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Canna Tech:CBDグミのOEM生産で頂点を狙う

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Yosuke Koga

本日ご紹介する(株)CannaTech さんは、展示会やSNSなどでは積極的に表に出ず、製品卸もほぼ行わず、原料輸入から商品製造、自社製品の通販とワンストップで運営を行い、特許製法を使用した唯一無二の原料で製造したCannaTechブランド製品をEC上で粛々と販売してきました。

 

代表の須藤さんも御自身で「業界の謎の会社」と話されているように、プロモーションも行わず静かに運営を続けてきたキャナテックですが、今年は変化の年になるようです。

 

その変化とは、一体何でしょうか?須藤さんと橋本さんにお訊きしました。

 

目次

手探りで特許製法の原料を調達

 

 

須藤:
お久しぶりです。お元気そうで。

 

HTJ:
お久しぶりです。最近CBDのブランドも急に増えてきましたが、どうですか?
マーケットも同時に広がってるから、食い合いみたいなイメージは全然ないんですけど?

 

須藤:
あまりないですね。減収もないです。確かにマーケットが広がっているので、お客様が増えているペースの方が早いのかなという感じですね。

いろいろ原料サプライヤーさんだったり増えてきているので、今後やはりプラットフォーム作ってく作り手の方が増加していかないと、なかなか製品化も難しくなってくるのかなーという、なんとなくそんな感じはしていますね。

 

HTJ:
御社の現在扱っておられる原料に辿り着くまでに、いろんな所の製品を試したりしたんですか?

 

橋本:
ひたすら片っ端からメールですね。ひたすらサンプル取って、試して、何十社も。100社近く飛ばしたかもしれないっていうぐらいメール打ちましたね。

 

HTJ:
期間はどれぐらいでやったんですか?

 

橋本:
それはもう、起業する前から須藤と二人で「原料探してみようか」っていう事で、アメリカ、ヨーロッパのあらゆるところに色々お話も聞いて、ちょとづつ知識をつけていって、じゃあこれだったらどうですか?っていう話ですね。

 

HTJ:
一人で飛び回ったんですか?

 

橋本:
その時は、実際に現地に飛んではいなかったんですけど、色々コンタクト取ってっていうのをひたすら。

その時は、二人共「多分CBDっていうのは麻製品だ」ってぐらいの認識しかなかったような状態だったので、その問合せの中で海外の方から色々教えていただく事や、知識を得られたりという感じでした。

 

HTJ:
すごい。完全に手探りで始めて、ここに辿り着くんですもんね。

 

HTJ後藤:
須藤さんには、Twitterのリツイートキャンペーンでグミを貰ったんですけど、試してみたらすごく体感があったもので、すごいグミだなと。
グミ市場って今後どれぐらいになってくるんですかね?

 

須藤:
もう結構デカいんじゃないですか?楽天市場内でCBDで検索すると、今
までドロップが圧倒的優位だったけど、最近は割と3割、4割ぐらいは、もうグミ食べてるほうが多いんじゃないですかね。

 

 

HTJ:
グミは、手軽で体感があるので本当にいいですね。

 

須藤:
ウチの原料は、しっかりとしたブロードスペクトラム使っているので、アントラージュの幅がかなり広くなっていると思います。
他社さんも良いグミ出しておられますけど、ブロードスペクトラムを使っている高配合のグミって、実は今のところ無くて、ウチはCBDでいうと25mg、他のカンナビノイドを入れると、27mg、28mg入ってるので、おそらくそういったところもかなり影響してるんじゃないかなと思っていて、ウチの原料は特許製法で作っているので、それもかなり強いのかなぁと思います。

やっぱり自分たちで製品を作ってるんで「ラベルにこう書いてあるけど、よく検査で調べてみるとCBD入ってない!?」みたいなことは、起こりません。その品質の安定感はありますね。

 

HTJ:
半年以上前に、グミを作りたいという業者さんからHTJに問い合わせがあって、須藤さんにご相談させていただいたんですよね。その時は「今、
グミは研究中です」とおっしゃってました。満を辞して強烈なものを出された印象です。どんなスピード感で作られたんですか?

