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米議員グループがシャカリ・リチャードソン選手のオリンピック選考の見直しを求める

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米国アンチ・ドーピング機構への抗議文

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撤回を求め50万人以上が署名

 

今月から始まるオリンピックの女子陸上のスターであるシャカリ・リチャードソン選手がドーピング検査で大麻の陽性反応が出た結果、代表選考から漏れた事に反対を表明する書簡に、18人の米議会議員グループが署名し、こうした事が再び起こらないよう、米国アンチ・ドーピング機構(USADA)などの統治機関に方針転換を要求しました。これに先駆けて呼び掛けられた一般の署名には、すでに50万人以上が署名しています。

 

現在米国最速のランナーで、歴史上6番目に早いというシャカリ・リチャードソン選手は、東京オリンピックの代表選考大会で、2位に0.13秒の大差をつけて優勝していましたが、ドーピング検査で大麻の陽性反応が出たため、1ヶ月間の活動停止処分が決定し、結果として東京オリンピックへの出場も取り消しとなっています。

 

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彼女は、その後のインタビューで「突然の母の死のショックに対処するために使った」と大麻使用を認めていますが、選考大会が開かれたオレゴン州では、大麻使用が全面的に合法である事から、違法性もなく、しかも運動能力を増強するわけでもない大麻使用が原因で、全米最速のランナーを五輪に送らないのは論理的でないという議論が沸き起こっています。

 

 

事実、書簡では、処分決定を伝えたUSADAのプレスリリースでも「彼女の大麻使用は競技外での事であり、競技における彼女の能力には、なんら関係がない」と明確に書かれている事を示し、

世界アンチ・ドーピング機構(WADA)が提示している禁止薬物の定義

  1. その物質が運動能力を向上させる、もしくはその潜在的な可能性がある事
  2. その物質が選手の健康を害する、もしくはその潜在的な可能性がある事
  3. その仕様がスポーツ精神に反する事

に抵触していない、として更に、「その使用と乱用に関連する健康上のリスクが既に証明されているアルコールが、このリストに含まれていないなか、大麻がこのリストに含まれている事に懸念を表明します。」と述べています。

「アスリートがプライベートで大麻を使用する権利」を擁護

議員たちは書簡で、大麻成分は1ヶ月近く体内に留まるため、それが競技中に使用されものか、過去に使用されたものかを判断する技術が存在しない事を例に挙げ、「アスリートは、競技中にいかなる物質の影響下にもあるべきではない事には同意するものの、大麻が禁止薬物リストに含まれている事や、アスリートの私生活での大麻使用が制裁の理由である事に反対します」と述べ、選手が大麻を使用する権利を擁護した上で「大麻使用の禁止は、時代遅れで厳しすぎる」と書いています。

 

 

また、昨年からメジャーリーグ(MLB)フットボールリーグ(NFL)が薬物テストから大麻を除外した事を挙げ、こうした団体が、むしろCBDの持つ薬効を認めていると述べ、禁止薬物(特にTHC)リストの科学的データに基づく見直しを求めています。

 

 

議員団は、書簡の最後で

「大多数の州や準州では合法であるにもかかわらず、アスリートが私生活で大麻を消費することを許可されていないのは問題です。 2021年7月22日までに、大麻が合法である州や準州での私生活において、アスリートの使用禁止物質に大麻が含まれている理由について、回答と詳細な根拠を謹んでお願いします。」

と、期限つきでの回答を迫っています。

 

 

Yosuke Koga

全米最速の女王が大麻使用でオリンピック代表を外されるというスキャンダルが一転して、審査機構に再考を促す運動へと進展しています。

 

これでもし22日までに処分が撤回される事になれば、大麻を使用した事が判明している人物の入国と、オリンピックへの参加を認める事となり、もしメダル獲得などという事にでもなれば、これまで大麻使用の健康被害を喧伝し続け、大麻使用罪の導入が検討されている日本としては、苦しい立場となるかもしれません。

 

大麻が本当に健康に悪いのならば、そんな不健康な人物がメダリストになどなれるのでしょうか?。

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Yosuke Kogaのアバター Yosuke Koga HTJ 編集長

1996年カリフォルニアで初の医療大麻が解禁。その5年後に現地へ移住し、医療大麻の家庭栽培、薬局への販売などの現場や、それを巡る法律や行政、そして難病、疾患に対し医療大麻を治療に使う患者さん達を「現場」で数多く見てきた、医療大麻のスペシャリスト。

10年間サンフランシスコに在住後、帰国し、医療機関でCBDオイルの啓蒙、販売に従事し、HTJのアドバイザー兼ライターとして参画。グリーンラッシュを黎明期から見続けてきた生き証人。

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