ざっくりいうと
・THCやCBDを発見したミシューラム博士の最後の遺作
・三木直子[訳]と日本臨床カンナビノイド学会[監訳]
・書籍で引用したCBDの科学文献は、全てWEBサイトに掲載
THCやCBDを発見したミシューラム博士の最後の遺作
140種類以上も見つかっている大麻草独特の成分であるカンナビノイドのうち、主要なTHCとCBDは、イスラエルの化学者であるミシューラム博士によって1960年代に発見されています。カンナビノイドに関する様々な研究成果を残してきましたが、本年3月に91歳で生涯を閉じました。
原文「CBD: What Dose the Science Say?」が遺作となり、「CBDの科学:大麻由来成分の最新エビデンス」は、その日本語訳版となりました。
参考までにミシューラム博士の生涯を追ったドキュメンタリー番組も公開されていますので、時間のあるときにぜひ見ていただければと思います。
三木直子[訳]と日本臨床カンナビノイド学会[監訳]
翻訳:三木直子
翻訳家の三木直子氏は、これまで「マリファナはなぜ非合法なのか(2011年)」「CBDのすべて(2019年)」「CBDエッセンシャルガイド(2022年)」などの大麻関連本の翻訳を手掛け、医療大麻に関する知見の普及を目指す一般社団法人GREEN ZONE JAPAN共同創設者・理事でもあります。
監訳:日本臨床カンナビノイド学会
日本臨床カンナビノイド学会は、2015年の設立時に「カンナビノイドの科学―大麻の医療・福祉・産業への利用」を出版し、学会公式ジャーナルに「Cannabis and Cannabinoid Research」をもつ学術団体です。現在は、大麻由来医薬品の厚労省研究班の代表を務めた太組一朗(聖マリアンナ医科大学教授)が理事長を務めています。
厚生労働科学特別研究「難治性てんかんにおけるカンナビノイド(大麻抽出成分)由来医薬品の治験に向けた課題把握および今後の方策に向けた研究」報告書、2021年
CBDの最新エビデンス集となっている本書は、それに相応しい訳者と監修者によって出版されました。
書籍で引用したCBDの科学文献は、全てWEBサイトに掲載
原書は、紙ベースだと書籍の309頁中の100頁以上が参考文献です。日本語訳版の発行にあたって、参考文献は、QRコードを使って参考文献一覧が掲載されているWEBサイトに行くように工夫しました。学術データベースによる文献検索は、WEB上で行うことが基本なので、紙資源の削減と、使い勝手の向上につながります。
また、最後に追加した「解説 日本における大麻取締法の改正を巡る動き」の参考文献もすべてWEB上にあり、最近の日本の動きについても根拠をもって把握することができるようになっています。
参考文献一覧はこちら
http://www.tsukiji-shokan.co.jp/mokuroku/ISBN978-4-8067-1657-0.html
75年ぶりに大麻取締法が大幅に改正される中、CBDへの科学的知識を深めるために、本書を手に取っていただければ幸いです。
<書籍概要>
『CBDの科学:大麻由来成分の最新エビデンス』
リンダ・パーカー+エリン・ロック+ラファエル・ミシューラム[著]
三木直子[訳] 日本臨床カンナビノイド学会[監訳]
3,300円+税 A5判並製 224頁 2023年10月
CBD(カンナビジオール)は、大麻草およびヘンプから採れる陶酔作用を持たない化合物で、ローションやスムージーからグミやペット用おやつに至るまで、さまざまな製品に含まれている。精神症、不安、疼痛、さらには、がんなどの病状の治療法として宣伝されているが、これは必ずしも科学的に立証されているわけではない。
本書では、大麻研究の第一人者である3人の研究者がCBDについての科学的なエビデンスを取り上げて、その潜在的な医療効果に関する科学文献の包括的なレビューを提示し、前臨床研究とヒトを対象とした臨床研究の両方から得られた知見を解説している。
詳しい目次、参考文献及び購入方法はこちら
http://www.tsukiji-shokan.co.jp/mokuroku/ISBN978-4-8067-1657-0.html
参考リンク
・一般社団法人GREEN ZONE JAPAN
https://www.greenzonejapan.com/
・一般社団法人日本臨床カンナビノイド学会