 

須藤:
これについては、面白い話があるんですよ。

誰も生産を請け負ってくれない。そこに勝機を見出す

 

須藤:
私たちも、どうしてもグミを作りたかったんですけど、
国産のグミでCBD製品の受け入れをしてくれるOEM会社さんが当時なかったんですよね。

実は、私たちはもともと食品製造会社なんで、売上も見込めていく中でグミの製造機械を買うことにして、実際に買ったんですよね。5000万ぐらいしたんですよ。隣の市に150坪ぐらいの大きい工場を借りて、ものすごくいっぱい作れるグミのラインを今、建設中です。

グミ専用工場と食用油脂専用工場とグミの機械が全部導入されて、今月稼働させる予定なので、その前の期間だけグミ製造メーカーさんにお願いして、一時的に作ってもらってるっていう感じです。

小さい小屋で始めたCBD事業ですが、私たちもGMP / HACCP対応できるぐらいの良い工場で作りたいと思いました。だから今、合計1億ぐらい設備投資して工場を作ってます。グミを作ろうと思っても作れない、作れないんだったら自社で作るしかない、作るために設備投資を行う、という流れで、そうなった以上いち早く作っていかないといけないって感じですね。

 

HTJ:
すごい規模ですね。生産力って、日産でどれくらいですか?

 

須藤:
1日最大で300キロですね。本気出せばそれぐらいできちゃう。300キロっていうと多分、ウチのボトルで言うと1300個分ぐらいかな?

 

HTJ:
うわーーー国内製造で?これはゲームチェンジャーですね。

 

須藤:
そうですね。でも高い機械なので早く減価償却しなきゃって思ってます。

 

HTJ:
須藤さんがシェアを奪取しに行ってる気合が、もう数字に出てますね。

設備投資のスケールにびっくりしました。その立案から今月の稼働予定日まで、どのぐらいの感じですか?

 

須藤:
コロナ禍が始まって去年の4月ぐらいから8月ぐらいまで国の助成金をいっぱい出してたと思うんですよ。ウチも瞬間的に売上が下がった月があったので、グミの話を自治体にして、ビジネスモデル転換という形で国の助成金を申し込んでみたんですよ。 『その設備を買って、こういうものを作って、ビジネスモデルを転換させ、増収増益にして税金を払っていく』というような事業計画を書いて申し込んだんですよね。そしたら神奈川県の事業に採択されて、5000万のうちの2500万ぐらいを国が助成金として負担してくれて。「その機械入れるんだったら、めちゃくちゃデカい工場作って、もっと自己資金も突っ込んで良い工場にしよう」という感じで決めました。

だからスピード感で言うと、助成金の採択があったのが9月だったかな?グミの機械の話をし始めて、7月締め切りで提出して、待ってる間に、「もし通らなかったらどうしよう?」と言う話もしながら、「でもグミは作りたいよね」ってことで、グミの会社さんにお話をして、ちょっと一時の間作れる業者さんをなんとか紹介してもらえないかと。「口外無用であれば何とかします」ってことでグミを作ってもらって。それが今販売している分で、そこから3〜4ヶ月ですね 。

ちょうど物件を見つけて、11月から借りてて、今は内装工事行なって、1月15日までに導入しないといけないっていう助成金の制限があったので、それで急ピッチで進めているような感じですね。

 

HTJ:
スピード感がすごいですね。 言葉を失うほど早いです。 

 

須藤:
逆に新拠点が見つからなかったら、現在の工場にいられなかったもんで。綱渡りに近いと言うか、見つからないとどうすんの?という状況でした。これも縁とタイミングなんでしょうね。

取引銀行さんが非公開物件探してくれて、そこでまたご紹介いただいて、オーナーさんにもご理解いただいた形で、トントン拍子に来ている感じですね。コロナ禍の中で思い、3ヶ月ぐらいで、一旦グミは製品化して、そこから3ヶ月、今月自社のグミの機械を導入する、というようなスピード感ですね。

グミの自社製造は、他でなかなかやってないと思うので、一つ強みになるんじゃないかなって思ってます。

 

HTJ:
じゃあやっぱり、それだけの機械入れたので、グミは商品の柱になっていくような感じで考えてるんですか?

 

須藤:
そうですね。
世界的にみてもグミ、ティンクチャーの摂取割合は多くって、これはやっぱり食べやすさっていうのがあると思うんですけど、ティンクチャーのものを25mg接種した場合と、同じ含有量のグミの体感って違うなと僕も思ってて。それが多分グミっていう剤型が売れていく理由なんだろうなと思ったので、フォーカスして行こうかと思っています。あと手軽ですしね!

