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カナダがCBDに注目を向ける

カナダがCBDに注目を向ける

韓国に対するヘンプシード輸出の小さなブームが弾けているにもかかわらず、カナダの大麻関係者は、産業用大麻生産者に向けて提示された新ライセンス制度下で見込まれる変化と、収益性の高いCBD(カンナビジオール)市場の将来性に期待しているため、いまだに楽観的です。

「彼らの(韓国の種子)市場は2016年から持ち越された在庫を部分的に解消することに役立ちましたが、現状は好転したので、市場での値引きの必要はなくなりました」と、カナダ大麻貿易連合(CHTA)のロス・クロフォード会長は、ヘンプトゥディに語りました。

クロフォード会長は、「我々の業界に大きな影響はなく、2017年は1億カナダドル(7,900万米ドル)の輸出規模に戻る予定です」と述べ、大麻需要が旺盛な米国は引き続きカナダ産ヘンプシードの最大の輸出先であり、生産量の約90%が米加国境を超えることに触れました。

カナダ統計局とCATSNET分析によると 、カナダは2015年に合計約7,200万カナダドル(5,700万ドル)のヘンプシードを輸出しました。2016年には韓国向けが約4,500万カナダドル(3,500万ドル)を占め、昨年はその数字が1億2,300万カナダドル(9,700万ドル)に急増しました。

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「韓国バブルは現実だった」

状況に詳しい別の情報筋は、「韓国バブルはカナダにとって現実だった」とヘンプトゥディに語りました。2015年、草分けとして数社のカナダ企業が市場参入後、「他の多くのカナダ企業が韓国の巨大食品市場へ殺到しました」と、テレマーケティングがヘンプシード食品ヘの根強い需要を作り上げている韓国市場について、情報筋は説明しました。

「中国が、正価の半値以下で脱穀済みヘンプシードをトン単位で大量生産していることを韓国が気付いた際に、相場は暴落しました」と情報筋は述べました。

これによってカナダ農家は今のところ多くの在庫を抱えているので、来年の大麻耕作地の拡大を抑える要因になるかもしれません。カナダ保健省の統計によると、カナダ国内の大麻耕作地は昨年55,380ヘクタール(137,000エーカー)で、681の商業用栽培ライセンスが交付されました。

それでもアジアは大麻種子の輸出市場になる可能性がある

「あの(韓国)市場の消失は打撃でしたが、いずれにせよ最も利益になる市場ではありませんでした」CHTAのクロフォード会長は指摘しました。米国では脱穀済みヘンプシードは1キロ(少量小売単位)約9カナダドルですが、韓国はカナダ業者から1キロ約4カナダドルで脱穀済みヘンプシードを量り売りで購入していました。ある韓国人バイヤーは最近、量り売りヘンプシードに対して1キロわずか2カナダドルを提示したとクロフォード会長は話しました。

「これは誰もが追い求めようとする種類のビジネスではありません」クロフォード会長は言います。

クロフォード会長は他のアジア諸国であるタイ、台湾や日本、そして中国に対してでさえもヘンプシードの輸出が伸びてきていると述べました。「オーストラリアとニュージーランドでは合法な製品なので、両国ともカナダ産ヘンプシードの強力なバイヤーになるでしょう。将来、オーストラリアで種子栽培は可能でしょうが、カナダの生産者ほどうまくはできません。欧州も今後、カナダ産のヘンプシードと製品のバイヤーになるでしょう。」

CBDに注目

韓国からのヘンプシード需要の減少にかかわらず、市場は産業用大麻生産者のために提示された新ライセンス制度下で見込まれる変化に期待しており、カナダ産ヘンプは傷をいやす間もなく、CBD(カンナビジオール)が持つより大きな機会に注目を向けています。

