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日本でも国会で臨床試験が認可されている
昨年、大麻由来製品として初めて米食品医薬品局(FDA)によって平成30年6月に承認され、その後、
日本でも国会での突然の質問に応じる形で臨床試験が許可されたエピディオレックスという大麻由来薬があります。
これは、基本的にはCBDオイルなのですが、日本で戦後初めて「大麻の花穂由来製品」が、医師の手で合法的に患者に処方されるという意味で、歴史的な出来事です。
このエピディオレックスが、また歴史的な一歩を進めました。
補助薬としての承認推奨
GW Pharmaceuticals社(Nasdaq:GWPH)は、欧州ヒト用医薬品委員会(Committee for Medicinal Products for Human Use. CHMP)が、同社の大麻ベースの医薬品エピディオレックスの承認を推奨したとを発表しました。
CHMP(欧州ヒト用医薬品委員会)は、医薬品の販売に関する欧州医薬品庁(EMA)の方針を作成する責任を負っています。CHMPの意見は7月25日に採択され、最終決定は2ヶ月後の欧州委員会(EC)で決定するとGWファーマは予想しています。
ECは、ノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタインと並んで、欧州連合の28カ国で使用される医薬品を承認する権限を有しています。
エピディオレックスは、鎮静薬Clobazamと併用薬として、
Lennox-Gastaut症候群またはDravet症候群に関連する「発作の補助療法としての使用」を2歳以上の患者に推奨するという積極的な方針が採択
されました。
「EPIDYOLEX™に対する、積極的なCHMPの方針は、最も重篤で生命を脅かす2つのタイプの小児期発症てんかんをコントロールするために戦っている患者とその家族にとって重要な転換点となります。
カンナビジオール経口溶液は、新しい種類のてんかん治療薬であり、欧州の規制審査に提出された初めての植物由来の医薬品で、これは歴史的なブレークスルーです。
われわれは、その安全性と有効性が明文化され、かつ最高水準で製造され、医薬品規制当局によって厳格に試験・評価・承認された大麻ベースの医薬品を患者と医師に届ける事が出来るという可能性に興奮を覚えます。」と、
GWのジャスティン・ゴーバー最高経営責任者(CEO)は語りました。
既存の治療法を試みて失敗した患者達の希望
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国際てんかん事務局長のマーチン・ブロディ教授は、「これは、
レノックス・ガストー症候群(LGS)およびドラべ症候群患者にとって重要なマイルストーンです。
これらの希で生涯にわたるてんかんには、現在有効な手立てが有りません。この決定は、より良い発作のコントロールと生活の質の向上をもたらす可能性のあるオプションを提示できるという意味で、
両疾患に苦しむ患者や家族に、希望を与えます。」
と、コメントしました。
また、マドリッドのルーバー国際病院のてんかんプログラム責任者であるアントニオ・ギル・ネーゲル・レイン博士は、「私の診療所では、既存の治療法を試みて失敗した治療抵抗性の高いてんかんの患者さんをよく診ます。これらの患者とその家族は、長期にわたる困難な道に直面しており、十分な発作抑制を達成する方は、ほとんどいないのです」と述べ、
「多くの臨床試験と欧州の医薬品規制当局の精査に基づき、この医薬品は多くの患者さんの生活に、現実的に違いをもたらす可能性があります」と付け加えました。