 

HTJ:
摂取量のコントロールも楽ですしね。

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グミを中心とした Canna Tech の商品群。原料の輸入から製品製造、そして販売までを、全て外注に頼る事なく自社で完結させている。

 

須藤:
これは余談なんですけど、私たちには健康食品の製造業をやってる母体があるんですけど、起業した時は菓子製造業でゼリーを作ってた会社だったんです。一時は、ディ●●ーランドのネズミさんの形のゼリーとか、お酒の入ったゼリーとか作ってました。

ゼリーとグミとは兄弟みたいなものなので、 水分を個体分に変えるノウハウだったりといった製造の知見はあったもんですから、これもグミに対してあまり抵抗感なくやりたいと思った理由ですね。

ちなみに、そのゼリーの事業は赤字垂れ流しだったので業態転換したんです。だから、ある意味リベンジと言うか。笑

 

HTJ:
原点回帰ですね。起業したのは、いつ頃なんですか?

 

須藤:
11期目なんで 、10年ちょい前ですかね。2010年の7月に起業しました。Canna Tech
は、2019年6月起業ですね。

 

HTJ:
展示会で初めてお会いしたときも、スタートしてすぐでしたね。

 

須藤:
スタートしてすぐですね。

CBDを販売しようと決めて、調査を始めたのが19年の4月、登記したのは2ヶ月後の6月で、その月に原料の輸入を開始しました。実際に工場と契約したのは翌月の7月で、ものを作り始めたのが9月ぐらいですか。まだまだ Canna Tech は業歴は短いですね。

 

HTJ:
なるほどですね。ここまで凄いスピードで一気に走ってきたということですね。

 

須藤:
なかなか原料がコロナ禍で動かなかったりとか、色々悩みはありましたけど、「今後は原料業者さんが増えてくる」って創業当時からなんとなく思っていたので、原料の独占販売権を持って、原料売っていくっていうのも方法のひとつだとは思うんですけど、競争が熾烈になってくる中で、私たちの本来の強みである食品製造だったり、物づくりという部分に今回舵を切ったような感じですね。

 

HTJ:
なるほど。素晴らしい判断ですね。

 

須藤:
いやいや、でも借金なんでね。返さないといけないんで。笑

 

HTJ:
その新しく建てられている工場で、大体の御社の製品ラインは製造ができるっていう状況なんですね?

 

須藤:
そうですね。規模も今よりかなり大きくなります。

グミの OEMの受託の多くをとりたいって正直思っているんで。私たちもグミを売るだけでは、そのラインを持て余してしまうので、あらゆる CBDグミを研究して、OEM の工場としてやっていくって言うバックサイドみたいなところも大きく伸ばして行きたいなと思っていますね。そのためには、グミをめちゃくちゃ売って、国産のグミ製造の問い合わせを受けようという作戦ですね。

 

HTJ:
このCannatechのグミは星形しているじゃないですか。例えば、HempToday Japanの頭文字「H」の形に作ってくださいとか、そういうことって可能なんですか?

 

須藤:
できます。それは型を作んなきゃいけないんで。型の費用で30万ぐらいかかっちゃうんですけど、それさえあれば、HempTodayさんオリジナル型っていうのは、できますね。

 

HTJ:
そうなんですね。自由度が高い!

 

須藤:
うちも既存の四角、丸とか三角とかは誰でも作れる型で用意するけど、留型みたいな型を用意しておいて、クライアント企業さんだけのオリジナル製品を作っていくっていうのを今後はやっていきます。

 

HTJ:
では、含有量とかのオーダーも「もっと高濃度のやつを、うちだけに作ってください」とかも対応出来たりするんですか?

 

須藤:
もちろんです。ただ、どれぐらいの濃度まで溶けるのか、まだ実験はしてないんですけど、パーセンテージで言うと現行品はかなり少ないんで、もうちょっと濃くはできるんじゃないのかな?とは思っています。

グミのゼラチンが持ってる乳化力って結構高くて、ゼラチン自体もタンパク質なので、ブロードとすごい親和性が高いんですよ。

さっきグミの吸収率が高いかもしれないって話をしましたが、私たちは今、とあるベンチャー企業と一緒に原料の高吸収化の開発をやっていて、そこの方が、「グミの持ってる成分マトリックスが体内吸収率を高めている可能性がある、それで同じ25mgでも摂取が効果があるのかもしれない」という風に言われています。

 

HTJ:
これからはグミ推しですね。

 

須藤:
そうです。他にもベープ型の商品だったり、ドロップ型の商品もアイソレートも出してますが、基本はグミ推しですね。

グミの次も見据えて

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Canna Techのべイプ。コストがかかったものの、信頼性が高いという。

 

HTJ:
グミの他にも、いろいろたくさん作られてますね。

 

須藤:
テルペン入りのカートリッジも作りました。
デザインは、あまり主張せず日本ぽくという感じで。

 

このカートリッジの容器が、結構いい値段するんですけど、アトマイザーの品質にはこだわりたかったので。

 

