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【必読案件】ヘンプ関係者が抑えておくべき9つの優先事項が決定、農業法案改正に向け、全米関係団体が1つにまとまる

目次

米国のヘンプ産業の各種団体が、2018年農業法の
改正案となる2023年農業法案の優先事項を決定

米国ヘンプ・ラウンドテーブル(HRT)は、ヘンプ産業協会HIA)および全米産業用大麻協議会NIHC)や、モーリス・ビーグル氏およびWe. Are. For. Better. Alternatives(WAFBA)などのヘンプ業界の著名な団体と共に、2023年農業法案に向けた重要な政策優先事項の策定を行いました。

以下は、HRTの発表です。

数ヶ月にわたる厳しい議論と検討の末、私たちはこれらの優先事項を最終的に決定し、全国の31の州、地域、国のヘンプ団体から支持を得ることに成功しました。

ヘンプが復活して以来、全米の非営利支持団体がこのような大規模な立法イニシアチブで一致団結したのは初めてのことです。

この成果を踏まえ、米国ヘンプ・ラウンドテーブルは、HIAおよびNIHCのリーダーとともに、4月下旬にワシントンD.C.で開催されたスプリング・フライ・インにおいて、これらの政策優先事項を率先して連邦議会議員に直接働きかけました。

私たちは、最初の発表とその後の議会での宣伝以来、大きな進展があったことを共有できることを嬉しく思います。政策立案者と関わるこの機会は、ヘンプ産業の発展に対する認識を高め、支持を集める上で非常に貴重なものです。

多様なヘンプ団体の総力を結集し、統一見解を示すことで、これらの政策優先事項が支持を集め、2023年農業法案の策定に影響を与える可能性はかなり高まっています。米国におけるヘンプ関連政策の将来を形作る可能性を秘めているのだから。私たちは引き続き、ヘンプ産業のために努力を続けていきます。

次の章から各優先事項の要約と簡単な進捗状況を掲載します。優先事項の原文は下記のリンクからからご覧いただけます。

 

2023農業法案優先事項の原文(外部ページへのリンク):Hemp-Industry-Leaders-Farm-Bill-Priorities.pdf

 

補足:以下、We. Are. For. Better. Alternatives(WAFBA)には、CBD部とMOU締結をしたNOCO HEMP EXPO(両代表のモリス・ビーグル氏)が参画しています。今週末8月25日にはCBD部主催のウェビナーでの登壇もあるので、ファームビル2023優先事項策定におけるアメリカの現況のリアルなお話がうかがえるかもしれません。

 

 

WAFBAのホームページ(外部サイトへのリンク):https://wafba.org/

 

NOCO HEMP EXPOのホームページ(外部サイトへのリンク):https://www.nocohempexpo.com/

アメリカヘンプ産業にとって2023年農業法案に向けた優先事項とは?

(1)今すぐCBDに適切な規制をする 

CBDをはじめとするヘンプ製品に対する米国食品医薬品局(FDA)の規制がない状態が続いているため、商品価格は90%以上暴落し、健康や安全性に懸念のある規制対象外の製品(デルタ8など)が出回っています。栄養補助食品や食品・飲料添加物に使用されるヘンプ抽出物を規制するようFDAに義務付ける法案は、農業の機会を拡大し、消費者を保護する。 

H.R.1628およびH.R.1629は、モーガン・グリフィス下院議員(バージニア州選出)により下院に提出された。モーガン・グリフィス(共和党、バージニア州選出)とアンジー・クレイグ(民主党、ミネソタ州選出)。保留中の法案(旧S.1698)が上院に提出される。ロン・ワイデン(民主党)とランド・ポール(共和党)が上院に提出する。管轄権の問題から、これらは農業法案の原案には含まれないが、議場または会議委員会で追加されることを期待している。

