英国に本拠を置くGW Pharmaceuticals社からの最近の価格設定発表に基づき、米国の被保険者は、CBDベースの薬剤Epidiolexに月額最大200ドルを支払うことになりそうです。
Epidiolexは米国で連邦政府の承認を得た最初の大麻由来の医薬品です。この薬品は、主に2種類の重度のてんかん(Dravet症候群およびLennox-Gastaut症候群)のために開発されました。
保険に掛かっていない患者の場合、Epidiolexの年間費用は約32,500ドル、月額2,700ドルをわずかに上回ります。これは、同じ疾患を治療するために使用される他の処方薬と一致しています。
「Epidiolexへのアクセスに関しては、価格設定において、これらの患者が既に使用しているブランドのてんかん薬と同じである事を決めました。」とGW社のCEO、Justin Grover氏は語りました。
保険会社のインプット
GWの北米支社長、Julian Gangolli氏によると、価格は主に保険会社との協議に基づいて決定されたという事です。
しかし、Epidiolexの「オーファンドラッグ」としての地位は、より高い価格設定を可能にすると同時に、同社が他の疾患を治療するために他のバラエティを開発することを可能にし、この薬剤のさらなる収益力を示しています。
待たれる再スケジュール
今年の夏に米国食品医薬品局(FDA)によって承認されたEpidiolexは、もう一つの承認を受けなければならないDEA(麻薬取締局)によって調査されています。DEAは、この新薬の濫用の可能性についても検証しています。
さらなる承認プロセスの一環として、DEAは、Epidiolexを現在のSchedule 1の状態からSchedule 2または3に再分類してから患者に提供する必要があります。その再スケジュールの締め切りは8月29日(編集局訂正:9月23日)です。この手続きが済んでから、この新薬は処方される事になります。GW社は、患者が最初の治療を受けるためには、処方箋が発行されてから3週間を要すると述べています。
非医薬品CBDに対して
保険の対象となっている場合、Epidiolexの患者負担額は他の非医薬品のCBD製品よりも手頃なものになると、Gangolli氏は言いますが、より安価な非医薬品CBDサプリメントから患者を遠ざけるかどうかは、未だ見えません。
Gangolli氏は、「患者負担は、インターネットや薬局から(非医薬品)製品を購入するコストよりも、手間と価格の面で軽くなる可能性があります。
北米ではOTC(非処方箋)CBD製品の市場が急速に成長していますが、一部の専門家は、そのような非医薬品のCBD含有量と純度を確認することは困難であると警告しています。
昨年のAmerican Medical Association誌の調査によると、OTC市場の約70%の製品は、そのラベルに掲載されているものとは異なるCBD濃度でした。また、(GW社が現在、EU保健当局による審査を受けている)ヨーロッパでは、プラハに拠点を置くICCI(国際カナビスとカンナビノイド研究所)の研究では、分析した29の非医薬品CBDのうち20製品に発がん性物質が含まれていたことが判明しました。
急成長の予測
アナリストや投資家の中には、Epidiolexの急速な成長を予測しているものもあります。アナリストらは、米国のOTCのCBD市場は2億ドルに近づくとしています。
GWはまた、臨床試験を継続しており、今まで同社の主力医薬品であった多発性硬化症のいくつかの症状を緩和する口腔スプレー「Sativex」などのCBDベースの他の医薬品の連邦承認を求めています。
同社はまた、自閉症スペクトラム障害のために調査中のカンナビバリンベースの医薬品、グリア芽細胞腫と呼ばれる特に悪性の脳腫瘍向けの調合、さらに統合失調症などの他の単一のカンナビノイド製剤も検討しています。
(HEMP TODAY 2018年8月13日)
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