カナダ西部のアルバータ州に拠点を置く非営利ヘンプ団体 Alberta Hemp Alliance(AHA)は、農林業の促進を目的とした公的機関 Canadian Agricultural Partnership から2年間で30万ドル(約3,300万円)の助成を受けたと伝えました。
カナダの州では今年だけでも約4万エーカーのヘンプが栽培されており、今後、ヘンプは10億ドル規模の産業になり得る、とAHAは述べています。
AHAは、今後10年間でヘンプの栽培面積を更に増やすことを目標に掲げており、州内でのヘンプサプライチェーン開発の提唱と、輸出の機会なども模索しながら、農家にヘンプ栽培を推奨する活動を行なっています。
多様性に富み汎用性も高いヘンプの性質
アルバータ州政府の声明の中で、連邦政府のMarie-Claude Bibeau農林水産大臣は、「急成長しているヘンプ産業を支援することは、生産者に新たな市場機会を提供すると同時に、この代替作物を使って、輪作を多様化するという点においても、とても重要です」と述べています。
「種から成熟した茎まで、この作物の販路は拡大しており、食品やバイオ燃料、バイオプラスチック、建築資材に至るまで、さまざまな付加価値の高い製品を作り出すことが可能です」とBibeau氏は述べています。
AHAでは、食用と飼料用のヘンプシードの他に、ヘンプの茎を加工した断熱材、建材、繊維製品、動物用寝床、などの製品も有望だとしています。
ヘンプを使って自動車部品も生産可能に
既にアルバータ州には、ヘンプを原料としたバイオコンポジットを利用した自動車のダッシュボードやドアパネルを大規模に製造するメーカーがあり、石油由来のプラスチックの代替としてヘンプ由来のバイオプラスチックが自動車部品に使用されています。
アルバータ州の中心街であるDrayton Valley の企業 BioComposites Group Inc. (BCG)は、昨年末にヘンプの靭皮繊維を剥離する特殊な加工ラインを設置したことで、今後、北米最大のヘンプ加工ハブになると宣言しています。
この特殊な加工ラインの設置で、現地のヘンプ繊維のバリューチェーン構築におけるネックが一つ解消されたとしており、BCG社は、断熱材やグリーンビルディング製品を生産するために、ヘンプや亜麻の靭皮繊維を剥離する新しい施設の増設も計画しています。
また同州には北米最大規模のヘンプ加工施設を持つCanadian Rockies Hemp Corp(CRHC)があり、同社は現在、ブルーダーハイム地方に新工場を建設しています。
CRHC社によると、未公開株式ファンドを運用するMerida Capital Holdings社が、そのプロジェクトに1,400万ドル(約15億4千万円)を投資していると述べており、早ければ今年の夏には処理施設が完成する予定だと述べています。
引用元;https://hemptoday.net/alberta-hemp-alliance-gets-300000-grant-to-boost-supply-chain/