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「CBDは嗜好用大麻です」ワシントン州の新法がCBD市場を激変させる可能性、嗜好用大麻産業が主導権を奪還した未来

目次

嗜好用大麻ラインセンスを所持していないCBD販売業者は排除される予定

ワシントン州の新しいCBDに関する法律は、事実上嗜好用大麻産業へと業界を譲ることで、現在の州内CBD市場を根本的に再編する可能性があります。

この法律は5月、州知事ジェイ・インスリーによって署名され、総THCの微量でも含むCBD製品は、今や事実上「嗜好用大麻」とみなされ、ワシントン州酒類・大麻管理委員会(WSLCB)の規制を受けることになりました。

つまり、CBDの販売は、州内のライセンスを持つ嗜好用大麻ディスペンサリーに限定される可能性が高いということです。

シアトルを拠点とするハリス・ブリッケン法律事務所のジャック・スクラントン弁護士によると、ワシントン州での具体的な規制は数ヶ月以上先となる見込みで、いくつかの重要な疑問点が残されています。

重要な疑問点とは?(外部サイトへのリンクです):https://harrisbricken.com/cannalawblog/

この法律(SB 5367)は、認可を受けていない小売店でのCBD販売を排除するようで、その場合、販売者は供給契約を打ち切り、既存の在庫を清算しなければならなくなります。

法律SB5367とは?(外部サイトへのリンクです):https://lawfilesext.leg.wa.gov/

州全体のCBD市場の40%を占めると推定されるオンライン販売も影響を受ける可能性が高いでしょう。

嗜好用大麻側のロビー活動が勝利した結果とも言える

この変更は安全性に関する懸念とはあまり関係がなく、むしろ州の嗜好用大麻産業によるロビー活動の結果であると、スクラントン弁護士は指摘しています。

「ヘンプ由来のCBD製品はTHCは含まれないはずである。というワシントン州議員の主張は、州民の健康を考えた上での主張とは思えない。むしろ、嗜好用大麻側のロビー活動が法律制定のプロセスをうまく利用して、CBD産業の重要な部分を奪還しようとしているように思えます」。と、同氏は述べられています。

新たな嗜好用大麻ライセンスは、現行のモラトリアム(一時的な禁止)により、市場はさらに嗜好用大麻関連の関係者によって制御されることになると、スクラントン弁護士はさらに指摘します。

「だからと言って、SB5367によって規制遵守から脱落した企業が嗜好用大麻大麻ライセンスを申請し、取得することはできないのです」と彼は言います。

 

補足、「ロビー活動」とは:特定の利益団体や業界が、政策や法律の制定・改正に影響を与えるために行う活動のことを指します。また、「モラトリアム」とは:一時的に活動や行動を停止することを意味する用語で、ここでは新たな嗜好用大麻ライセンスの発行が一時停止されている状況を指しています。

CBD製品と呼ばれるすべての製品に対して厳格なTHC検査が

CBDの販売をライセンスを持つ大麻販売者に制限するだけでなく、販売者は自社製品のTHCレベルを検査し、製品に正確なTHCの量を表示しなければなりません。

この新法では、“THC濃度を定義する言葉が見直され、CBD製品内の全ての形態のTHCを含むようになりました。これは以前の定義よりも制限的で、以前の定義は製品中のデルタ-9 THCの総量だけを参照していました。

また、この法律では「ヘンプ消耗品」の定義も更新され、「吸引、摂取、挿入など、体内に何らかの手段で摂取または吸収されることを目的とする製品、THCの検出可能な量を含む」が含まれるようになりました。

これには、吸引用Vape製品、CBD抽出物、CBDティンクチャーなどが含まれます。

こういった製品にTHCが含まれている場合、それらはライセンスを持つ嗜好用大麻販売者だけが販売できることを、この法案が示しています。

本当にこの法律が機能するとでも思っているのか!?

スクラントンによれば、「ワシントン州の小売店に広く展開されているCBD製品の存在は、これらの小売業者にとって、WCLCB(ワシントン州酒類大麻管理局)がどのように(また、本当に?)法律を執行するのかという深刻な問題を提起します。

現在、THCの検出可能なレベルを含む多くのCBD製品が州内の棚に並んでいます。

これらの製品を規制以降に販売できない場合、小売業者は何をすべきでしょうか?違反に対する罰則は何になるでしょうか?何らかの猶予期間が設けられるのでしょうか?

