10月10日、11日の2日間にヘンプ×クリート×カーボン専門家集結
10月10~11日にアムステルダムで開催される今年の国際ヘンプ建築シンポジウムでは、カーボンクレジットとヘンプ建築分野との関係が取り上げられます。
補足:カーボンクレジットは、温室効果ガスの排出削減や吸収に対する証明書のことを指し、クリーンエネルギー投資や再生可能エネルギーの普及などの活動によって発行されるものです。
ハンブルグを拠点とするHempConnect社の共同設立者であるナンド・クノデル氏は、シンポジウムの1日目にこのテーマを取り上げます。
クノデル氏は「ヘンプとカーボン」に関する最近の論文の著者であり、現在不足しているカーボンクレジット認証はヘンプ産業にとってチャンスであることを示唆しています。
彼の会社は、ヘンプとピロリシス(補足:高温下での化学的分解反応のことを指す、つまり熱分解)の組み合わせを通じての循環型農業とカーボン除去に注力しています。
全世界から集まったスピーカー一覧も一挙公開
この第11回シンポジウムでも、ヘンプを使った研究科学、新技術、製品、建築プロジェクトに関するプレゼンテーションが数多く行われます。
このシンポジウムは、国際ヘンプ建築協会(IHBA)の理事であるスティーブ・アレン氏が主催となって開催されています。
補足:IHBA(International Hemp Building Association)は、ヘンプを使用した建築分野の発展と普及を目的とした国際的な団体です。
建築業界向けのヘンプパネルに関するプレゼンテーションもプログラムに組み込まれており、ドイツ・サイレントファイバー社のロバート・シュウェマー氏、スウェーデン・エコリューション社のレミ・ローレン氏、英国・ナチュラル・ビルディング・システムズ社のクロエ・ドノバン氏達がスピーカーとして登壇します。
小規模事業者向けの「あのマシン」のデモンストレーション開催決定
シンポジウムでは、機材のデモンストレーションも予定されています。
クリスタプス・エグリタスは、彼が開発し世界中で販売されているマイクロデコルテーター、ハードマスターMD1000Airのデモンストレーションを行います。
フランスのEreasy社、Damien Baumer氏は、緊急住宅ドームのプロトタイプ型枠に湿潤材料を塗布するヘンプクリート散布機の実演を行います。
最後に、参加者はオランダのトゥエロにあるヴォールスト市役所で行われている大規模なヘンプクリート打設プロジェクトを見学します。
スティーブ・アレン氏はIHBAの草分け的存在であり、現在もディレクターとして活動しています。著者、教育者、コンサルタントとして、彼は過去20年間にわたり、世界中でヘンプを使った建築を行い、建築分野での麻の利用を推進してきました。
彼の著作には『ヘンプでの建築:50の国際的な事例研究』(Seedpress, 2021)や『ヘンプでの建築』(Seed Press, 2005, 2012)、さらにヘンプベースの建築に関する多数の論文があります。