国際的な麻薬問題を追跡している団体CNDモニターによる、12月2日から4日まで開かれる今回の国連麻薬委員会(CND)に関する調査では、メンバーの半数以上が、1961年に制定された「麻薬に関する単一条約」にCBDを導入するという提案を拒否することを示しています。
CNDは本日、大麻政策、特に医療大麻問題を検討するために会合を開きます。
これらの国々はおそらく、代表者が「CBDは国際的な麻薬規則の対象ではない」と述べた米国とヨーロッパの利害関係者の主導に従っており、提案で示された内容は既に全体の意向にそぐわないものとなっています。
さらに今回の会合では、特定の提案の下で、「主にカンナビジオール(CBD)と0.2%以下のデルタ-9テトラヒドロカンナビノール(THC)を含む製剤は国際的な管理下にない」という条項が追加される可能性もあると言われています。
前例への恐れ
世界保健機関(WHO)の第41回薬物依存専門委員会(ECDD)で出されたこの提案では、医療または研究用途の文脈でのみCBDを考慮しており、食品および化粧品中の天然麻抽出物を管理する規制とは全く関係がありません。
米国当局は、「CNDが脚注を追加する必要があるという前例を作ること」を避けたいという意向を示し、「これは、『明らかに管理されている』と示さない限り、『物事は管理されていない』という推定に取って代わる可能性がある」と述べました。
米国の代表は、「これは政治的問題です。(こうした前例を作ってしまえば)条約に記載されていないものは管理されていないと推定されてしまいます」との立場を示し、国際的な薬物管理からのCBD製剤の免除を明確にする方法としてのWHOの提案は、悪しき前例を設定するだろう、との立場を保持しています。
米国、EUは足並みを揃える
米国当局は、医療用CBDが国際的な薬物条約でスケジュール(麻薬分類)されておらず、したがって薬物規制の対象ではないことを繰り返し、産業用大麻製品に含有する可能性のあるCBDも、同様に免除されることを再確認しました。
今回の会合において、12のブロックで投票するCNDのEU諸国は、米国の立場に同調し、提案のあったCBDに関する脚注に反対票を投じることを示しています。
欧州産業用大麻協会(EIHA)は、「国際的薬物管理制度に関する産業用ヘンプ産業界の統一見解文書」を発表し、1961年の条約の下では産業用ヘンプが管理の対象と定められていない事から、CNDはヘンプを潜在的な麻薬として分類する権限は無いと主張しています。
今回の会合で話し合われるのは、産業用大麻の法的位置づけではありませんが、
実際、麻薬に関する単一条約の第28条−2には、
この条約は、もつぱら産業上の目的(繊維及び種子に関する場合に限る。)又は園芸上の目的のための大麻植物の栽培には、適用しない。
と、はっきりと書かれています。
第二の提案
一方、53の加盟国の内、明らかに過半数は、1961年の単一条約から「大麻抽出物とチンキ剤」という文言を削除し、「大麻製剤」に置き換えるという第二のWHO勧告を支持する意向を示しています。これは、条約を簡素化することによってCBD規制にとって吉報となるでしょう。 CNDモニターによると、21の加盟国がすでに承認を支持しているという事です。
CNDのEU加盟国は、1961年の条約の「スケジュール I」から大麻抽出物とチンキ剤を削除する提案に賛成票を投じることを示しています。
もう一つ、今回のCNDの議題で最も重要なのは、1961年の単一条約の「スケジュールIV」から大麻と大麻樹脂を削除するというWHOの勧告です。これは、効果的に、そして最終的に大麻の薬効を認める変更です。
どちらの投票でも、すべての国が本日のCND会議に先立ってどのように投票するつもりかを示しているわけではありません。委員会の53の投票加盟国の内、いくつかは、いかなる形であれ大麻の再スケジュールに断固として反対し続けています。
日本の立場は如何でしょうか?