韓国の国会は、11月23日に医療大麻を許可する麻薬管理法の改正を承認しました。
これによって、韓国は東アジアにおいて、大麻を合法化する最初の国となる見込みです。この出来事は、世界の大麻産業における重要な節目となり、伝統的に保守的な社会において「大麻がどのように認識されるか」について、大きな転換点となるでしょう。
現在、食品医薬品安全処(Ministry of Food and Drug Safety、MFDS)は、「実際何が認められるのか」と、「患者が資格を得るために従わなければならない手続き」について具体的な規制を確立する必要があります。
医療大麻製品は厳しく規制される予定ですが、アジアはもとより世界においても、大麻の使用を承認する最後の国になるだろうと思われていた韓国で法律が承認されたことは、大きな前進です。
ただし、法案が法律になる前に、国務議会(内閣府)の審議と、大統領の署名が必要です。
MFDSのスポークスマンは、この枠組みについての詳細は今後発表される予定で、ある種の医療用大麻製品の輸入は、2019年の上半期にも開始される可能性があるが確定ではない、と述べました。
同機関は、西ヨーロッパと米国などの保健機関から承認を既に受けている、THCおよびCBDベースの医薬品の導入を開始する予定です。
またMFDSは、今回の法律の改正は、希少疾患患者の治療の機会を拡大するだろうと述べました。
声明によると、韓国で代替医薬品がない場合において、てんかん等の病状を治療するために、希少医薬品への患者のアクセスを容易にするために設立された政府機関である、韓国希少疾病用医薬品センターを通じて、こうした輸入が行われる予定です。
7月にMFDSは、Epidiolex、Marinol、Cesamet、およびSativexを、てんかん、HIV /エイズの症状、がん関連治療などの病気に対して許可する方針を表明し、その時点で韓国の大麻法は大きな障害を克服しました。
医療大麻の合法化組織(Organization of Legalizing Medical Cannabis)の姜成哲(カン・ソンソク)牧師は、「医療大麻が許可される動きは、大きなステップだが、規制に関しては詳細を整理する必要があり、法案の内容については、まだ少ししか公表されていない」と述べました。
規制が構築されつつある事を受けて、同組織は最近、カンナビノイド協会(Cannabinoid Association)を立ち上げて、薬物庁にアピールしています。
イスラエルに続いて、アジアの最初の国として医療大麻を許可するために、タイやマレーシアなどの国々が争ってきました。
トロントに本拠を置くエラ・キャピタルのCEOであるビジェイ・サッパニー(Vijay Sappani)氏は、「限られた製品選択で厳重に管理されてはいるものの、韓国での大麻の合法化は、世界の大麻産業にとって大きな前進だ」と述べました。同社は、大麻産業における成長市場に投資するベンチャーキャピタルです。
同氏は、「東アジアにおいて、国家レベルで医療大麻を許可する最初の国が韓国であることの重要性は、過小評価されるべきではない。今は他のアジア諸国が『いつ』韓国に続くのかという問題で、それはもう『もし』ではない。」と語りました。