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ワンインチ:クラウドファンディングからスタート、そして次へ

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Yosuke Koga

クラウドファンディングから会社を立ち上げ、その後も独自ブランドの展開、OEMでの他ブランドのサポート、CBDビールのプロデュースやポップアップでのCBDレストランのプロデュースなど、精力的に活躍の場を広げている「ワンインチ」。

 

今回は代表の柴田さんに、お話を伺って来ました。

 

目次

個人での試用、起業、そして現在

 

HTJ:
本日は東京ビッグサイトで開催されている、2020食品開発展にお邪魔しています。

こちらはCBDメーカー「ワンインチ」の柴田さんです。どうぞよろしくお願いします。

ワンインチのスタートって、いつ頃ですか?

ONE:
2018年ですね。

私個人ではCBDを使ってたんですが、私自身IBS(過敏性大腸症候群)というストレスでお腹壊してしまう病気を持っているんですが、さらに良い薬に廻り合わない中で、母親が医者なんでけれども、偶然に医療大麻の論文の中にCBDを見つけてくれて、どうやらCBDが緩和ケアなどに使われているらしいということを知り、論文を7年前に読んでから自分自身でイギリスなどから個人輸入して使ってみたら、病気に有効だったんです。CBDってすごいな、というところからワンインチを始めました。

日本でもここ数年ですかね、ワンインチより前に始めている会社の人達もいたので、そういう方達に話を聞いてみたり、教えてもらったり、自分自身で使ってみて色々と見えてきたので、アメリカに渡り独占契約できる企業を探してきたという経緯ですね。

HTJ:
では、現在日本での総代理店となっているカッツナチュラルズとの契約は、いつ頃なんですか?

ONE:
2018年ですね。

独占契約できるという段階で起業できると思っていたので、独占契約がないと流通という部分が押さえられないとCBDの勝ち筋がないと思っていたので。そこを重要視して、独占契約できる企業が見つからなければ日本に帰ってこないつもりでアメリカに渡りました

 

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ワンインチの柴田代表

HTJ:
ワンインチさんは起業にあたってクラウドファンディングをされたんですよね?
その辺の経緯を聞かせてください。

ONE:
ワンインチでいうとスモールビジネスではなくて、スタートアップでやっていきたいと思っていて、スモールビジネスが良い悪いということではなく、スモールビジネスで企業体と進めていくというよりは、可能であればIPO上場マネーも含めて、大きな企業にしていきたいという思いがありました。

自分たちのブランドの力であったり、CBDの認知というものを「ちゃんとワンインチがやってます、柴田がやってます」という形で押し出していかなければいけない。それこそ元ゾゾタウンの前澤さんがセールスで前面に出て行ったように、CBDでも会社としてきちんと確立できているという状況を作っていかないと、多くの人々の信頼であったりとか、上場も含めたことをできないと思っていました。

やはり海外だとスタートアップの会社がクラウドファンディングをすることが一般的だったという点と、ワンインチは最初銀行から融資してもらうことも、CBDということで(大麻関連だから)貸してもらえない、ましてや銀行口座も開けない、という状況で、「大麻関連だから危ないからダメだ」と何度も何度も断られました。

何度も何度も説得を重ねて、やっと銀行口座も開けて、融資もしてもらえるとなったときに、支店長に対して「ワンインチのクラウドファンディングを絶対成功させますので見ていてください」と約束させてもらったというのも、クラウドファンディングをやったきっかけでもありますね。

HTJ:
なるほどですね〜

ONE:
クラウドファンディングが成功したので、銀行融資に至り、その後「CBDだけでやってます」というのを銀行にオープンにして、そういった形で融資してもらってます。

HTJ:
その話って面白いですね〜!それって人間性というか信頼の話ですよね!

ONE:
本来は、起業しましたとなると日本政策金融公庫、信用保証協会を使って融資してもらうというのが一般的と思うんですが、その二つに断られちゃったんですよね。
最初は。でも、先程お話した銀行だけが貸してくれて、そこでやって行った中で、信頼が認められたのかは分からないんですが、CBDでは初めて東京都の助成金に採択されて。都が認めてるんだったらと公庫がまず動いてくれて、公庫は政府の銀行なので、公庫が動いたんだったら信用保証協会も動きましょう、ということで全部貸してくださったという経緯ですね。

昨年は銀行からもプラスで借りているんですけど、株式を出して資金調達していくというところに注力してやってました。

HTJ:
そうなんですね。資金調達もうまくいって、ここからしばらく展開していく感じですか?

