ポーランド国営の天然繊維薬用植物研究所(IWNiRZ)は米国のヘンプ企業2社と契約し、南北アメリカにおいて認定された播種用種子を販売すると発表しました。 IWNiRZ は、他の米国企業でコロラドが拠点の国際大麻ソリューションズ(IHS)と、IHSの系列企業で種子を専門に扱うビジャ・ヘンプとも連携して栽培研究をおこなうと、関係各社は発表で説明しました。
IWNiRZ は「ポーランドの歴史上、最も大規模な産業用大麻種子販売の契約であり、(さらに)第2次世界大戦以降、最大の産業用大麻種子のアメリカ合衆国への輸入契約です」と述べています。
初回取引は40トン
関係各社が署名した初回取引には、種子および繊維収穫用の品種であるポーランド産のビャウォブジェスキエ播種用種子を提供するという長期的な独占契約が含まれています。計画では初回出荷で40トン、その後の出荷は150トンとなり、最終的な年間出荷量は250トンに及ぶ予定です。
コロラドを拠点とするビジャ・ヘンプは、ヘンプ種子遺伝学とヘンプ栽培を専門とする米国向け認定種子輸入業者で、公益法人(PBC)であるIHSの完全子会社でもあります。ビジャ・ヘンプの主導者は、チェコ共和国のヘンポイントCEOで世界有数の国際大麻業界コンサルタントであるハナ・ガブリエロワ氏、米国人投資家でアドバイザー、さらに大麻業界内の様々な企業の経営者であるリック・トロージャン氏、ホバン法律グループ(コロラド)上級弁護士のデニス・ブロバロネ氏、そしてコロラドの大麻実業家であるリック・カールソン氏です。その他の戦略パートナーは、アダムス州立大学(コロラド)、米国メディア企業のザ・ヘンプ・コノサー、産業用大麻研究財団(米国)です。
種子品種の開発目標
この共同研究は、新品種の開発と生産高の向上を目的としていると、関係者は述べています。ポーランド品種のタイガとベニコ、およびビャウォブジェスキエは、すでにコロラド州農業省(CDA)の下で種子認定プログラムを通過しています。IWNiRZによると、プログラム基準に関して、これらの品種は他のものより優れているとCDAは語ったそうです。タイガとベニコの両品種は繊維収穫用品種で、米国ケンタッキー州レキシントンのスキアビ・シーズが代理店です。
IWNIRZは、産業用大麻の栽培・品種改良・加工で90年近い経験を積んでおり、国営機関として、ポーランド農務省の下で運営されています。同研究所は今年初め、一般的な品種よりも4倍多く食用オイルが生産できる新品種、ヘロナを開発したと発表しました。
欧州の農業目標達成
IWNiRZは南北アメリカにおける契約により、国際取引の発展と輸出市場へのアクセスというポーランド農業の優先事項が満たされ、ポーランド産種子と種子輸出に関する農務省プログラムの規定が実施されると述べました。種子需要の増大は、より高い利益性・生物多様性・市場拡大の点で、ポーランドのヘンプ耕作地と農業を「著しく」向上させると話しています。
取引に求められる需要を満たすため、1ヘクタール(2.5エーカー)当たり1,000ポーランドズロチ(約283ドル)を補助するとIWNiRZは述べました。これはポーランドの農家がすでに利用できる欧州の補助金に上乗せ出来るものです。(HEMPTODAY 2017年12月7日)