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大麻製品の国際投票を次回12月の委員会まで延期
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今週開かれる第63回国連麻薬委員会(UN-CND)に先立ってウィーンで行われた非公式の会合で、大麻製品の規制を確立する際に各国政府に明確な指針を与える、重要な国際投票を次回12月の委員会まで延期する事が決まりました。
今回の委員会では、THC含有量が0.2%未満の医療用大麻製剤を国際麻薬規制から削除するという世界保健機関の勧告に対するUN-CND投票が予定されていましたが、この問題は大麻自体の規制からの削除という、より大きな問題に巻き込まれてしまった形となりました。
2020年12月3~4日のウィーンでのUN-CNDの次のセッションでは、大麻の再スケジュールに関する投票が設定されました。
先週末には国際麻薬統制委員会の理事長が現状に疑問符を
この延期に先立って、先週末に国連麻薬取締機関の理事長は、大麻などを含む近年の世界的な薬物政策の発展を考えると、数十年前に締結されたままの「麻薬に関する単一条約」が時代遅れではないのか?という疑問を表明していました。
国際麻薬管理委員会(INCB)2019年次報告書に関するプレゼンテーションで、コルネリス P. デジョンチーレ理事長は、大麻と合成薬に関する取り組みの進展について語りました。
彼は、「この条約には、締約国が検討を始める必要のある基本的な問題がいくつかあります。この条約は、50年から60年前に策定されたことを認識しなければなりません。」と加え、2021年は「こうした条約が、まだその目的に合致しているかどうか、または、これらの問題に対処するための新しい代替手段とアプローチが必要かどうかを検討する適切な時期である」と述べました。
来年は1961年の麻薬に関する単一条約締結から60周年を迎えます。
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国連の麻薬政策の独立専門家であるケンジ・リブレゼムウリ氏は、マリファナビジネスデイリーの取材に対し、「INCBは麻薬政策に関する最も権威のある国際機関であり、条約の解釈において最も保守的です」と前置きした上で、「INCBの理事長の口から、この条約が21世紀の課題に適していないことを示唆する発言が出た事自体が、すでに強いタブーを破っています。」と語り、INCB理事長が「新しい条約」の可能性について言及したことを「前例のない予想外のもの」として特に強調しました。
彼は、「国際社会が国際法を更新することは可能であり、実行可能です。タブーこそが、1988年以降、別の条約について議論されていない唯一の理由なのです。そして、このタブーが破られたので、新たな視点が開きます。」と述べ、今回のUN-CNDの会合で大麻が麻薬リストから除外される可能性について希望を示していました。
今週のCBDセッション
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投票の延期という残念なニュースはありましたが、今週の第63回UN-CND会合では、CBDを取り巻く問題を具体的に検討する、少なくとも2つのセミナー・プレゼンテーションが行われます。
「薬物のない若者のためのコミュニティ連合」は、3月3日火曜日の朝に「大量消費向けCBD製品が抱える課題」についてプレゼンし、水曜日には、「民族植物学教育と研究およびサービスのための国際センター財団」と「ラテンアメリカ改革財団」が、「医療大麻対カンナビノイドの医療使用を考えることによる政治的結果」というタイトルのプレゼンテーションを行います。
オープニングセッションは、国連麻薬・犯罪事務所(UNODC)のGhada Waly事務局長、国際麻薬管理委員会のCornelis de Joncheere会長、世界保健機関(WHO)のTedros Adhanom Ghebreyesus事務局長、および地域グループの代表者からの声明となっています。
その他の決議案
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委員会で検討中のその他の決議案には、民間部門とのパートナーシップの強化、世界の薬物問題に対する科学的証拠に基づいた対応を強化するためのデータの収集と分析の改善などのトピックがあり、薬物使用防止の取り組みに若者を取り込む事や、医学的および科学的目的のための規制物質へのアクセスと利用可能性を確保する事、また、違法な作物栽培に対する代替的アプローチの促進などがあります。
今週のセッションには、加盟国、議会、政府間組織、一般市民、科学コミュニティから2,000人以上が参加する予定です。このセッションでは、
●薬物使用予防における世代間の平等
●薬物使用障害のある人々の治療とケア
●合成薬物の脅威への対抗
●麻薬密売との戦い
●持続可能な生計のための代替策の開発
●薬物供給と人身売買に関する研究とデータ
●若者の薬物使用防止への参加
などのトピックに関する100以上のサイドイベントが開催されます。
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