(2)USDAヘンプ・プログラムの強化

米国農務省(USDA)のスタッフは、新しい産業用ヘンプ産業の発展において、限られた資源の中で素晴らしい仕事をしてきた。ヘンプ産業をさらに発展させるためには、さらなる州やネイティブアメリカンでのヘンプ生産を管理するための準備、USDA主導の部局間ヘンプ・ワーキング・グループの適切な人員配置、ヘンプをバイオ燃料支援や研究開発計画に含めること、USDAヘンプ研究センターの設立など、追加資金が必要である。また、独自のヘンプ・プログラムを管理し続ける部族や州への資金援助も増やすべきである。

私たちは、予算要求にヘンプに関する文言を盛り込むよう、USDAのスタッフと積極的に協力しています。

(3)特産作物としてのヘンプ 

ヘンプは、例えばUSDA Specialty Crops Block Grant(米国農務省特産作物ブロック補助金)において、不適格品目としてリストに残っている。ヘンプの定義は、連邦政府の特産作物の定義と一致させるべきである。ヘンプは、その栽培目的に応じて、恒久的かつ完全に、商品作物と特産作物の両方に指定されるべきであり、これによりすべてのヘンプ生産者は同じ恩恵を受けることができる。

すべてのヘンプ生産者は、国内外の他の商品作物や特産作物の生産者が利用できるものと同様の恩恵や支援プログラムを利用できるようにする。

ディナ・タイタス議員(民主党)は、数週間以内にヘンプを特産作物として確立するための法案を提出する予定。

 補足:23613日付けで、米国農務省の農業技術諮問委員会(ATAC)の正式名称を「タバコ、コットン、ピーナッツ、ヘンプのための農業技術諮問委員会(ATAC)」とした。https://www.fas.usda.gov/atac-trade-tobacco-cotton-peanuts-and-hemp 

(4)ヘンプ栽培における重罪犯禁止規定の撤廃

2018年農業法案では、刑期を終えた有罪の麻薬犯罪者がヘンプ生産に参加することを禁止している。2023年のFree to Grow Act(自由栽培法)では、麻薬の重罪で有罪判決を受けた者がヘンプの栽培や加工のライセンスを取得することを禁止する文言が削除される。刑期を終えた者は、完全に合法な作物を栽培できるようにすべきである。

H.R.1428The Free to Grow Actは、David Trone議員(民主党)により提出された。デビッド・トローン議員(民主党)、デビッド・ジョイス議員(共和党)、ナンシー・メイス議員(共和党)、チェリー・ピングリー議員(民主党)。

(5)HBCU、ネイティブアメリカンの大学、ヒスパニック系教育機関におけるヘンプ研究の促進

ヘンプ産業は、このような教育機関による研究から恩恵を受けているが、さらに多くの研究が必要である。私たちはまた、十分なサービスを受けていない地域社会への資源と機会を増やすという目標を強く支持する。歴史的に黒人の多い大学(HBCU)にある全米のセンター・オブ・エクセレンスを6校から10校に増やし、ネイティブアメリカンの大学(Tribal Colleges)やヒスパニック系教育機関(Hispanic Serving Institutions)の研究を支援することで、これらの重要な機関はヘンプ産業と提携し、その目標に向けてヘンプの研究開発の拡大を促進することができる。

デビッド・スコット議員(民主党、ジョージア州選出)は、センター・オブ・エクセレンスを6校から10校に増やすよう提唱している。

(6)ヘンプ試験所のDEA登録要件を撤廃する

米国農務省(USDA)は現在、ヘンプのTHC濃度を検査する試験所に米国麻薬取締局(DEA)の認定を義務づけている。USDAはこの規則を2度にわたって一時停止しているが、これには正当な理由がある。しかし、恒久的な要件は生産者にとってボトルネックとなり、利益の損失につながる遅れを生むことになるTHC検査ができる設備と能力を備えた、信頼できる国際機関によって認定された試験所はたくさんある。 

