都市伝説と思われていた巨大企業参入が現実に
長年、大麻業界では巨大製薬会社参入の噂は絶えませんでしたが、ついにこの都市伝説が現実として姿を現しました。これは、大麻解禁の新たなステージの始まりなのか、それともグリーンラッシュの終わりの始まりなのでしょうか?
世界最大のジェネリック医薬品メーカーである Teva Pharmaceutical Industries Ltd.(NYSE:TEVA; TASE:TEVA)のイスラエル流通部門である Salomon, Levin & Elstein(S.L.E)は、イスラエルの医療大麻生産企業 InterCure(TASE:INCR)グループの Canndoc(同社会長は元イスラエルの首相)と戦略的流通契約を締結しました。
この契約は3年間で、2年間の延長オプションがあります。
元イスラエル首相が会長の大麻企業の製品
契約の条件に基づき、S.L.EはCanndocのGMP (Good Manufacturing Practice) 認証医療大麻製品を、病院、およびチェーン店を含むイスラエルのすべての薬局に流通させ、将来的には、規制当局の承認によって、 Canndocの製品を医療用の大麻製品の販売と流通が合法である国々への輸出にむけて、S.L.Eは自社の流通網を提供します。
S.L.E.は健康製品とサービスを提供し、イスラエル全土の数十のローカルおよび国際企業の製品を流通させています。
Teva傘下の S.L.E.はイスラエル保健省の認可を受けており、GDP (Good Distribution Practice) 流通ライセンスも保有しています。
元イスラエル首相で現CanndocのEhud Barak会長は、
「医療製品の流通におけるイスラエルのリーディングカンパニーであるS.L.Eとの契約により、CanndocのGMP製品をイスラエル全土および同様の規制を持つ国々に提供するための、完全なるサポートプラットフォームを創設しました。S.L.Eとのパートナーシップによって、Canndocは世界で最も著名な製薬会社の1つと肩を並べ、大麻ベースの医療を、これらの医薬品の価値を認めている国々に住む人々に向けて提供します。」
と述べました。
S.L.E.の Aviad Bossi CEO は、「この契約は、当社の確立された医薬品流通ネットワークと、Canndocの医療大麻産業における高品質なプレゼンスおよび市場のリーダーシップを結び付けます。イスラエル国内でのオペレーションを超えて、この契約はCanndocの輸出業務をサポートするでしょう。」と述べました。
世界各国との販路構築に余念無し
S.L.Eは、Tevaの創業時の名称であり、同社のイスラエル事業の中核です。そして、先日メキシコに関する記事の最後でも少し触れましたが、Canndocは元イスラエル首相を会長に迎え、世界各国との販路構築に余念がありません。
日本でもTevaは大洋薬品(現:武田テバファーマ株式会社)との提携を足がかりに事業を拡大し、現在ではジェネリック医薬品の国内シェア最大まで登りつめています。
(※買収は2011年5月のニュース)
これまでは、業界内でのM&Aなどを通して事業規模を拡大してきた大麻産業ですが、ついに巨大製薬会社が参入してきました。
今回は流通の面での提携ですが、今後は生産やカンナビノイド製薬などの分野での参入が続くと思われ、いよいよ大麻が暮らしの中に普通に浸透していく段階に入っていくでしょう。それは勿論歓迎すべき事ですが、しかし、そこで本当に考えておかねばならないのは、この生まれたばかりの新たな産業が、これまでの歴史と同じように巨大企業に牛耳られ、我々市民が蚊帳の外に置かれてしまわないような「開かれた市場」を実現するための枠組みを民主的に作り上げることなのです。
引用元:https://en.globes.co.il/en/article-teva-enters-israels-cannabis-market-1001301032