ヘンプ栽培と嗜好用医療用大麻を栽培することは禁じられていると勧告
米国農務省(USDA)は、ヘンプ栽培者は嗜好用医療用大麻を生産することで大麻利権を拡大してはならない、と関係者に注意を促している。
米国農務省(USDA)は、いくつかの州でヘンプライセンスを取り消し、ヘンプと嗜好用・医療用大麻の両方の許可を保持することは連邦規則上違法であるとヘンプ農家に警告しました。
これらの規則は、農務省直轄のヘンプ農家だけでなく、農務省認可の州プログラムによって運営されているヘンプ農家にも適用される、と同省は述べています。
報道によれば、バーモント州、ミシシッピ州、ミズーリ州のヘンプ農家が影響を受けている。
連邦法に準拠してしまうと、そりゃそうなる
2018年の農業法案では、全米でヘンプの生産が合法化されました。
しかし、多くの州で嗜好用・医療用大麻が合法化された一方で、連邦レベルでは依然として麻薬として禁止されています。
その結果、「独特な管轄権と規制の状況」とUSDAは認めています。
農業法案では、州のヘンプ・生産プログラムはUSDA(米国農務省)の承認を得なければなりませんが、USDAは州のプログラムを持たない8州のヘンプ農家も直接監督しています。
ヘンプと嗜好用・医療用大麻の生産に関する法律と規制は2018年以降に進化しており、まだ流動的であるとUSDAは観察しています。
しかし、ヘンプ栽培農家による嗜好用・医療用大麻栽培を禁止する連邦規則は明確であり、すべての栽培農家を同じように扱うとしています。
関係者たちの猛反発が勃発
関係者は、現行のUSDAの規則が両方の種類のライセンスの保持を禁止しているかどうか不明瞭であり、USDAの規制は同じライセンスのもとで、同じ土地でヘンプと嗜好用・医療用大麻を栽培することを禁止しているだけの可能性があると述べています。
コロラド州とオレゴン州では、ヘンプ・プログラムがありますが、ヘンプ栽培農家が嗜好用・医療用大麻を栽培することは特に禁止されていません。
実際、両州はヘンプと嗜好用・医療用大麻の二毛作をどのように分けるべきかのガイドラインを定めており、このような二毛作は合法であることを示唆しています。
コロラド州では、ヘンプと嗜好用・医療用大麻のプログラムが10年以上にわたって並行して運営されてきました。
USDAが承認したヘンプ規則では、関係者が両方のライセンスを取得することを明確に禁止していませんでした。
州当局によると、今年初めにUSDAがコロラド州のヘンプ・プログラムを監査した際にも、二重免許の問題は話題に上らなかったといいます。
合成嗜好用大麻市場が席巻したのも原因
2018年にヘンプが合法化されて以来、業界を支配してきた分野であるCBD用にヘンプの栽培を始めた関係者は、2019年からCBDのバブルが崩壊した後、THC市場に目を向けました。
少数が嗜好用・医療用大麻栽培を始めましたが、事業者の多くは、デルタ8THCやHHCのような合成嗜好用大麻製造メーカーに、残りカスCBDを卸してました。
二重ライセンス取得問題は、昨年中に決まる予定だっ農業法案にて改訂される予定でしたが、今年の後半まで延期されている状況です。
編集部あとがき
コロラド州やオレゴン州のように、二重ライセンスにした方が問題が少なそうなのにも関わらず、強気な勧告。この背景にも合成嗜好用大麻の悪影響が多分に含まれています。
2018年、ヘンプ合法化によるグリーンラッシュの勃興と、CBDバブル崩壊という強烈な物語を足早に歩んできたアメリカですが、その崩壊の原因の大部分を占めているのいるのが、合成嗜好用大麻の流行です。
ここにきて連邦レベルでの勧告ということで、これまでそこにあえて言及してこなかった関係者が猛反発を起こしています。それは、当然のことかと思います。
USDAの今回の勧告は個人的には逆効果であると考えます。ダブルライセンスを禁じたところで、合成嗜好用大麻の製造は止まりません。未成年たちの入手経路がなくならないのです。
これらの問題点を改善させる方法として、嗜好用大麻を連邦法で解禁し、且つ、ライセンス費用の減額、緩和、免税、減税、広告や金融インフラを使えるようにし、その中のレギュレーションに含めてしまう。という形がベストかと考えます。
嗜好用・医療用大麻が、合成嗜好用大麻が流通・入手するよりもコストがかからない状態にする。ということです。
消費者の年齢制限の縛りは、消費者からは簡単に超えられてしまいますが、「合成嗜好用大麻を摂取するくらいなら、嗜好用大麻を摂取した方が体に良いからそちらに」。という方向にスライドさせる。という道です。
人類の手によって、自然植物をビジネス化していった先のいびつな答え(官民)を、失敗しつくしたアメリカがどんどん私たちに教えてくれています。