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モロッコは、コスメ・産業・医療分野でヘンプを合法化へ(前編)

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モロッコ政府は、21311日に大麻生産、加工、販売に関する法律案13-21を採択しました。

今後は議会によってこの法案が正式に承認された後、モロッコ国内で生産された大麻草が正しい用途に使用されるよう、政府機関(Agence Nationale de Regulation)によって管理されます。政府機関のチェックを受けたそれぞれの大麻草の農業組合には、正式な許可が与えられます。この許可の種類は

1)コスメティック

2)産業(テキスタイルや建築など)

3)医療

の3タイプに分かれます。

詳細規則は法律に書いていないのでわからない点も多いのですが、コスメティックは、CBDの合法化であり、産業は、欧州のように THC 濃度が低い品種の合法化であり、医療はタイと同じように医師の取扱いや病院での処方ができるようになる見込みです。

但し今回の合法化は、あくまでヘンプの合法化であって、嗜好用大麻までも含めた合法化ではありません。嗜好目的の利用は引続き、禁止されています。

目次

モロッコの背景

モロッコは、フランスの植民地になる何百年も前から、大麻を喫煙する文化や薬草として使う文化がありました。伝統的に栽培されてきたタイプはケタマ、ベルディーヤという種類の大麻でTHC濃度35%と高くないのが特徴です。長年にわたる製法はモロッコ北部での、雨のみを使用したナチュラルな生産方法でした。

しかし、ここ20年ほどの間にインドやアフガニスタン系の新たな種類の大麻の種子が大量に持ち込まれ、それらの樹脂は THC 濃度がとても高く15%ほどにもなります。

2020年のUNODC(国連薬物犯罪事務所)のレポートによると、モロッコは大麻樹脂の世界第一位の生産国であり、モロッコ北東部には55000ヘクタールの大麻畑が存在しています。これまでは国連からの強い要請により、大麻撲滅のために取締徹底と大麻畑の焼却処分などを大規模に実施してきました。

正式な記録は存在しませんが、モロッコでは年間7000トンの大麻樹脂が生産されていると言われています。これらのほとんどがヨーロッパに違法に輸出されてきました。

合法化の意義

モロッコでは長年、大麻合法化の議論がありましたが、ヨーロッパとの外交関係の悪化を避けたい関係から、議論が進んでいませんでした。しかし、2019年の大麻及び大麻関連物質のWHO勧告において、国連麻薬委員会(CND)の麻薬単一条約スケジュールからの大麻/大麻樹脂の削除(=大麻の医療的価値を認める)に、モロッコは「賛成」しました。

 

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図:麻薬単一条約スケジュールから大麻/大麻樹脂を削除する WHO 勧告案の投票結果(20123日)

 

投票権のある53カ国中、賛成27カ国、反対25カ国、棄権1カ国という結果の中で、貴重な賛成国の1つだったのです。北アフリカの他の投票国エジプト、リビア、アルジェリアは反対しました。ちなみに、日本も反対しています。

この国連の決定を受けて、モロッコは合法化へと大きく動きだしました。

主に北モロッコで、生産自体が違法であることにより、農家の方たちは、常に恐怖心の中で生活しています。そのため、この恐怖心の払拭や、現在の極貧の生活から、今後は労働に見合った生活へと向上していくことが重要であると考えられています。合法化して、農民組織にライセンスを与えることによって、80万人以上ともいわれている大麻生産者とその家族の生活の質(QOL)の向上につながるでしょう。

また、20年前からの大麻撲滅と取締りは、農家の方の森林の中での隠れ栽培を促し、その取締りのために、森林伐採が大規模にされてきました。直接的&間接的な環境破壊をもらしてきました。合法化によって、持続可能な栽培方法が可能になることが期待されています。

 

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写真:モロッコで栽培されている大麻草

今後の展開

法律には、産業用と医療用を区別するTHC濃度の基準が明記していなくて、別途定めるとなっています。モロッコはフランス領だったこともあって、政治的に文化的にも影響を受けています。そのため、欧州と同じTHC濃度基準を0.2%か0.3%になるか、アジアのタイやアフリカのマラウイなどのように THC 1.0%基準になるかどうか注目すべき点です。

それから、栽培は、モロッコ人のみが携わることができ(モロッコ人であってもいろいろな資格が必要で容易ではありません)、外国人には許可されていません。

ただし、モロッコ国外への輸出に関してはモロッコ人である必要はない為、外国企業が行うことは可能です。おそらく、外国企業の参入方法としては、栽培後の大麻を購入の上、自社でモロッコ国内での製造を行って輸出するほか、ローカルの企業とのコラボレーションによるジョイントベンチャーのような形も可能と思われます。

大麻を取扱う政府機関が発足され次第、多くのヨーロッパや北米の会社が 2021-2022 年中にはモロッコ国内で加工事業を始めると見込まれています。

 

モロッコは、コスメ、産業、医療のヘンプを合法化します(後編に続く)

取材協力:Morocco and Japan Business

モロッコの大麻/CBDビジネスに関心のある方はこちらに連絡を

http://moroccoandjapanbusiness.com/ 

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AUTHORこの記事をかいた人

後藤 大輔のアバター 後藤 大輔 株式会社 Prossimo

株式会社 Prossimo 取締役。日本臨床カンナビノイド学会員。北海道ヘンプ協会(HIHA) 法人会員。

美容クリニックで専門医監修の下、CBDオイルを利用したアトピー性皮膚炎の治療を開始。1年間の観察結果からアレルギー数値と、症状の改善がきっかけで大麻の可能性を一人でも多くの方々に知ってもらいたいと思い立ち、編集局員として参加。

「HEMP TODAY JAPAN」を通じて、「世界の大麻産業」の真実を知ってもらう必要があると考えております。

そして、大麻へのマイナスイメージを払拭がされ、医療分野、産業分野問わず、大麻由来製品を誰でも簡単に低コストで利用できる環境を望んでいます。

2017年6月~青山エルクリニックモニター参加。
2018年5月「Hemp Food, Health & Beauty Summit」(HTセンター/ポーランド)。
2018年8月「中国 黒龍江省ヘンプ産業視察ツアー2018」参加。

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