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連邦法との対立を避けたか!?バージニア州はTHC1.0%上限を却下

目次

ヘンプのTHC制限を1.0%に引き上げる法案を却下

バージニア州の議員たちは、産業用ヘンプのTHCの上限を1.0%に引き上げ、州のライセンス要件を緩和しようとする法案を却下しました。

バージニア州下院農業、チェサピークおよび天然資源委員会によって議論されていた提案(下院法案1485、HB 1485)は、繊維および穀物出力を目的とした産業用ヘンプ作物に対してのみ、THCの上限を引き上げるもので、CBDやその他のカンナビノイドを生産する植物の花には適用されませんでした。

HB1485(外部サイトへのリンク):https://lis.virginia.gov/

バージニア州および全米の関係者は、現在のTHCの上限である0.3%を1.0%に引き上げるよう求めており、これにより農家が作物が「ホット」(上限を超え廃棄化してしまう)になる心配から解放されるとしています。

過去関連記事:2024年6月5日 THC制限値は1.0%へ、国際基準はそこに向かいつつあるが、しかし

バージニア州のヘンプ支持者たちは、この引き上げにより、特殊品種の研究開発が進み、農家に植えるヘンプ品種の選択肢が増える可能性があると述べています。また、現在の規則では、上限を超えた作物は破棄されるため、この引き上げにより、その可能性が減少するかもしれません。

連邦法の厳密な解釈によると、各州は連邦基準の0.3%を超えるTHC制限を設定することはできません。もしバージニア州の法律が成立していた場合、州と連邦のヘンプ規則の間に対立を引き起こす可能性が高かったでしょう。

合成嗜好用大麻対策として0.3%のままにした

却下されたこの提案の下では、ヘンプの花穂は引き続きバージニア州でのTHC上限0.3%のままとなります。

これは、デルタ-8 THCなどの合成嗜好用大麻製品市場に対する広範な安全性の懸念を考慮したためです。

過去関連記事:2024年5月17日 合成嗜好用大麻製品では、世論は変えられないし、変わらない。アメリカがヘンプ産業を逆行させた事実と軌跡とは

これらの化合物は、ヘンプの花から合成的に製造され、デルタ-9 THC(嗜好用大麻に一般的に含まれるTHCの形態)と同様の「ハイ」を引き起こす製品になります。

2022年にバージニア州でデルタ-8 THCの摂取により1人の子供が死亡したとされています。デルタ-8 THCはヘンプ由来の合成化合物の中で最も人気のあるものです。

米国各州では、合成嗜好用大麻製品の排除に取り組んでおり、嗜好用大麻の規制の下に置いている秋もありますが、多くの州ではこれらを今後完全に禁止していく予定です。

ヘンプ栽培が失敗縮小したからこそ実現したかった1.0%

「私たちは、バージニア州内でヘンプ農業に従事する人々がより容易に行えるようにしようとしています」と、HB 1485の共同提案者であるニコラス・フレイタス下院議員は委員会に述べました。

農業委員会のメンバーは、THCの上限を引き上げることの影響について懸念を示し、これが医療用大麻産業に悪影響を及ぼす可能性を心配していました。

この法案が成立していれば、農家、加工業者、販売業者の申請および登録要件も緩和されていたでしょう。

「私たちのバージニア州のヘンプ産業を拡大するためには、トウモロコシのように扱えるようにする必要があります」と、バージニアヘンプ連合の会長であるジェイソン・アマトゥッチ氏はバージニアン・パイロット紙に語りました。

「私たちが望んでいるのは、繊維や穀物のために産業用ヘンプを栽培するために農家が現在直面している厳しい規制をすべて取り除くことです。」

バージニアンパイロット(外部サイトへのリンク):https://www.pilotonline.com/

890ヘクタールから260ヘクタールへ5年で激減

バージニア州農業消費者サービス局によると、2023年には266人のバージニア州のヘンプ生産者が267ヘクタールにヘンプを植えましたが、収穫されたのは58ヘクタール、つまり全体の約22%にとどまりました。昨年の加工業者の登録数は116件でした。

米国農務省によると、バージニア州の農家は2022年に263ヘクタール植えたうち202ヘクタール(76%)を収穫し、2021年には141ヘクタール植えたうち121ヘクタール(85%)を収穫しました。

最盛期の2019年には、バージニア州のヘンプ作物は約890ヘクタールが植えられていました。

編集部あとがき

「THC1.0%でヘンプ農家が救われる」。というのは言うまでもなく、0.3%もそもそも恣意的に決められた数値が世界の潮流として周ってしまっただけで、それに踊らされているヘンプ業界なわけなのですが。

※詳しくは以下をご参考ください。
過去関連記事:THC制限値は1.0%へ、国際基準はそこに向かいつつあるが、しかし

そもそも0.3%ですと、品種も少ないですし、0.3%以下にするための設備投資など資金面も多分にかかってしまい、まして、日本の場合、(巨大産業化を目指した形での栽培)初めてに近い形でのヘンプ栽培となるので、さすがに、リスクの方が大きいのは、アメリカを筆頭に世界のヘンプ先進地域が証明しています。

合成嗜好用大麻大国にしたいのであれば話は別ですが、純粋なヘンプ産業の拡大を図るのであれば、0.3%で産業の拡大を図るには、研究程度にとどまってしまう可能性が高いです。

今回の記事は、バージニア州でのヘンプ産業が直面している課題と、その成長を阻む規制の影響についてです。

合成嗜好用大麻製品の流行により、今回の1.0%が却下されたというのがお話のキーポイントになりますが、バージニア州は死亡者を出している。という慎重にならざるを得ない背景がありました。

主なポイントは以下の通りです。

1.THC制限の引き上げの拒否:
バージニア州の議員たちは、産業用ヘンプのTHC制限を1.0%に引き上げる法案を却下しました。この決定は、農家にとっての規制緩和や産業の成長を妨げる結果となりました。

2.安全性の懸念:
THC制限の引き上げを拒否する背景には、デルタ-8 THCなどの合成嗜好用大麻製品に対する広範な安全性の懸念がありました。これらの物質は、特に若者にとってリスクが高く、消費者の健康に重大な影響を及ぼす可能性があります。

3.農業の困難:
現行の厳しい規制のために、バージニア州のヘンプ農家は産業の拡大に苦しんでいます。農家や関係者は、規制の緩和とTHC制限の引き上げが産業の発展に不可欠だと考えています。

4.収穫データの低迷:
最近の収穫データからもわかるように、バージニア州のヘンプ作物の面積はピーク時の2019年から大幅に減少しています。これもまた、厳しい規制が産業の成長を阻んでいることを示しています。

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HempTODAYJAPAN編集部です。HemoTODAYより翻訳記事中心に世界のヘンプ情報を公開していきます。加えて、国内のカンナビノイド業界の状況や海外の現地レポートも公開中。

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