アーカンソー州ではデルタ-8の禁止が大多数で可決
アーカンソー州ではデルタ-8 THC(テトラヒドロカンナビノール)の禁止が近づいている一方で、ジョージア州ではこの精神活性を持つヘンプ由来物質の規制は当面回避されました。
先週、アーカンソー州上院は、産業用ヘンプから得られるすべての精神活性物質の生産と販売を禁止する法案を、州知事サラ・ハッカビー・サンダースに送ることを投票で決定しました。この法案は、州下院が提案した2つの修正案を上院が受け入れた後、30対1の票決で可決されました。
「この法案は、すべての合成THCを禁止するもので、こうした製品のマーケティングのターゲットである子どもたちを守ることを目的としています」。同法案を起草したシロアムスプリングズの共和党員タイラー・ディーズ上院議員はそう語っています。
ヘンプから抽出されるデルタ-8、デルタ-9、デルタ-10 THCは、州法においてスケジュールVI管理薬物(※補足:米国の麻薬管理法に基づく薬物のカテゴリ分け)に分類され、娯楽用マリファナと同じ指定を受けることになります。
産業用ヘンプの用途は保護される
デルタ-8 THCはすべての大麻に含まれていますが、その量はわずかです。しかし、製造業者はヘンプ由来のCBDを合成過程にかけることで、高濃度のデルタ-8製品を生産しています。
これらの製品は連邦政府によって規制されておらず、グレーゾーンに位置しているため、米国全土で急速に普及しています。
アーカンソー州サンダース知事がこの法案に署名すれば、デルタ-8 THCの禁止は、21歳未満の人々に対してはすぐに、21歳以上の人々に対しては2023年8月1日から施行されることになります。
法案の条文によれば、「アーカンソー産業用ヘンプ保護法」の下で、産業用ヘンプの栽培は引き続き保護されることになります。
ジョージア州の「デルタ8と共に歩む法案」は棚上げ
ジョージア州では、今回の立法会期の最後の日にデルタ-8に対する年齢制限を追加しようとしたものの、ヘンプ製品の規制を目指す法案が不成立となりました。
提案された法律では、デルタ-8製品の販売を21歳以上に制限し、汚染物質を検出するための試験要件を設定し、マーケティングルールを確立することが求められていました。
この提案は、ジョージア州の2年間の立法サイクルの2年目である2024年にも引き続き審議されることになります。
適切な規制や安全対策が不十分である点を見直し改正
「議会はCBD製品が消費者に提供されるべきだと言っており、私たちは適切な規制や安全対策を持っていません。私は試験に関する厳格な規制や安全対策を設置し、製品が宣伝通りであることを確認して、消費者が選択できるようにしたいと本当に考えています。」と、法案の提案者であるアシュバーンの共和党員クレイ・ピアクル議員は語ります。
以前にデルタ-8を完全に禁止することを求める上院法案は棚上げされていました。
その措置では、デルタ-8、デルタ-9、またはTHCの他の形態を含むヘンプ製品の販売が禁止されることになっていましたが、CBD市場には影響を及ぼさないとしていました。
重金属混入、殺虫剤汚染、安全性に対する懸念
デルタ-8の批判者たちは、デルタ-8が現在許可されている他の州の販売業者が、安全性を確認するための検査を受けていないために重金属や殺虫剤で汚染された可能性がある製品をジョージア州に送り込んでいると指摘しています。
ジョージア・ポイズンセンターは、2018年以降に合成THCに関連する191件の通報があり、うち14件が昨年だったと報告しています。これらのうち、53件が17歳以下の人々に対する対応であり、130件が大人に対するものでした。
「私は絶対にジョージアで精神活性物質が入手できるようになることを望んでいません。消費者に害を与えるようなものは。誰もそのことを支持するとは思えません。」とピアクル議員は言います。
が、しかし、今回の立法では「年齢制限」や「検査」や「マーケティング方法の確立」などを追加してを、「デルタ8を含めた」方向性をジョージア州は見ています。
デルタ-8の禁止が広がる
デルタ-8 THC製品の禁止が求められる州が増えています。連邦議会は、2018年の農業法案でヘンプを合法化した際、CBDベースのTHCの合成物については考慮しませんでした。
製造業者は、2018年の農業法案がヘンプとその下流製品を合法化したため、デルタ-8も合法であると主張しています。米国の控訴裁判所は昨年、2018年の農業法案の厳密な解釈のもとでその見解を支持しましたが、議員たちによる見落としが最も可能性が高いと指摘し、2023年の農業法案や他の法律でその状況を修正することができると述べています。
デルタ-8に反対する人々は、2018年の農業法案がヘンプを精神活性化合物を作るために使用することを意図しておらず、悪意ある業者が法案の言葉を利用して、小売店で広く入手可能な高濃度の合成THC製品を販売していると指摘しています。
アメリカ食品医薬品局(FDA)はデルタ-8 THC製品に対して警鐘を鳴らしており、「急速な成長が非常に懸念される」と述べています。アメリカ麻薬取締局(DEA)は今年初めに、デルタ-8や他のヘンプベースの合成THCは連邦法でのヘンプの定義を満たさず、従って規制物質であると主張しました。