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繊維産業に意義と尊厳を!フランスがファストファッション業界にヘンプで立ち向かう

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環境に優しくエシカルな繊維生産スキームを構築

フランスの協同組合がオクシタニー地方にヘンプ繊維加工センターを開設し、繊維や建設業界向けに「環境に優しく、エシカルな」繊維を生産しています。

この協同組合であるVirgocoopは、フランス南中部のタルヌ=エ=ガロンヌ県カイリュスに位置し、地域のヘンプ生産チェーンを拡大するための起爆剤となることを目指しています。

協同組合はヘンプ繊維のトレーサビリティスキームとラベリング基準に取り組んでおり、農家に有機農業方法を採用するよう促しています。

Virgocoopは2023年にヘンプを200ヘクタール栽培し、1,500トンを加工しました。これは昨年フランスで生産された総量の10%に相当します。

ファストファッション製造が世界の10%の温室効果ガスを排出

この取り組みは、「ファストファッション」と呼ばれる、大量生産による低価格の衣類を生み出すが、無駄が多く、労働者の搾取、品質の低下、環境への悪影響が指摘されている動きに対するカウンターと言われています。

このようなファストファッション製品の製造は、世界の温室効果ガス排出量の最大10%を占めていると非難されています。

2018年に設立されたVirgocoopは、270名のメンバーを擁し、さらに100名の参加を目指していると、総支配人のJohann Vacandareは述べています。

この協同組合は、生産者、繊維加工業者、建設専門家、ファッションブランド、そして消費者に開かれています。

衣料品メーカーのアトリエタファリー(Atelier Tuffery)やバセランジュ(Baserange)、デザイナーのエロイーズ・ルヴィー(Héloïse Levieux)、ドイツのブランドワイルドリング・シューズ(Wildling Shoes)などがすでに協同組合に参加しています。

ヘンプの取り組みは、「市民、農家、企業、そして地域社会を同じミッションで結びつけることによって、繊維部門に再び意味を与えること」を目標としています。

そのミッションとは、「生態学的でエシカルな、そして地域に活力をもたらす繊維産業の発展」です。

行政資金1,200万円を得て昨年売上5,000万円突破

Virgocoopは、昨年、オクシタニーの行政から新しい加工施設のために約1,200万円の資金提供を受けました。この施設で生産される技術繊維は、ヘンプ繊維の生産と建設業界の断熱材に使用されます。

施設には、ウールやリネンなど他の素材と組み合わせることが可能な異なるサイズの出力を持つ25の生産ラインがあります。

Virgocoopは、帆やロープの生産のためにネトル(イラクサ)の研究を行っており、またコットンの生産にも着手しています。

協同組合は2023年に約5,000万円の売上があり、今年は約1.6億円に達することを目指しています。

編集部あとがき

最近、わたぬきさんのYouTubeを見て繊維業界の苦難などのあれこれが大変勉強になっているのですが、今回の記事は先日のイタリアのヘンプ衣料としての繊維施設スキーム拡大に続き、フランスも、ヘンプテキスタイルである衣料としての繊維に注目しているレポートとなります。

こちらの過去記事も合わせてご参考ください「2024年3月10日 農業、脱炭素、繊維、建材がセットで理解できているイタリア、行政資金提供も厚い

大手ファストファッション企業の衣料製造スキームが完全悪なのか?と、深く見ていけば、悪になっている側面も多分にあるのが衣料繊維業界なのですが、私も気軽に着用していますので、消費者目線で見た場合、今、着用している自分の服が、脱炭素だ、環境問題だ、雇用問題だ、などの、使命感にかられるほどではないのが、多くの着用者のリアルかと思います。

ただ、実際の雇用問題や環境問題に踏み込むと、テキスタイルを扱う繊維工場のスタッフの方々の尊厳や意義が損なわれている事実がそこには多く含まれています。

ヘンプ衣料といえば、昨年から無印良品さんが試行錯誤を重ねられて、力を入れているのは皆さんもご存知かと思いますが、その無印さんでさえも、今年はヘンプ100%ではなく、混合繊維での製品展開となります。

素材としてのポテンシャル、環境負荷軽減へのポテンシャルとして、ヘンプ繊維衣料は唯一無二の特性を持ち合わせますが、それくらいヘンプ100%衣料を多くの方のライフスタイルに広げていくことは難しく、啓蒙・実験・研究要素がまだまだあるという事実があるという点は、正直、否めません。

ヘンプは栽培することだけでも、意義や尊厳が大きく広がりますが、行政の方も含めて、栽培者、製造社、研究者、そして、それらの意義を理解している人員と資金が圧倒的に不足しているという現実があります。

「わかる人には分かる」という時代から、当たり前のように、そこら中でヘンプが栽培・収穫されて、拡大していく、そんなヘンプ繊維の未来を見据えて進んでいきたいですね。

どんな植物よりも二酸化炭素を吸収して、多くの水を必要とせず、土壌を改善して、早く、長く、丈夫に育つのがヘンプですから。たくさん植えたって損がありません。

フランスのこのような活動の側面にもやはり行政の理解と資金援助がなされています。ファッションやトレンドという私たちに身近なライフスタイルの文脈からもヘンプの意義を広げてくれる一助になるのでは。という期待がこめられます。

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HempTODAYJAPAN編集部です。HemoTODAYより翻訳記事中心に世界のヘンプ情報を公開していきます。加えて、国内のカンナビノイド業界の状況や海外の現地レポートも公開中。

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