橋本:
やっぱり液漏れとかすごいじゃないですか、アトマイザーって。コストかけても安定性の高いものが必要だと判断しました。これに変えてから、液漏れもなくカートリッジもしっかり安定して作れるなっていう感じですね。

 

須藤:
「メイド・イン・ジャパンの品質っていいものだな」っていうことを、今後も証明していかないといけないし、私たちは日本から東南アジアに輸出っていうのを次のフェーズに考えているので。

 

HTJ:
なるほど。もうどんどん見えてきますね。次の道が。

 

須藤:
やっぱり日本の厳しさって、逆に言えば世界が認める厳しさだと思います。日本に入ってきた原料で作った日本製の製品って、たぶん強みがあるのかなと。

 

HTJ:
まさにですね。どこでも通用しますね。

 

須藤:
でもやっぱり諸外国の法律とかもあるので、流石に難しい面もあるんですけど、僕らは先月からアリババにも出店してます。

 

HTJ:
そうですか。次のフェーズに取り掛かってるんですね。今月の工場の次の話に。

 

須藤:
そうですね。今月もまた化粧品開発展も出て、健康博覧会も出て、一応こういった事をやってるんだよっていう事業紹介はして、お客さんを募っていきたいと思っているんですけど。

 

HTJ:
化粧品開発展に出されるのは何かあるんですか?コスメのラインとか。

 

須藤:
ウチの扱ってる原料が、コスモスオーガニックとかコスモス認証とか取ってて、化粧品のエビデンス持ってたりするので。

 

HTJ:
このマーケットはちょっと、規模がとんでもないですよね。

 

須藤:
とんでもないんですけど、まだ早そうな感じもしますけどね。この状況だと。
チャレンジしてみることは悪くはないのかなと思っています。

 

HTJ:
たかの友梨さんあたりからサロンでの使用は始まっているので、 消費者製品もそろそろ来てもいい頃かもしれないですね。

今後CBD業界が芸能界のラインから何か動いていくというイメージってありますか。   

 

須藤:
「CBDを使ってる」という事と、「CBDをコマーシャルする」という事は、また別だと思うので、そこがどこまでマッチするのかという課題はあると思うんですけど、やり方次第かなと思います。

僕たちも名前は言えないんですけど、顧客で、結構芸能人の方も使ってますね。

芸能界でも使っている人は結構多くいると思うんですよ。だからそれを、その人たちが今この状況で、「私、これやってます」っていうことが自分のブランドとしてメリットになるのか、デメリットになるのかっていうことですね。

 

HTJ:
カミングアウトのタイミングですよね。いっぺんガチャっと門が開いたら、多分CBDの広告塔に芸能人がめちゃめちゃ手を上げてくる感じの世の中に変わるんじゃないですかね。

 

須藤:
そうですね。みんなが右向いたら、「私、実は昔からやってた」っていう人たちがすごい出てくると思うんですけどね!

 

HTJ:
もうそこまで来てる感じですね。

 

須藤:

そこでやっぱり、私たちはブレずに物作りをやっていくっていうのと、あと今後の課題は、コンプライアンスの問題です。極⼒⾃社で担保した原料と、⾃社で製造した物を供給していく⽅が皆のためにも安全だし、責任を担保するという部分では、そっちの⽅が私達としても楽ですので。

しかし、法令順守と責任を担保いただいた原料については、持ち込み原料でも受託を承る予定です。

 

私は、チャレンジ精神旺盛な方で、やったことのないことにチャレンジしてくので、今お伝えした話が形になるのが本当に期間通りに行くのかってそうじゃないかもしれないし、もしかしたら出来なくなるかもしれないんですけど、チャレンジしないことには始まらないので。特にCBDに対しては、飽くなき探究心と、チャレンジと、あと絶対にズルしない正攻法でこのマーケットを戦って行きたいなと思ってます。

 

HTJ:
応援してます!!

 

須藤:
ありがとうございます。

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AUTHORこの記事をかいた人

Yosuke Kogaのアバター Yosuke Koga HTJ 編集長

1996年カリフォルニアで初の医療大麻が解禁。その5年後に現地へ移住し、医療大麻の家庭栽培、薬局への販売などの現場や、それを巡る法律や行政、そして難病、疾患に対し医療大麻を治療に使う患者さん達を「現場」で数多く見てきた、医療大麻のスペシャリスト。

10年間サンフランシスコに在住後、帰国し、医療機関でCBDオイルの啓蒙、販売に従事し、HTJのアドバイザー兼ライターとして参画。グリーンラッシュを黎明期から見続けてきた生き証人。

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