「州はこれらの問題などについてのガイダンスを提供する必要があり、関係者が自己準備をすることができるようにすべきです」とスクラントンは書いています。

また、THCの検出可能なレベルを含む全ての製品の生産者と販売者が、WSLCBの嗜好用大麻ライセンスを必要とする意図が州にあるのかどうかも明確ではありません。

補足、「WCLCB(ワシントン州酒類大麻管理局)」とは:ワシントン州のアルコールと大麻の販売に対する規制と許可を担当する政府機関のことを指します。

CBD製品の全ては販売先の限定により「値上がる」

連邦規制が存在しない中で、各州はCBDに対処することを余儀なくされています。

U.S. Food & Drug AdministrationFDA:アメリカ食品医薬品局)は今年1月、CBDの明確な合法化に向けて議会が行動するまでは、CBDの規制を設けることはできないと宣言しました。

これは、2018年のFarm Billによるヘンプ、カンナビノイド製品の合法化を受けて、関係者が規制フレームワークの設立を繰り返し呼びかけてからほぼ5年間が経過した後のことです。

FDAは繰り返し、機関が認可していないため、CBD製品は販売することが違法であると明言しています。しかし、これらの製品は連邦食品、医薬品、化粧品法(FDC法)の規制対象でありながらも拡大し続けています。FDAは先月、CBDに市場への特別な進出ルートを設けることを目指すと述べました。

関連過去記事はこちら:7/7 アメリカFDA「CBDで普通の食品区分は無理」CBD製品が完全合法となるには、まだまだ遠い先の未来になる

CBD製品はワシントン州のコンビニエンスストア、ボデガ(小型食料品店)、スーパーマーケット、その他の小売店で広く取り扱われています。

CBDの販売を嗜好用大麻ディスペンサリーに限定すると、規制のコスト(課税分)を消費者が負担することになることが予想され、CBD製品の価格が上昇する可能性があります

U.S. Department of AgricultureUSDA:アメリカ合衆国農務省)によれば、ワシントン州の農家は昨年、合計で400エーカー未満(約161ヘクタール)のヘンプを植え、その約半分はCBD生産に必要なヘンプの花に充てられました。

 

補足、「連邦食品、医薬品、化粧品法(FD&C法)」とは:アメリカの食品、医薬品、化粧品に関する法律で、その適用により製品は安全であること、そして宣伝が事実に基づいていることが必要となります。「ボデガ」とは:主にニューヨーク市などの都市部で見られる小型の食料品店またはコンビニエンスストアを指します。「ディスペンサリー」とは:医療用大麻や嗜好用大麻を合法的に販売する店舗を指します。

HTJ
集部あとがき。注目すべき点は、新しい規制が現在のCBD市場が実質的に嗜好用大麻産業側の手に委ねられるということです。さらに、この変化は必ずしも公衆衛生の観点からのものではなく、嗜好用大麻産業側のロビー活動の結果であるとも指摘しています。また、新州法がCBD製品の販売を嗜好用大麻のディスペンサリーに限定されてしまうことで、非許可の小売店ではCBD製品の販売が禁止され、その結果、既存の在庫の処分や契約の終了が強制される可能性があります。さらに、この新規制では、CBD製品の価格上昇につながる可能性があります。なぜなら、これまでになかったTHC検査や嗜好用大麻課税、そして、販路が狭まることによる値上げが主な理由です。今年の1月にFDAがCBD製品の規則を設定するエビデンスがないことを宣言し、CBD産業をこの5年間放置したことにより、デルタ8が合法的に市場を席巻しだし、その果てに、このような「嗜好用大麻側が CBD市場を奪還する(とはいえ、安全や汚染CBD製品から健康が担保されるという道筋がここにはありますが)」という結果を招いたといっても過言ではないかもしれません。 FDAが規則を作らないことでCBD製品は非合法な状態が続き、CBD業者はその適切な管理と販売に困難を感じていましたが、このような厳しい規則を設けた限定的な形でのCBD産業の再編がワシントン州に表れました。既存のCBD業者からすると最悪の再編になりえます。この問題の本質は、デルタ8に市場をめくられていった嗜好用大麻側が、ロビー活動を通じて大麻市場を取り返していくお話のように見えてきます。一方で、ミネソタ州はそのデルタ8も、嗜好用大麻もまるごと合法にした状況でもあるので、州によってまったく違った動きを見せてくれるのが、アメリカの実態です。日本にとってはこのようなアメリカの各州の動向を後追いで良いところを抜粋して反映させることができるので、自ら失敗する道を選ぶことが無いのを活かして、産業を広げていけることを望みます

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HempTODAYJAPAN編集部です。HemoTODAYより翻訳記事中心に世界のヘンプ情報を公開していきます。加えて、国内のカンナビノイド業界の状況や海外の現地レポートも公開中。

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