
長年の疑念を経て2025年に発芽率で回復を示す
イタリアの伝統的な産業用ヘンプ品種が、2025年にEUの最低基準を大きく上回る発芽率を記録し、認証種子としての基準を満たせるのかという懸念を和らげた。
公式の2025年種子生産データによれば、Carmagnola、CS(Carmagnola Selezionata)、Eletta Campana、Fibranovaの各品種はいずれも、EUの産業用ヘンプ種子マーケティング規則で求められる最低発芽率75%を上回った。
2025年の結果は、イタリアの旗艦品種であるCarmagnolaが2019年に認証を取り消され、欧州の植物品種カタログから削除された後の、全体的な回復を示すものとなった。
Canapa Industrialeが伝えたところによれば、昨年の発芽率結果は、イタリアのヘンプ供給網にとって前例のない水準だという。
アキレス腱
イタリアの歴史あるヘンプ品種は、優れた収量と高品質な繊維を生み出すことで知られてきたが、発芽率のばらつきが課題となり、その評価を妨げてきた。
しかし、長年続いてきたその評価は、今後は払拭できるとAssocanapa(イタリアの老舗産業ヘンプ協会)は述べている。
「長年にわたり、イタリアの伝統的な産業ヘンプ品種は、収量・品質・性能では王者であるにもかかわらず、発芽率が低いという“アキレス腱”を抱えているという噂が流れてきた」とAssocanapaは声明で述べた。
「しかし今日、その偏見は過去のものになったと言える。」
商業的な意味合い
EUの規則では、産業用ヘンプ種子は公式発芽率75%基準を満たさなければ加盟国間で販売できない。今回の高い発芽率は、単に法的基準を満たすだけでなく、遺伝的な安定性や、慎重な育種・生産管理が行われていることを示す指標でもある。
発芽率が安定すれば、播種や収量の予測がより確実になるため、契約、資金調達、輸出機会にも影響を与える。繊維市場や食品用種子市場を狙う企業にとっては、地元の種子性能が向上することで、輸入品種や企業独自の育種プログラムへの依存を減らせる可能性がある。
イタリア品種の中でも、CarmagnolaとCSは主に繊維用途またはデュアル用途に関連し、Eletta CampanaとFibranovaは穀物(グレイン)収量で知られる一方、繊維も十分に活用可能とされる。
モンフェッラート供給網
Assocanapaは、種子性能の改善においてモンフェッラート地域のヘンプ供給網が重要な役割を果たしたと述べている。地域の種子生産者や農業技術者たちが、長年にわたり慎重な選抜と管理された育種を積み重ね、数十年分の技術経験を基盤にしてきたという。
モンフェッラート地域は、イタリア北部ピエモンテ州に位置し、産業ヘンプの栽培と遺伝資源の中心地として長い歴史を持つ。繊維生産と播種用種子生産の両面で、強い地域ノウハウが蓄積されていることで知られている。
編集部あとがき
今回の記事を以下、4つのポイントに整理しましたのでご参考ください。
1. イタリア主要品種がEU基準を明確にクリア
Carmagnola、CS、Eletta Campana、Fibranovaが発芽率75%のEU最低基準を超え、認証種子としての信頼性を示した。
2. Carmagnola失格(2019年)の流れを“完全に反転”
2019年に欧州品種カタログから外されたCarmagnolaだが、2025年のデータはイタリア供給網の回復と再評価を象徴する結果となった。
3. 発芽率改善は「輸出・契約・資金調達」に直結する
発芽率が安定すれば、栽培予測が立てやすくなり、企業の契約設計や投資判断、国際市場での競争力が大きく改善する。
4. 改善の鍵はモンフェッラート地域の供給網だった
地域の生産者と技術者が長期的な選抜と管理育種を積み重ねたことで、伝統品種の弱点とされた発芽率問題を克服した可能性が高い。