前議会で可決されたH.R.6645(ヘンプ振興法:The Hemp Advancement Act (HAA))の該当箇所は、複数の議員によって上下両院の農業委員会で優先的に審議されている。(なお、HAAの全文は再提案されていない。HAAの中のいくつかの条項は、もはや業界の支持を得ていない)

(7)飼料用ヘンプシードの許可

コンパニオンアニマル(愛玩動物)、エキゾチックアニマル(犬猫や牛・豚・トリなどの産業動物以外の動物)、ウマ、その他非生産動物に対するヘンプシード原料の市販前承認取得要件を撤廃することは、収益性の高いヘンプアニマルフィード産業の立ち上げに役立つ

ヘンプ飼料連合は、この法案のスポンサーを見つけるために産業用大麻の業界をリードしている。

(8)ヘンプ農家の規制負担の軽減

現在のTHC検査とサンプリング要件は、農家、特に繊維、育種用に栽培している農家にとって負担が大きい。私たちは、産業用大麻法2023の目的を支持し、農家の規制障壁を軽減し、農家がヘンプの穀物や繊維作物への需要の高まりに応えるために時間と労力を投資し続けるために必要な確実性を提供する。私たちは、全国州農務省協会、連邦議会、米国農務省とともに、業界一丸となってこの目標達成に向けて、規制当局や利害関係者のニーズや懸念に取り組んでいく。

産業用大麻法(S.980)は、テキサス州選出のマックス・ボーカス上院議員によって提出された。また関連法案(H.R.3755)は、マット・ローゼンデール(Matt Rosendale)議員(R-MT)とクリッシー・ホウリハン(Chrissy Houlihan)議員(D-PA)により下院に提出された。

(9)ヘンプのTHC濃度への対応

ヘンプの現在の法的基準値である乾燥重量ベースで0.3%のデルタ-9 THCが課題となっているが、この基本的な定義を変更することなく、法令を微調整することで、農家のリスクを軽減し、加工業者に確実性を提供し、消費者を保護することができる。

ヘンプ作物:

気候や土壌の条件、あるいはサンプリングや検査の誤りにより、農家が連邦THC基準値を超えると思われるヘンプの廃棄を不当に強いられていることがあまりにも多い。議会は、農作物がUSDAの定義する総THC1%を超えない限り、適合とみなすことを義務づけるべきである

畑でのTHC濃度1%:これは、複数の議員によって、上下両院の農業委員会に優先事項として進められている。

加工内ヘンプ抽出物

ヘンプのTHC濃度は、刈り取り、製粉、抽出などの加工工程で自然に急上昇するため、サプライチェーンにグレーゾーンが生じ、加工業者や農家にとってリスクが高まる。

議会は、消費者に販売しない限り、適切に認可された事業者間で加工途中のヘンプエキスを保管、輸送、販売するためのセーフハーバー(一定の条件の基準を満たしていれば違反や・罰金の対象とならないとする範囲)を設けるべきである。

加工内ヘンプ抽出物-H.R.6645の関連セクションは、複数の議員によって上下両院農業委員会に優先的に提出されている。

最終製品 

米国食品医薬品局(FDA)の不作為により、今日のヘンプ製品は安全性と透明性の面で規制が不十分であることが多い。議会は、ヘンプ産業関係者、科学者、研究所と協力して、統一的な表示要件、適切な場合には年齢制限、その他の安全ガイドラインを決定する一方で、ヘンプ製品を犯罪とする州法を免除する枠組みを開発すべきである。

最終製品管轄権上の理由から農業法案の対象外関係者が解決策を検討中。

米国ヘンプ・ラウンドテーブルでは、これらの法案を支持するために、WEBサイトを通じて、連邦アクションセンターや、ヘンプサポーター+プログラムへの参加を呼び掛けている。

記事引用元:https://hempsupporter.com/news/progress-on-2023-farm-bill-priorities-for-the-hemp-industry/c