ONE:
そうですね。OEM可能な商材を増やしていくとか、今は社内の人もまだ少ないので、資金調達もできたこのタイミングで、今期は採用も頑張っていこうと思っています。

 

成長に併せて事業内容も変化

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ワンインチの自社ブランド製品。ティンクチャーから専用設計のデバイスまで多岐にわたる

 

HTJ:
これからある程度組織を展開していくとして、事業の方向としては、今のまま大きくしていきたいということですか?

ONE:
そうですね。それを広げていくということですね。

広げていくというか、まだ自社ブランドとしてきちんと製品で出してないので、自社ブランドの製品を固めていく、それできちんと信頼をB2Cに得ていく、B2Bに関しては、卸とか工場の紹介って形でB2Bを広めていくということが直近の目標です。

HTJ:
ワンインチは、基本的にはスタートした時にはカッツナチュラルズの日本代理店という形で始められたということですか?

ONE:
そうなんですが、現在は代理店というよりは、原料の卸し会社としての契約会社としてやっていくみたいな形ですね。

HTJ:
それは最初から考えていたプランなんですか?

ONE:
いやそうではないですね。
最初はカッツナチュラルズがオイルの最終製品を販売していたということもあって、それを色々なところに卸していくということだったんですが、カッツナチュラルズは「きちんと原料を茎から取れたものでちゃんと卸せる」というトレーサビリティもあったので、であれば一度原料を卸してみましょうということで徐々に製品づくりを始めていって、今に至っているということですね。

今は原料の卸がものすごく多くなったんで、ワンインチはカッツナチュラルズに対して物凄く恩義を感じていて、彼ら(カッツ)はワンインチのために別の工場を作ってくれているんですよ!その恩義に応えるためにも彼らの最終製品を売っていきつつ、彼らの原料を使って良い製品を世に出していきたいなと思っています。

HTJ:
なるほどですね!そのオペレーションが、
おそらく問合せが重なる中で変化してきたってことなんでしょうけど、そのカーブと言いますかどんな感じですか?

ONE:
最大は自分たちで電子タバコを作ってみたいっていう、最終的に電子タバコは出すかわからないんですけど、物作りをしてD2Cというのが今はやっているんですが、ダイレクトにカスタマー、コンシューマーに対してコミニュケーションをとっていい製品を作っていくっていうのが喜びだったというのが大きいですね。

今日も来ていただいて使ってみて美味しいとか、こういうふうにして欲しいとか、いろんなご意見いただいて、例えばうつ病の人がちょっと良くなりましたとか、これがもう手放せませんとか言っていただけることが何よりも喜びというか、お金とかそういうことではなく、そっちの方が喜びに感じちゃって。

だったら自分たちで原料仕入れて物作りちゃんとやろうかというところからスタートしてカーブとしても全然違うポイントですね。

 

HTJ:
OEMのリクエストに応えて、だんだん原料メーカーみたいな性格になってきたわけですけど、いつ頃からその辺の動きが活発になってきだしたんでしょうか?

ONE:
そうですね。2019年の末ぐらいですかね。一年前ぐらいですね。

HTJ:
その頃からやっぱりCBDの小売店というのがすごい増えてきた感があって、おそらくメーカーさんにその話を聞いてみると反映しているんだろうなという思いがあるんですが?

ONE:
まさにそうですね。徐々に認知も広がってきてビジネスの意識が高い人たちの会社だったり、そこからの問い合わせが多くなったりして、自分たちでも工場とか開拓して行って徐々に徐々に信頼を勝ち取っていって、一つ一つですね。

ただチョコとか作るわけではないので、「CBDです」っていう理解を深めるところからスタートして、そこから上の人を通して、長いステップを踏んで、ようやく中規模の工場とかと契約できるという感じですね。

メーカーさんとか OEM だったり EC で販売 していく形だとか、取引していただいたメーカーさんが新しい商品を開発したり、 原料も提供していきたいと思っています。

 

HTJ:
ワンインチさんは原料も扱われていて、OEMのリクエストにも対応できて、最終製品も御自身のブランドで
ご用意されているということですね?

