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LEGOからヒントを得たヘンプブロックで建築

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今回は建設関係の方に見ていただきたいレポートです。

軽量で※耐熱性や耐久性に驚くほど優れるヘンプブロックですが、ヘンプブロックで家を建てることで、二酸化炭素を吸ってくれる「環境に優しい家」が建てられるというメリットも大きいのです。

※(耐熱性:標準的なコンクリートブロックは、R値(熱抵抗値)が約0.2の所、ヘンプブロックは、R16からR20

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ヘンプクリート(ヘンプ、石灰、水)から作られたブロック

コンクリート・メーソンリー・ユニット(CMU)、またの名をコンクリート・ブロックは、20世紀の初頭以来、建設の必需品です。

こうしたブロックは、現在でも広く使われていますが、建築業者は、より持続可能な代替案を探しています。その有力な候補として、上の写真のようなヘンプ繊維を使ったブロックがあります。

カナダ中西部のカルガリーのジャスト・バイオ・ファイバー(Just Bio Fiber)社が生産するこのブロックは、基本的にはヘンプ、石灰、水の3つの原料を混ぜて造られるヘンプクリートからできています。

その見た目から分かるように、このヘンプクリートブロックは、LEGOブロックから着想を得てデザインされました。

その工法も、実際のLEGOブロックのように積み上げていくだけのシンプルなものです。

耐久性・耐熱性に優れたヘンプブロック

ヘンプの茎の芯から採れる繊維(木質部;オガラと呼ばれる)は、石灰と水と混合され、ブロックにプレスされ形成されます。ヘンプベースのブロックは「呼吸」します。そして、オガラ自体が多孔質であるため、水分および空気透過性があり、カビが生えにくい性質を持っています、更に、このバイオ繊維ブロックは不燃耐火性でもあります。

試験では、ブロックは1,500度以上に加熱しても壊れませんでした。しかも同社によれば、ブロックの強度は時間の経過とともに増すといいます。メーカーの発表しているその耐久年数は、100年です。

軽量で切断しやすく持ち運びに便利

そして、こうした強度や耐久性があるだけでなく、このブロックは、非常に取り扱いが容易で、通常の電動ノコギリ等を用いて任意のサイズに切断することができます

LEGOのような「ほぞ」のデザインは、ブロックの積み重ねをより確実なものにし、通常のコンクリートブロックよりも約25%重量が軽いので、持ち運びが非常に楽です。

写真に見える、中心部に貫通した3つのチャンネル(穴)は、配線および配管のための経路となります。多孔質なヘンプ繊維のブロックは、良好な断熱材でもあります。

通常熱抵抗値「0.2」に対しヘンプは「16〜20」

標準的なコンクリートブロックは、R値(熱抵抗値)が約0.2ですが、このヘンプクリートブロックは、R16からR20と、驚異的な数字です。このR値は、施工時の材質(壁)の厚みによって変わりますが、日本での一般的な工法で計算した場合、ポリスチレンフォームがR1.8高性能グラスウールがR2.8と言われていますので、このヘンプクリートブロックが、いかに断熱性能が高いかが分かります。

これは、噴霧発泡断熱材を充填した2×6の壁よりも優れており、しかも、こうした断熱性能を、シックハウスの原因となる材料を全く使わずに達成しています。

二酸化炭素を環境から取り除く家が建てられる

それだけでなく、このヘンプクリートブロックは二酸化炭素収支がマイナスです。1立方メートルのバイオファイバーは、推定130kgの二酸化炭素を捕捉します。このヘンプブロックを使って建物を建てれば、それだけ二酸化炭素を環境から取り除くことが出来るのです。

このブロックは、バンクーバー島でネットゼロホームの建築に使用されました。ネットゼロホームとは、住宅でソーラーパネルなどを使って電力や熱を作り出し、その建物で消費するエネルギーとの収支がゼロになる家のことです。

Just Bio Fiberの革新的なブロックを使用して、冷暖房に使うエネルギー消費を抑えることに加えて、この家には、ソーラーパネルと家庭用蓄電池テスラ・パワーウォールが装備されていて、発電した余剰電力を貯めながら効率よく運用できる設計になっています。

このネットゼロホームや、ヘンプクリートブロックに関する、その他のビデオはコチラをご覧ください。
http://justbiofiber.ca/media-and-reports/video/

引用元:https://www.geek.com/news/harmless-home-built-from-lego-inspired-bricks-made-with-hemp-1758380/

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AUTHORこの記事をかいた人

Yosuke Kogaのアバター Yosuke Koga HTJ 編集長

1996年カリフォルニアで初の医療大麻が解禁。その5年後に現地へ移住し、医療大麻の家庭栽培、薬局への販売などの現場や、それを巡る法律や行政、そして難病、疾患に対し医療大麻を治療に使う患者さん達を「現場」で数多く見てきた、医療大麻のスペシャリスト。

10年間サンフランシスコに在住後、帰国し、医療機関でCBDオイルの啓蒙、販売に従事し、HTJのアドバイザー兼ライターとして参画。グリーンラッシュを黎明期から見続けてきた生き証人。

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