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その内容は、世界で注目されているCBDだけでなく、栽培、収穫、繊維や茎を加工するために新たに開発された機械、建設資材などが紹介され、オーストラリア、フランス、カナダのプロジェクト、アムステルダムとマドリードの大麻博物館など、多くの話題が取り上げられました。
一方、同時期にヘンプ以外の分野でも非常に興味深いニュースが飛び込みました。
石油からとれるグラフェン、それがヘンプから!?
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ASACON2019の開催直前に、日本の研究者 吉野彰氏がノーベル賞を受賞したというニュースです。
世界中で使われているリチウムイオン電池ですが、現在私たちが利用している、コンピューター、スマートフォンの進化にも欠かせないものとなりました。その研究開発に、吉野彰氏が大きく貢献しており、より多くの製品が実用化されることに影響を与えました。
また、電力貯蔵に使うバッテリーの競争である、「スーパーキャパシタ」の性能は驚くべきナノテクノロジー材料で、「グラフェン」の使用により、わずか原子一個分の厚さの炭素原子のシートの開発を進めております。ですが、今のところ「グラフェン」は石油から作られており、非常に高価です。
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しかし、研究者たちはなんとこれを「ヘンプ繊維」からグラフェンのような材料を製造しているのです。
これにより、非常に安価な代替品となり、スーパーキャパシタの製造に使用されるようになっています。
しかも「ヘンプ繊維」から作られるカナダ製の最新バージョンは、従来のリチウムイオン電池より性能が明らかに優れているのです!
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人間だけに限らず生物の基幹であるカンナビノイドの発見
そして、CBDは、現在のヘンプ産業ブームの立役者である中で、ASACON2019では、講師から次のような興味深い事実が報告されました。
「研究者は、今や、全ての哺乳類にエンドカンナビノイドシステム(ECS)があるという事実が明らかになりました」
第二次世界大戦後、アメリカ政府がヘンプの栽培を禁止したことが逆に刺激となり、大麻草が与える人体への向精神作用の生理学の研究が、急速に進みました。
まず、THC分子が、大麻草が引き起こす陶酔性の特異な原因であることが確認され、その後、THCに反応する細胞壁に特殊な受容体が発見されました。研究者たちは、「なぜ、THCの受容体を体内に持っているのか?」と不思議に思ったと言います。
研究者たちはさらに、「カンナビノイド」と名付けた100種以上の独特な化学物質を作っていること。私たち人間の体が、30種以上のカンナビノイドを作っていること。
私たち人間の細胞には、他のどの受容体よりも多くのカンナビノイド受容体が存在すること。そして、それらを知るまでには、しばらくの年月がかかる結果となったということ。
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これまでの世界の進んでいる大麻研究でわかってきたことは、6億年以上前の進化した、ほんの数ミリメートルの長さのヒドラには、「カンナビノイド受容体」があったというのです。
2000年頃に注目されたミトコンドリアも、発見当初は数億年前の独立した細菌だったと考えられていました。
ですが、今ではほとんどの細胞の内部エネルギー源として、ミトコンドリアが存在していることがわかっています。
それと同様に、「エンド・カンナビノイド・システム」も近年発見されたばかりの、私たち人間だけではなく生物に欠かせない、動物生理学の基幹システムだったのです!
この新たな知見があるにもかかわらず、日本の厚生労働省がヘンプ由来の大麻の無毒性成分 (種子、茎、繊維を除く) の使用禁止を続けているのは、日本人に大きな損害を与えていることは明らかです。
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何の問題もなく、1万年以上続いていた日本の伝統的な大麻栽培、および使用は科学的に正しいことだったのです。
このように世界では、体内のカンナビノイドの重要性が、理解されるようになってきました。それと同時に、まだ発見されていない莫大な知見があることも明らかになりました。
現在、100種類以上ある植物性カンナビノイドのすべてが、私たち人間の細胞にどのように影響を及ぼすのかを理解するために研究が進められています。
遺伝的に異なる100種類の大麻草の株は、それぞれが異なった植物性カンナビノイドの比率を持つだけでなく、異なる気候、異なる栽培時期、異なる方法で栽培され、異なる方法で加工されて、異なったカンナビノイド(液体や香りの量)を持つ株が作り出されていることを知ってください。
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そうすると、世界中の人々が、様々な栽培環境、条件に応じて様々なCBD製品を作り出していることが容易に理解できます。
インターネットでは、すでに入手可能なCBD製品が約1,000種類以上はあると言われています。
また、ヘンプが医療に革命をもたらす可能性がどれだけあるかもご理解いただけるでしょう。
将来的には、医療は、患者のエンド・カンナビノイド・システムの評価から始まり、問題を治療するために最適な植物性カンナビノイドの混合物を処方する時代も遠くないかもしれません。しかも、その処方薬は全く副作用なしです。
まさに、新しい医療の時代が見えてきました。
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ですが、また残念なことに、陳腐化(ちんぷか)した医薬品の製造会社は、できる限りこの進展を遅らせるために戦うことも想像できます。
日本の政府が、諸外国に追いつくために迅速に行動し、認知症、うつ病、引きこもり、不安、不眠、難治性疼痛、その他多くの症状に苦しむ文字通り何百万人もの日本人を、副作用なしに救うためにも、ヘンプの栽培とカンナビノイドの使用を奨励することが期待されます。