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欧州委員会がイタリアのCBDとヘンプフラワー禁止にメス! 欧州規則との衝突が焦点に

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欧州委員会、イタリア政府の禁止措置に関する調査を開始

欧州委員会は、イタリア政府がCBDおよびヘンプの花の取引を停止しようとする試みに対して、調査を開始しました。

イタリアの欧州議会議員(MEP)であるM5S党のバレンティナ・パルミサーノ氏は、ステークホルダーがEU規制に違反している可能性があるとして苦情を提出したことを受け、委員会が意見を発表する予定であることを確認しました。

この禁止案は、ジョルジャ・メローニ政権が進める二重のアプローチの一環です。彼女の政府は、EUで合法とされているヘンプの花やそこから抽出されるカンナビノイドを根絶しようとしているようです。

産業用ヘンプの花は、CBDの供給源であるだけでなく、イタリアでは「カンナビスライト」として喫煙可能な形で販売されており、大麻の精神作用を伴わないウェルネス商品を求める市場に対応しています。

修正案が上院で審議中

イタリアの2023年治安法に対する物議を醸す修正案が、現在イタリア上院で審議されています。この修正案が可決されれば、CBDの供給源であるヘンプの花が禁止され、喫煙可能な花の取引が事実上停止されることになります。これは、9月に下院で可決された後の動きです。

さらに、8月5日に発効した法令により、CBDは国内で麻薬リストに加えられ、消費者が体内に取り入れる形の製品が禁止されました。

この措置に対し、イタリアのヘンプ業界団体Canapa Sativa Italiaは、欧州委員会に対して苦情を提出しました。この団体は、政府の措置がEUの競争および物品の自由な移動に関する規則に違反しており、EU共通農業政策にも反していると主張しています。欧州委員会は、この禁止提案に関する他の苦情もイタリアから受け取ったことを明らかにしました。

ECの判決は明確

イタリアの欧州議会議員(MEP)ヴァレンティーナ・パルミザーノ氏は、欧州委員会がヘンプに関する問題に対して迅速に対応したことに「非常に満足している」と述べました。彼女は、提案されている修正案が「カンナビスライト」を薬物と全く誤って同等視しており、欧州司法裁判所(ECJ)の判決に反していると指摘しています。

ECJは2021年に、葉や花から抽出されたヘンプ成分およびそれらに含まれるCBDは麻薬ではなく、市場で流通可能であると判決しました。この判決を受け、欧州委員会は以前のCBDを麻薬と見なすべきとの立場を撤回しました。これ以降、多くのEU加盟国が自国の法律や規制を再検討し、調整しています。

イタリアで修正案が可決されれば、サプリメントやハーブ医薬品の分野でのCBD製品の供給チェーンに壊滅的な影響を与える可能性があると、関係者は述べています。また、2021年に欧州化粧品データベース(Cosing)でCBDが化粧品成分として認可されたにもかかわらず、化粧品業界にも影響が及ぶリスクがあります。

編集部あとがき

今回の記事を以下、4つのポイントに整理しましたのでご参考ください。

1. イタリア政府によるCBDとヘンプフラワーの禁止が欧州連合(EU)規則と対立している
イタリア政府が推進しているCBDとヘンプフラワーの禁止措置は、EU規則に反する可能性が高いことが問題視されています。特に、EUではCBDやヘンプフラワーが麻薬ではないとされており、自由に流通可能な商品として認識されています。この矛盾がイタリア国内の産業に大きな影響を与えています。

2. 欧州委員会がイタリアの禁止措置に対する調査を開始
イタリアのM5S党の欧州議会議員であるヴァレンティーナ・パルミザーノ氏の働きかけにより、欧州委員会がイタリア政府の禁止措置について調査を開始しました。これは、イタリアのCBDおよびヘンプフラワーに関する規制がEUの競争ルールや商品の自由な移動に違反しているとの複数の苦情に対応したものです。

3. イタリアでの禁止措置がCBD関連の産業に壊滅的な影響を与える可能性
イタリア政府が推進しているCBDの禁止措置が、サプリメント、ハーブ医薬品、そして化粧品産業に甚大な影響を与えると予測されています。特に化粧品分野では、すでにEUのCosingデータベースにおいてCBDが正式に化粧品成分として認可されているにもかかわらず、この禁止措置が製品の供給チェーンに悪影響を及ぼす可能性があります。

4. 欧州司法裁判所(ECJ)の判決がイタリアの対応に矛盾している
欧州司法裁判所は2021年に、CBDを含むヘンプの葉や花の抽出物は麻薬ではないとする判決を下しました。この判決に基づき、欧州委員会はCBDを麻薬と見なす立場を撤回しましたが、イタリア政府の措置はこの判決に反している可能性があり、欧州委員会の対応に注目が集まっています。

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HempTODAYJAPAN編集部です。HemoTODAYより翻訳記事中心に世界のヘンプ情報を公開していきます。加えて、国内のカンナビノイド業界の状況や海外の現地レポートも公開中。

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