この本は、美しく魅力的な書籍であり、世界的に長い歴史をもつ世界で最も有用な植物である大麻草の、もう一つのユニークな側面を語っています。長い歴史を持つ他の多くの国々と同様に、日本でも古くから大麻は「衣食住」:衣類、食品(薬)、住宅(自家製)といった様々な用途に活用されてきたことが、よく知られています。
考古学者は、日本での大麻栽培は1万年以上前(稲作が始まる何千年も前)に始まったと考えています。実際大麻は、日本における麻栽培をアメリカ政府が弾圧した1948年当時、主要な農作物の一つでした。
大麻の様々な用途が非常に重要であったため、大麻は日本独特の自然宗教である神道を含め、日本の文化の基盤として広く認識されていました。大麻繊維は、衣服や紙に用いられるほか、全国の神社で神職が神事を行う際の「オオヌサ」にも用いられています。
この文化的役割の一環として、現代でも様々な人名に麻という漢字を使っています。しかし、それに加えて、麻の葉の形は、装飾に使われる一般的な図柄になりました。800年前から現在に至るまで、布、衣服、紙だけでなく、神社仏閣、彫像、壁紙、屏風、書籍、文具、ビン、飲料容器、折り紙、絨毯、外壁、電車、駅、菓子、ネクタイ、バッグ、入れ墨、車のホイールなど、実に幅広い分野で、様式化された6つの点をもつ文様から芸術的な伝統文化が生み出されました。日本の文化史において極めて重要なこのルーツは、過去70年間法律によって抑圧されてきましたが、未だ潰えていません。
通常、麻の葉は、5、7、9という奇数ですが、デザイン化されたパターンには6つの点があり、この紋様の膨大な種類のパターンの殆どは、これに基づいています。おそらく昔の日本人は、6つの点をもつ左右対称のパターンの数学的性質によってインスパイアされたのではないでしょうか。
これらのパターンは、世界的に有名な芸術家である葛飾北斎によってデザインされた十数種のバリエーションを含んでいます。この本では、伝統、神話、ことわざを含む、この伝統の様々な側面に関して、専門家へのインタビューによって、より深く知ることできます。近年、歴史家や考古学者の研究が進むにつれ、日本の素晴らしい麻文化の詳細が次々と明らかになっています。
大麻の歴史は非常に興味深いもので、1985年にアムステルダムで創立された「ハッシュ・マリファナとヘンプの博物館」(https://hashmuseum.com/)は大きな成功を収めており、これまでに200万人以上の観光客を受け入れているほか、2012年にはバルセロナに第二の博物館がオープンしています。
この本は、日本で何世紀にもわたって進化してきた先進的な麻の文化の一面を紹介しており、この植物の魅力的な歴史に新たな一面を加えています。
ヨーロッパの探検家が初めて日本を訪れて以来、日本文化の多くの独特な側面と、ヨーロッパの文化との違いが注目されてきました。日本固有の文化としての、麻をめぐるカルチャーを広く内外に広める上で、この書籍が、日本の大麻博物館 (http://taimahak.jp/) の人気を高めるのに役立つことを願いたい。
ーパトリック・コリンズ(HTJ編集長)
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「大麻という農作物」
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