8月25日(今週末)はCBD部主催のウェビナーにNOCO HEMP EXPO登壇予定

冒頭にも書きましたが、こちらのCBD部主催のウェビナーに今回のファームビル2023、9つの優先事項策定に参画していたNOCO HEMP EXPOが登壇予定です。

アメリカのヘンプ産業のこれからと日本のヘンプ産業のこれからは必ずリンクしていきますので、今回の9つの優先事項のポイントを押さえつつ、こちらのウェビナーを一層有益な時間にしていきましょう。

参加リンクはこちらです(外部サイトへのリンク):http://mou-collaboration-expo.peatix.com/

HTJ
集部あとがき。注目すべき点は、この9つの優先事項の中心人物であるモリス・ビーグル氏がプロデュースしているNOCO HEMP EXPOがCBD部とMOU締結してまして、今週25日にウェビナーに登壇する予定のタイミングなので、ここは是非、今回の9つの事項を予習して参加しましょう。さて、ここで全9つをざっくりと解説しますと、1つ目、デルタ8などから派生していった製品が問題となったことから食品としてしっかり規制して管理していく、2つ目、農務省(USDA)がリードしてヘンプバイオ素材へ向け研究開発資金、人材、支援の強化、3つ目、農作物として補助金が出るようにする、4つ目、重犯罪歴でも業務可能にする、5つ目、先住民、移民、貧困地域への教育・研究支援強化、6つ目、DEAの指定の試験所でなくてもOKにする、7つ目、飼料用ヘンプシードの許可、8つ目、THC検査、サンプル検査を無くす、9つ目、THC濃度を1%にする。となります。(詳しくは記事をご確認下さい)注意点として、1つにまとまった全米ヘンプ団体、そして関連する議員達がこのような9つの「優先事項」を提出をしただけで、確定施行事項ではありません。但し、全米のヘンプの産業団体が1つにまとまって制作しているという点においては、それが世界の指標になりうる案件でもあるととも捉えることができ、日本のヘンプ産業関連団体が持ち合わす「目的」として合わせていける。という見方があるということです。つまり、私達、日本人に何ができるのか?ということになりますが、日本からですと、これら9つの優先事項が実現できるよう「応援する、期待する」以外、他なりませんが、この9つの優先事項が全米ヘンプ業界が求める答えになるので、その答えとこれから日本が策定していく規則のズレ、あるいは一致を確認していく際にも、わかりやすい指標になるかと思います。今回の優先事項は、アメリカにとっても日本にとっても大いなる成果(資産)で、この優先事項策定の背景には、当サイトでも度々書かせていただいておりますが、2018年のファームビルでヘンプが合法化された後に、たったの5年で「アメリカのCBDバブル崩壊、そして、90%のヘンプ農家が壊滅的惨劇」という経緯が存在しています。このような大失敗を経験中のアメリカだからこそ、今回の9つの優先事項は、これから法改正を迎える私達にとっても、実りのある失敗談を受けた上での「有益な対策案」となります。アメリカでさえ1つにまとまったのだから、このまとまった実例を見て、日本でも必要な優先事項を整理して、1つの軸として、関係各団体が一層まとまっていけたらと、なおさら強く感じます。「ヘンプ啓蒙活動はある意味で、一生(私たちが生きている間は)終わることがない長い道のり」なので、あらゆる団体が前後左右とバラバラに公言するよりも、1つの軸となるパーパスをあらゆる団体が同時多発的に発言していく方が、立法側に対しても、消費者側に対しても、伝わる力、拡大する力が変わってくるかと思います。「ダメ、絶対」のように。日本が向かう方向が、この優先事項とズレていけば、そのズレを全米のヘンプ団体と協力して、日本の関係各省庁に対しても、これらの根拠をもって、日本が向かう方向とズレとのギャップを詰めていくことができますので、どんどん有益に活用していければと思ってます

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AUTHORこの記事をかいた人

HempTODAYJAPAN編集部です。HemoTODAYより翻訳記事中心に世界のヘンプ情報を公開していきます。加えて、国内のカンナビノイド業界の状況や海外の現地レポートも公開中。

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