 

ONE:
そうですね。 我々の強みとしては、原料を持っているということと、自分たちで
ブランドを持っていること、あと原料が様々な製品に流用できるということで、CBDオイルや電子タバコ、タブレットカプセル、化粧品、 食品に流用できるという汎用性の高い中で、自社でいろいろな工場を押さえているので、ワンインチで安全で合法な原料を卸せるというところに強みがあると思います。

 

でも、上場企業食品メーカーとなると日本でのリスクがあるので、なかなか参入しにくいということもありますので、徐々に話しをしていって理解を深めてもらい、役割を決めてコラボレーションしていくというような方法を模索していくことで、CBDの勝ち筋を確立していけたらと思っています。

 

HTJ:
OEMとか原料の売り上げと自社ブランド製品の売り上げと、どちらが好調ですか?

 

ONE:
圧倒的にOEMですね!OEMや卸で6割、7割となっていて、自社ブランド製品で3割となっています。卸の方が加熱してるんですよね。自社ブランド製品でいうと消費者向け向けになりますよね。B2Cの方は楽天などでも知ってる人は知っているという状況なんですが、自社ブランド製品売上げでもB2Bの方が販売としては大きいと思います。

B2Cの方でも例えばリッチルという若い方々がやっている電子タバコがあって、それも卸しているんですが、そちらが圧倒的に売れています。売る形でいうと電子タバコであれば自社ブランドでいうと、そこまで重要視していなくて、(自分たちは)もっと健康に特化したところでやっていきたいと思っているんですよね。電子タバコってどちらかというとファッションというか文化の方に入ると思うんですけど、若者の文化で、かつファッショナブルでというところは他の人に任せて、ワンインチは自分たちがターゲットにしたい人達に向けて製品とブランドを堅く作っていきたいと思っています。

それ以外の自社でなかなか作れないものやキャッシュポイントを作っていくために卸であったり、2B向けの大きめの企業とコラボレーションしていきたいと思っています。

現状ではオイル加工工場や、他にも食品工場、化粧品とカプセルの企業は提携していて、そこで作るCBD製品はワンインチからCBDを卸しているので、そうなるとキャッシュ的にも安定すると思っています。

でも、まだカプセル作ろうと思ってもカプセル会社によってはOKしないんですよ。それこそ「CBDはまだ早い」と言われるんですよね。

ドリンクも食品も、化粧品もそうですけど、小さな会社は作ってくれるんですが、中規模、大規模の工場ってなかなか作りたがらないんですよ。リスクや他社に対しての(コンプライアンス)ということがあるので、ただワンインチの化粧品とカプセルに関しては、業界の中でも大きな品質の高いOEM工場と提携しているので、そこで作ってもらえているのは大きいと思っています。

 

 

もちろん、どれだけCBDの製品をB2Bのお客様が欲しがるか、というところはまた違う話にはなるんですが、今のCBDの盛り上がり方を見ると、2Bの顧客様がガンガン作ってもらったほうが良いのかなと思っていますが、同時に、さらに自社でもっとプロダクトを磨いて行きたいとも思っています。

 

 

HTJ:
面白いですね〜。話が尽きないです。

ワンインチさんスタートした時からクラウドファンディングして他のメーカーさんとは毛色が違うというイメージあったんですけど、久しぶりに東京に来てお話伺ったら、すごい着実に伸びてるって話で嬉しいです。応援してます。 

 

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AUTHORこの記事をかいた人

Yosuke Kogaのアバター Yosuke Koga HTJ 編集長

1996年カリフォルニアで初の医療大麻が解禁。その5年後に現地へ移住し、医療大麻の家庭栽培、薬局への販売などの現場や、それを巡る法律や行政、そして難病、疾患に対し医療大麻を治療に使う患者さん達を「現場」で数多く見てきた、医療大麻のスペシャリスト。

10年間サンフランシスコに在住後、帰国し、医療機関でCBDオイルの啓蒙、販売に従事し、HTJのアドバイザー兼ライターとして参画。グリーンラッシュを黎明期から見続けてきた生き証人。

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