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「素早く、急進的で、そして他と違う」:ヘンプと次なる産業革命

「素早く、急進的で、そして他と違う」:ヘンプと次なる産業革命インタビュー:

フィル・ワーナー氏は、エコライフ・サイエンス社のCEO兼会長で、同社は持続可能な未来のための次世代商品の開発に取り組んでいます。ワーナー氏はこれまで、中国、ブータン、タイ、ニュージーランド、オーストラリア、ヨーロッパ、アフリカ、北米および南米において20年以上もヘンプ業界に携わってきました。

同氏は、世界最大かつ最も多様なカナビスの遺伝子・種子バンクを設立しました。彼が以前勤めていたエコファイバーは、収穫量の多い新しい商業植物種の研究開発、農業、加工に1,500万ドル(約16億9,400万円)以上を投資し、ヘンプ生産と市場開発分野の国際的企業です。

ヘンプトゥデイ(HT):ヘンプのバイオマスを燃料作りに利用するという問題に関してどのようにお考えですか。長期的に実現可能な成功につながるものだと考えていますか?

フィル・ワーナー氏:ヘンプのバイオマスには、燃料よりもより良く、より経済的に継続可能な利用方法があると思います。消費者向け日用品の原料に、国内で栽培そして供給およびリサイクル可能なバイオマテリアルが世界的に必要とされています。

本当の問題は、バイオマテリアルを炭化水素よりも効率よく変換するテクノロジーやシステムをいまだに開発できていないという点なのです。その「システム」を私は研究したいと考えています。バイオマテリアルを分解し、我々が望む形に再構築し、繰り返しリサイクルすることのできる仕組みです。

私が想定しているのは「農産化学」を利用して、3Dプリンターのようなハイテク装置を利用し、炭化水素ベースの原料の代わりに、原料はバイオベースで何度も繰り返しリサイクル可能なものとすることです。

これを達成することは簡単ではありませんが、こうした事は行われなければ、気候変動が、すでに想定されてるよりずっと大きな規模で我々の生活を変えてしまうでしょう。しかし、国内で、もしくは地方レベルでさえもリサイクルが可能であれば、現在埋立地に捨てている物質の必要が50%以上削減できます。

ネパールのカトマンズで2月1日と2日に開催される初のアジア・ヘンプ・サミットでフィル・ワーナー氏に会いましょう

リサイクル目的で作られたものを持ち、その目的だけのために作られた製造システムがあれば、モノを作り出すための新しい原料を生産する必要を減らすことができます。波及効果として、新しい原料を作るためのエネルギー利用の削減、原材料および完成品の輸送の無駄の削減です。

HT:紙やテキスタイル等の日用品におけるヘンプの可能性についてどのようにお考えですか。これらのセクターがどれくらい速く発展すると考えていますか?

ワーナー氏:ヘンプは素晴らしい原料です。木のような他の有機物由来の原料に比べて、生化学的に比較的複雑ではありません。ナノの形態では、巨大な可能性を秘めています。例えば、よく考えれば、テキスタイルの基本テクノロジー(糸紡ぎ、織り、裁断、縫製)は6,000年も昔からあるもので、変化していません。

洋服を作るのに、3Dプリントのような機械に似た、より高度なテクノロジーへと移行していく時期が来ていることは明らかです。アメリカでは個人のテキスタイルの平均年間消費量は23kgです。その原料を何度も繰り返し分解、再構築することができたら、場合によっては一生で23kgの原料しか必要ないということもあり得るのです。

HT:ヘンプに関連するもの以外では、エコライフ・サイエンス社は、どのような企業や応用分野に投資を検討しているのですか?

ワーナー氏:エコライフ・サイエンスは、何かを作り出す原料だけではなく、食べ物や薬を生み出すような植物全体の生物多様性を見ています。この点でヘンプ/カナビスには多くの利点がありますが、他にも利用できるのに十分に活用しきれていない作物や植物があります。

消費されるすべての植物性の食べ物の60%が小麦、大豆、米、とうもろこしという4大作物であることはよく知られています。問題は、これら4大作物は人類の全般的な健康を助けるのに最も良い食べ物ではないという点です。我々にはより良い栄養素が必要で、ヘンプやその他の活用しきれていない作物がその点で力になることができます。

次なる偉大な医学的発見はアマゾンのジャングルで起こるかもしれないと度々耳にします。自然の薬をもたらす植物は数多くあります。これらの植物を分析し、今までには考えもしなかったような方法で利用できるかどうかを検討するためのツールと能力を、我々は現在持っていると私は信じています。食べ物、薬、繊維。ヘンプだけにとどめる必要はありません。

HT:このような文脈ではどのような人を求めていますか?

ワーナー氏:想像力があり、非常に困難に思えるというだけの理由で挑戦をやめてしまわない人です。究極的には、誰かが素早く、急進的で、他とは違う何かをする必要があるのです。

事態を改善する意志があれば、それが可能になると心から信じています。実際には次なる産業革命について、私は話しているのです。

HT:国際的レベルではどのような状況とお考えですか。注目すべき地域や国はどこでしょうか?

ワーナー氏:創意工夫が鍵となります。新しい発見や手段は、それが最も求められていて、かつ業界が消費者の要求に応えるための急進的なアイデアをサポートするような政治環境があるところで起こる可能性が高いです。注目すべき場所やモノを選ぶのは難しいですが、強いて言えば、異なる国や地域の同じような目標を持った人々の協働になる可能性が高いと思います。我々のアイデアやコンセプトを提示することがはじまりです。

HT:エコライフ・サイエンスのために打ち出したミッションにおいて教育や研究はどれくらい重要ですか?

ワーナー氏:エコライフ・サイエンスの目標は、さらに急進的なアイデアや研究をサポートすることでもあります。気候変動を乗り越えるために作り出す必要のあるもののコンセプトは既にありますが、もっと良い可能性のあるコンセプトが他にも在るに違いありません。ある程度の可能性を持ったものなら、なんでもサポートすることには前向きです。

HT:ヘンプ業界に参入したい若い起業家やスタートアップに対するアドバイスはありますか?

ワーナー氏:この業界の成功は、植物科学から完成品に至るまで、バリューチェーン全体の数多くの成功したビジネスにかかっています。我々はみな、異なる能力や得意分野を持っています。

すべてをやろうとするのではなく、自分ができることの両側にいる他の企業を見つけ、彼らの問題を理解し、成功に向かって進んでいくこと。何よりも、同じような課題を抱えたことのある他の人から学び、歴史から知識を得ること。再発明する必要がなければ、時間もお金も節約できるのです。(HEMPTODAY 2018年11月21日)

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AUTHORこの記事をかいた人

日本臨床カンナビノイド学会員。北海道ヘンプ協会(HIHA) 法人会員。

美容クリニックで専門医監修の下、CBDオイルを利用したアトピー性皮膚炎の治療を開始。1年間の観察結果からアレルギー数値と、症状の改善がきっかけで大麻の可能性を一人でも多くの方々に知ってもらいたいと思い立ち、編集局員として参加。

「HEMP TODAY JAPAN」を通じて、「世界の大麻産業」の真実を知ってもらう必要があると考えております。

そして、大麻へのマイナスイメージを払拭がされ、医療分野、産業分野問わず、大麻由来製品を誰でも簡単に低コストで利用できる環境を望んでいます。

2017年6月~青山エルクリニックモニター参加。
2018年5月「Hemp Food, Health & Beauty Summit」(HTセンター/ポーランド)。
2018年8月「中国 黒龍江省ヘンプ産業視察ツアー2018」参加。

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