ガイアナのヘンプ産業、規制当局CEOの任命で始動へ
ガイアナは、ヘンプ産業の発展において重要な節目を迎えようとしています。農業省は、産業用ヘンプ規制当局(IHRA)のCEOを任命する準備を進めており、ズルフィカール・ムスタファ農業大臣は、この重要な役職が近日中に埋まり、2月末までに運営が開始される予定であると確認しました。
この任命は、最近設立されたIHRAの理事会の発足に続くものであり、ヘンプの商業化に向けた国の取り組みにおける重要なステップとなります。
2022年に制定されたガイアナの産業用ヘンプ法は、ヘンプ栽培の法的枠組みを定めており、THCの最大許容濃度を0.3%以下に設定しています。IHRAは、ライセンスの発行、栽培の監視、法律遵守を確保するための規制執行を担います。ライセンスなしでヘンプを栽培または加工した者には、多額の罰金や懲役刑が科されます。
進展の遅れ
法案が2年以上前に可決されたにもかかわらず、進捗は遅れており、これは主に機能する規制機関が不在だったことが原因です。この遅れにより、ヘンプの広範な商業化が停滞しており、ガイアナの農業セクターにおける発展の機会が失われています。特に、米やサトウキビといった伝統的な作物が減少する中で、ヘンプは農業の活性化に寄与する可能性を秘めています。
政府の推計によれば、約50,000人の農民が失業しており、ヘンプ産業は数万人規模の持続可能な雇用を創出する可能性があります。ガイアナ・ヘンプ協会(GHA)の事務局長であるコート・ゴメス氏は、慎重な計画の重要性を強調しています。「急いで産業が失敗するリスクを冒したくない」と述べ、IHRAの理事会が間もなく完全に機能することへの期待を表明しました。理事会の主な役割はライセンス発行プロセスの管理であり、これも近く開始される見込みです。
対象地域の指定
東ベルビス・コレンティン地域(地域6)と上デメララ・上ベルビス地域(地域10)が、ヘンプ栽培の初期段階での対象地域として指定されました。この計画では、小規模農家が1~2エーカー(約0.4~0.8ヘクタール)の土地で栽培を行う予定です。ヘンプ産業は、農業および加工分野における雇用創出から、小売、銀行、保険などの商業セクターの成長に至るまで、幅広い経済的利益をもたらすと期待されています。
また、提唱者たちは、ヘンプとマリファナを区別する取り組みを進めており、これが公衆教育や偏見回避の重要な一歩となっています。政府のアプローチには、乱用を防ぐための厳しい規制が含まれており、生産を監視し、法令遵守を確保するために、税関麻薬対策ユニット(CANU)との連携も行われています。
編集部あとがき
今回の記事を以下、4つのポイントに整理しましたのでご参考ください。
1. 規制の整備によるヘンプ産業の基盤構築
ガイアナは、産業用ヘンプの合法化により、新しい経済的機会を創出する準備を進めています。CEOの任命や規制機関の設立は、この産業を支える基盤となり、ヘンプ産業の持続可能な成長を目指しています。
2. ヘンプ産業の雇用創出と経済発展の可能性
特に地域6と10を対象に、1~2エーカーの小規模農地を利用したヘンプ栽培が計画されています。これにより、農業や加工業、商業セクター全体で雇用が拡大し、地域経済の活性化が期待されています。
3. 公共の理解と偏見解消への取り組み
ヘンプとカナビスを明確に区別する啓発活動が行われています。これにより、産業への偏見を防ぎ、ヘンプ製品への社会的受容性を高めることが目指されています。
4. 厳格な規制と監視の必要性
ヘンプ産業の誤用を防ぐために、税関麻薬対策ユニット(CANU)との協力を含む厳しい規制が導入されており、法令遵守と業界の信頼性確保が図られています。