※2019年Hemp product of the Yearの優勝者、Trillion社のJeremiah Dutton氏(写真右)
ヘンプの産業利用推進活動で世界をリードする欧州産業用大麻協会(EIHA)が、今年も年次大会をドイツのケルンで開催しました。
参加国の代表メンバーからの報告や、国連への働きかけなど多彩なカンファレンスが催され、今年は400以上のヘンプ業界関係者が出席し、過去最高の参加者数となりました。(※尚、日本で唯一のEIHA会員は、社団法人北海道ヘンプ協会となります。)
この中で、オランダのHempFlaxが主催する「Product of the Year」の表彰式が行われ、今年もヘンプを使った革新的な製品が受賞しました。
化粧品やヘンププロテインなども受賞
スウェーデンのバイオ複合材開発企業Trifilon社が、新開発の30%ヘンプ繊維で強化されたポリプロピレンであるBioLite製のスーツケースで、今年の「Product of the Year」イノベーション賞を受賞しました。
そして、ドイツのBAFA Neu社が、70%を超える完全タンパク質を含有するヘンププロテイン粉末で第2位を、そしてスロベニアのHemptouch社が、ヘンプ由来の加水分解質や、CBD、およびヘンプシードオイルなどの抽出物をブレンドした基礎化粧品、Hemptouch バランシング・フェイスクリームで第3位を勝ち取りました。
オランダのHempFlaxが主催するこの賞は、先月ドイツのケルンで開催された、EIHAの第16回国際会議で発表されました。名誉は、イベント中に彼らのエントリーを提示した予め選択された被指名者のリストから投票した会議代表者によって判断されました。
リサイクル可能な炭素繊維を求めて
優秀賞を受賞したBioLiteは、Trifilon社の研究者たちが、リサイクル可能な炭素繊維の研究の中で開発した素材です。
航空宇宙、モータースポーツ、軍事および土木工学において広く使用されている従来の炭素繊維は、高い剛性、高い引張強度、そして軽量という利点をもたらしますが、生産するのに大量のエネルギーが必要であり、そしてリサイクルが困難です。
Trifilon社の研究者らは、有機再生可能原料の利点を求めた結果、材料の補強材としてヘンプを導入しました。
ヘンプ繊維は密度が低いために、このような新しいハイブリッド複合体は、強く軽量です。粒状供給原料であるBioLiteは、標準的なプラスティック射出成形機で使用することができます。
スーツケースに加えて、この材料は、自動車部品、衣類ハンガー、台所容器、化粧品のパッケージや、その他の消費財を作製に使用する事ができます。
ヴィーガン向け・医薬品の代替品などの製品
※2位を受賞した BAFA Neu社のAlmut Frank氏
BAFA Neu社のヘンプ・プロテイン粉末は、菜食主義のアスリートやヴィーガンに向けてデザインされており、液体と混合可能で、水に解けない繊維質を含みません。100%天然製品も、認定有機バージョンで購入可能です。
※3位を受賞した Hemptouch社のBarbara Novak氏(Photo:nova-Institut/PvP)
Hemptouchバランシング・フェイスクリームは、スキンケア産業における最大のセグメントの1つである、シミやニキビを起こしやすい皮膚向けに配合されています。この製品は、一般医薬品の代替品として市販されています。
昨年から始まった、このイノベーション賞は業界の注目を集めています。今年の受賞製品を日本に輸入するのは、どこの企業でしょうか?