可能です。
ヘンプシードミールは、家畜用の高タンパク質補助食品として活用される点でもおからと類似しています。特に飼料の材料として、「ヘンプシードミール=麻の実の搾りかす」です。
要約: ヘンプシードミールやケーキは「おから」や「油かす」のような、搾り取った後の副産物と考えると分かりやすいです。

市場拡大の可能性

「市場におけるヘンプの供給を拡大するチャンスです」と、ミネソタ州農業省(MDA)の飼料専門家でありAAFCO理事のダニエル・キング氏は述べました。「生産者はこれを特別な成分として販売することができます」。

ヘンプシードミールは、タンパク質、必須脂肪酸、食物繊維を豊富に含み、採卵鶏、牛、その他の家畜に栄養的な利点を提供します。研究によると、飼料にヘンプシードミールを含めることで、鶏の卵の品質が向上し、牛の成長パフォーマンスが向上するほか、そのオメガ3およびオメガ6含有量により全体的な動物の健康をサポートする効果があるとされています。

さらなる研究の進展

食品医薬品局(FDA)は、THC含有量を2ppm(100万分の2)、カンナビジオール(CBD)含有量を20ppmに制限する最終基準を設定しました。ミネソタ州農業省(MDA)によると、今後1年間にわたり、ヘンプシード内のTHCおよびCBD含有量が「適正」であることを確認するため、さらなる研究と検査が行われる予定です。

AAFCOの承認プロセスは、仮承認から正式承認に移行するまで1年以上かかることがあります、とキング氏は説明しました。正式承認が得られれば、他の動物向けの飼料用途にも拡大される可能性がありますと述べています。

また、MDAは、今年のミネソタ州でのヘンプ栽培ライセンス申請期間は4月30日まで受け付けていると発表しました。

編集部あとがき

 今回の記事を以下、4つのポイントに整理しましたのでご参考ください。

1. ヘンプシードミールの市場拡大と普及の第一歩
ミネソタ州が産業用ヘンプシードミールを採卵鶏用飼料として認可したことは、市場の拡大と新たな販路開拓の重要な一歩です。この動きにより、農家はヘンプを特殊な飼料成分として販売できるようになり、ヘンプ市場の成長が期待されます。

2. ヘンプシードミールの栄養価と健康効果
ヘンプシードミールは高タンパク質、必須脂肪酸、食物繊維を豊富に含んでおり、採卵鶏や牛などの家畜にとって有益な栄養源です。特にオメガ3・オメガ6の効果により、鶏卵の品質向上や成長促進、動物の健康維持に寄与することが示唆されています。

3. FDA基準と安全性の確保
FDAはTHCを2ppm、CBDを20ppmに制限し、厳格な基準を設定しています。これにより、市場に出回る製品が安全であることを保証し、消費者の信頼を確保しています。一方で、さらなる研究や試験が求められており、規制の進展には時間がかかるとされています。

4. 正式承認と多用途展開の可能性
現在は採卵鶏用の限定的な使用ですが、AAFCOの正式承認が得られれば、他の動物用飼料としても用途が拡大する可能性があります。これにより、畜産業全体においてヘンプシードミールの需要が高まることが予想されます。

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HempTODAYJAPAN編集部です。HemoTODAYより翻訳記事中心に世界のヘンプ情報を公開していきます。加えて、国内のカンナビノイド業界の状況や海外の現地レポートも公開中。

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