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90億円で買収したCBD企業が18ヶ月後に3億円で売却!?とんだ大損を受けた22nd Century Group

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18ヶ月で損切り、その額は?

ニューヨークに拠点を置く22nd Century Groupは、CBDメーカーであるGVB Biopharma社を売却することが明らかになりました。売却価格は約3億4,000万円と見積もられていますが、このラスベガスに本社を構える会社は、わずか18ヶ月前に約90億円で買収されていました。

GVBは医薬品開発サービスを提供し、CBDやその他のヘンプ由来成分を製薬業界や消費財業界に契約供給しています。

22nd Centuryは、コスト削減のためにGVBをSpecialty Acquisition Corp.に売却予定です。

このSpecialty Acquisition Corp.というネバダの企業には「現在のGVB従業員が所属している」とのことです。

今回の販売価格には約1.5億円の現金と約1.8億円の約束手形が含まれており、2022年にオレゴン州のGVB製造施設で発生した火災からの未解決の約1.3億円の保険金を回収する権利を保持すると述べています。

即座に実現可能なコスト削減

「当社のヘンプ/カンナビス事業の売却は、即座にかつ大幅に当社のビジネス内での現金および運営コストを削減することになります」と、22nd Centuryの暫定最高経営責任者であるJohn Miller氏は述べました。

22nd Century/GVBの取引は、GVBが約4.5億円の資金調達を確保し、22nd Centuryの主要貸し手の承認を得て締結されます。

「買い手が必要な資金を調達する、または会社の主要貸し手が取引に同意することを保証することはできません」と同社は述べています。ニューヨーク州バッファローに本拠を置く22nd Century Group, Inc.は、2022年6月に約90億円~約98億円の株式を交換し、GVBの100%を取得しました。

CEOは即座に解任

計画は頓挫当時、22nd CenturyのCEOであるJames A. Mish氏は、買収した会社が「近い将来」にプラスのキャッシュフローを生み出し、自社の収益(2021年に約3100万ドル)を2倍にすることができると示唆していました。

この買収は「22nd Centuryの既存のヘンプ/嗜好用大麻事業に顕著な商業規模を加える」とGVBは述べていました。

しかし、明らかに、そのようなことは起こりませんでした。

Mish氏は今年の7月に解任され、Millerが一時的に会社を率いることになりました。高リスクの株としてNASDAQで取引されている22nd Century Groupは、ニコチンを低減したタバコ、ヘンプ、嗜好用大麻、ホップに関心を持つ農業バイオテクノロジー企業です。同社は、2021年に50億回分以上のCBDを販売したと主張しています。

Goodrich Tobacco Company, LLCを所有する22nd Century Groupは、昨年の最初の3四半期で約100億円の損失を被りました。同社は2022年に約78億円、2021年には約50億円の損失を記録しました。

過去の年次報告書からは、同社が2011年の上場以来、毎年数億円の損失を続けていることがわかります。

編集部あとがき

企業経営が順調な時は、心に余裕と柔軟性があるので、その視座も高く、「下手な買い物」を避けるか、あるいは、したとしても、乗り越える力と気力はありますが、売り上げが下がっていくという下降線に突入していくと、それまで見えていた世界が少しずつ一変していきます。

「焦り」が「焦り」を少しずつ増幅させて、余裕があった時に持っていた視界がどんどん曇っていきます。

多くの経営者の方々が多分に経験されている退化への変化かと思いますが、こういう状態の時に、視野が非常に狭くなり、「美味しい話や可能性の話」に飛びつきがちになるのが、あるあるなのかもしれません。さらに、隣の芝生が輝いてみえてしまい、本来の事業推進に不要な「妬み」という感情が芽生えてしまったり。と。

「身の丈にあった経営」と言葉で書くのは簡単ですし、それが実現できて、右肩でコツコツと伸ばしていけるのが理想ではあるのかもしれませんが、取引額が大きくなればなっていくほど、自分の丈にさえも、なかなか気付けなくなることがあります。

調子が良い時に、調子が悪くどん底になったケースを想像するって、とても難しいことですよね。「このままどんどんいける」。と、勘違いさえしてしまうものです。

ここで1つ言えることは、身の丈うんぬんはさておき、新しいことを始めるのであれば、心に揺るぎない絶対的な余裕がある時に限るかな。と、個人的に思います。期待よりも現実的な不安(売上下降線)が常に付き纏っているような状態で、新しいことを始めたとしても、不安がベースの状態では、その新しい事業をスケールさせるための良いアイデアや対人関係が生まれにくく、無理をしてビジネスを構築してってしまいます。

心が逼迫した方からプレゼンされるのと、心に余裕を持った方からプレゼンされるのとでは、どちらに耳を傾けるかな。と、そんな感じです。逆もしかりで。

と、話が本編からズレてしまいましたが、今回は87億円の大損をこいた22nd社ですが、かなり大きな額ではありますが、ここで「損切り」、という経営判断は、後のマイナスを減らし、企業として「安心」という状態を作ってくれますので、大麻事業を継続するよりは、良き方向に向かっていくように思えます。

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HempTODAYJAPAN編集部です。HemoTODAYより翻訳記事中心に世界のヘンプ情報を公開していきます。加えて、国内のカンナビノイド業界の状況や海外の現地レポートも公開中。

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