マリファナとヘンプに適用される広範囲なカナビス法の一部として、新しい規制により生産者は、今まではカナダでの収穫が違法とされていた、CBDの加工に必要なヘンプの花と葉の販売が可能になります。CHTA、生産農家、さらにカナダ人医師さえもCBDの明確なルール制定を強く求めており、ある種の疾病治療にCBDが示している有効性と、その潜在的な経済力の見通しを述べました。中でも注目すべきは、カナダの大麻推進派が米国CBD市場を指摘していることで、その販売額は今後4~5年間で20~30億ドルに到達すると予測されています。ヘンプ・ビズ・ジャーナル(米国)によると、2016年における米国のCBD製品販売額はわずか2億200万ドルと推定されています。

大企業が準備中

カナダ産マリファナとヘンプの規制変更を期待して、大企業はすでに行動を起こしています。既存の認定マリファナ加工業者でオンタリオ州に拠点を置くキャノピー・グロースは最近、サスカチェワン州のグリーン・ヘンプ・インダストリーズの買収を発表し、大麻耕作地を最終的には2,000エーカー以上に拡大可能であると述べています。同企業は、CBD抽出に既存のマリファナ加工施設を活用予定であるとしています。

さらに、オーストラリアを拠点とするクレソ・ファーマは栽培施設の展開を期待して最近、ハリファックスのメーノバ・メディシナルを買収し、栄養補助食品向けに大麻を栽培します。クレソ・ファーマはCBDを含有した食品や動物用栄養食品のリーダーとして、自社を位置付けようと努めています。

大麻加工業者カルテル?

楽観論にもかかわらずヘンプ業界関係者と評論家は、本当の意味でCBD市場が開放される根本的な変化を推進する必要があると話しています。

まず、現在草案中の法律では、CBDを加工・販売するために認定生産者は追加認定を得る必要があるとされ、ヘンプの花と葉の販売はCBD加工・販売が許可された20社程度のカナダ企業に限定されており、これら企業の大半は、すでにカナダで医療大麻の加工をおこなっています。

選ばれた企業に販売を限定することは、生産者と販売者との関係を抑制して「過度の規制負担」になるとCHTAのキム・シュクラ事務局長は最近、マリファナ・ビジネス・デイリーに語りました。「生産者は自らの選択で作物を販売できることが重要ですが、この法案では不可能です」とシュラク氏は言います。

「新たな基準」

米国の大麻コンサルタントのリチャード・ローズ氏は、より厳しく批判的です。「これは新たな基準ですね。カリフォルニア、ネバダ、そしてカナダ全てがCBDをヘンプ産業から取り上げ、それをマリファナ産業に与えてしまうのです」とローズ氏は話しました。「作物から98%の価値は取り除かれ、世界市場におけるカナダ産ヘンプの収益性が終焉する前兆を示しているのかもしれません。」

また、米国には巨大な可能性があるにもかかわらず、カナダが提示している大麻規制はCBD輸出については具体的に触れていません。関係者が言うには、これが、来年夏から施行されると予測されるカンナビス法案の公聴期間終了時までの60日間におけるロビー活動を通じて、彼らが推進する課題です。HEMPTODAY 2017年12月5日)

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AUTHORこの記事をかいた人

日本臨床カンナビノイド学会員。北海道ヘンプ協会(HIHA) 法人会員。

美容クリニックで専門医監修の下、CBDオイルを利用したアトピー性皮膚炎の治療を開始。1年間の観察結果からアレルギー数値と、症状の改善がきっかけで大麻の可能性を一人でも多くの方々に知ってもらいたいと思い立ち、編集局員として参加。

「HEMP TODAY JAPAN」を通じて、「世界の大麻産業」の真実を知ってもらう必要があると考えております。

そして、大麻へのマイナスイメージを払拭がされ、医療分野、産業分野問わず、大麻由来製品を誰でも簡単に低コストで利用できる環境を望んでいます。

2017年6月~青山エルクリニックモニター参加。
2018年5月「Hemp Food, Health & Beauty Summit」(HTセンター/ポーランド)。
2018年8月「中国 黒龍江省ヘンプ産業視察ツアー2018」参加。

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