オーストラリアのビクトリア州政府は、既存の「スマートファーム」プロジェクトにおける、2年間のヘンプの試験栽培を支援します。専門学校であるSunraysia Institute of TAFE(SuniTAFE)と、民間のヘンプ企業であるオーストラリアン・プライマリー・ヘンプ社は、政府の監督下で締結された合意に基づいてプロジェクトに協力する予定です。
このパートナーシップは、SuniTAFEのスマートファーム・イニシアチブの下で研究開発を実施することを目的としています。これは、最新のテクノロジーを使用し、農業のバリューチェーンに沿って電子データを収集、保存、分析、共有する「デジタル農業」プロジェクトです。試験場は、州の北端、アデレードの北東500kmにあるミルデュラにあります。
昨年結成された州政府のタスクフォースは、1年にわたる調査の中間報告を今週発表し、その中で、産業用大麻が地域経済を強化し、同州の雇用を増加させる事ができることを示唆した上で、それらの目標を達成するために何が必要かを指摘しました。
「次のステップ」
地域開発省と資源省でのポストも兼ねる、ビクトリア州のジャクリーン・サイムズ農務大臣は、「仮に成功すれば、この試験栽培は、サンレイジア地方に良好な地域経済と雇用を生み出す可能性のあるヘンプ生産に向けて、強力なサインを送る事になります。」と述べました。
ビクトリア州と隣接するニューサウスウェールズ州にまたがるサンレイシア地域は、その下でブドウ園、オレンジの木立、穀物農場が繁栄する豊富な日光で知られています。
さらにサイムズ大臣は、「タスクフォースを通じて、私たちは産業用大麻とその産業を取り巻く規制についての理解を深めました。この情報は、ビクトリア州で産業用大麻を発展させる次のステップに不可欠です」と付け加えました。
SuniTAFEは、州全体の17のTAFE職業訓練機関のネットワークの一部です。オーストラリアン・プライマリー・ヘンプ社は、種子の選択、農業と加工、契約パッケージ、そしてバルクおよび小売販売における農家へのサポートを提供します。
特定された課題
ビクトリア州のヘンプ・タスクフォースは、12か月の間、業界関係者や研究機関と話し合い、中間報告書を作成しました。この報告書は、州内のヘンプ産業界を発展させるには、処理能力の改善が必要であり、大麻栽培に関する知識のギャップを埋める必要があり、いくつかの克服する必要のある規制上の障壁が残っており、潜在的なヘンプ市場についてさらに研究する必要があることを示唆しています。
ヘンプは、1981年の薬物・毒物・規制物質法に基づく免許制度を通じて、主に食品と栽培種子として、すでにビクトリア州で栽培されていて、この免許制度は、加工と販売も許可しています。
ヘンプの現状
2019〜2020年には、ビクトリア州に約200ヘクタール(約500エーカー)のヘンプが植えられました。これは、前年の170ヘクタール(約420エーカー)から増加しています。政府は今週発行された報告書で、2017〜2018年には、600(〜1,500エーカー)ヘクタールのヘンプが播種されたものの、灌漑用水の問題のために過去2年間で畑が減少したと報告しています。
報告書によると、オーストラリアン・プライマリー・ヘンプ社とウォルタンナファームは、ビクトリア州で栽培されたヘンプシードの大部分を生産する数少ない商業的で大規模な生産者で、どちらも州の西部地区に位置しています。
ビクトリア州の主要な伝統的作物は、小麦、大麦、オート麦、キャノーラ、レンズ豆、ソラマメ、ひよこ豆です。 2018〜2019年には、同州には5,848の商業規模のアグリビジネスがあり、総面積は345万ヘクタール(約850万エーカー)でした。政府の農業機関であるAgriculture Victoriaによると、そのシーズンの州の冬作物生産の総価値は18億5000万豪ドル(約13億米ドル)で、オーストラリアの全国合計の15パーセントでした。
引用元:https://hemptoday.net/australian-state-of-victoria-sets-hemp-trials-at-smart-farm/