中国黒竜江省ヘンプ産業視察ツアーを終えて

日本の気象状況が新たなフェーズに入ったと発表があり、歩くことも阻まれる猛暑の中、マイノリティーかつ行動的という必然的な少数派が成田に集まった。

北海道産業大麻協会(HIHA)の理事長である菊地先生とお会いするのは2年振り2度目となり、以前はドイツのヴェッセリングで行われたEIHA国際会議の会場だった。そこで意気投合した記憶があまりにも鮮明で、今回は久しぶりに会う旧友の様な感覚で先生と再会していた。

今回のヘンプツアーでは中国東北部の旧満州のあったハルビン市と大慶市を訪れ、中国の科学省の研究がどの程度進んでいるのかや、世界進出の規模や時期、最近改正されたヘンプ政策や民間ヘンプ産業の現状を視察したいと思っていた。

中国は世界一のヘンプ生産量とヘンプの国際特許を有する国であることも付け加えておかなければならない。

前日、成田空港内で開かれた前夜祭では夜10時頃まで盛り上がり、話題は日本の現状と海外の動向についてや、日本人の偏見ある捉え方を正常な見方へと導き、ヘンプによってより良い(考える)社会の構築が始まるきっかけとなるのではないか?などと、辺りのお店が全て畳むまで語られた。

中国は近い。成田からわずか3時間で中国本土に足を着いた。そしてここも暑い。昔の日本人は情報がなく、夏でもダウンを持って来ていたとか。しかも上下で。

エアポートの外に風と日陰がなければタバコを我慢して中に留まろうとかと思うほど暑かった。中国は室内でも喫煙できるが、私は基本的に外で吸っている。もう世界の行くところ行く所どこへ行っても暑い。世界中が変化してる真っ最中の様だ。

早々にガイドのイーさんがバスに案内するが、車内は窓が開かないためもっと暑い。空気汚染のせいなのか、公共交通のバスが全てPHEV車であることにはびっくりした。エンジンが掛かると共に強烈な冷風が吹き出す。日本では考えられないスピードで汗ばんだ身体もバスも冷えていく。こんな所でも「おっ」中国と感じてしまう。

外を見ると車が面白い。見たことのない車がたくさん走る。車種の多さは国の懐のバロメーターだと思って海外では必ずチェックする。

中国黒竜江省ヘンプ産業視察ツアーを終えて 中国には、追い越せないかもしれないけど、とりあえず追い越すドライバーは普通で、高速道路上に稲を植えるかの様にパイロンを置くおばさんや、SAで駐車線通りに停める人がいないとか、液体窒素を運ぶトラックが半分凍ってるとか、エアポートの行列を簡単に抜き去る集団など、日本人から見るとキリがないハプニングだが、私としては凄く楽しい時間だと思ってしまう。普通に日本で生きていたらなかなか体験できないことだ。タイミングによっては一言物申すこともあった。

なんとなく受け入れられるのが中国だなぁと思いながら、
今後の日程に不安を感じてはいたが、そんなことよりも車から見える日本では見れないものに必死になってた。

中国黒竜江省ヘンプ産業視察ツアーを終えて中国で日本人一般旅行者の目線で凄いと思ったのがホテルだ。開発区に立ち並ぶビル群の中でも、エントランスは一際豪華さはあるがケバケバしくはない立派な一流ホテルだ。しかも構造は安普請ではない。廊下や壁や室内の内装のどれを取ってもしっかりしている。しかし、設備に関しては簡素過ぎて笑える所を見つけられるかもしれない。朝食は和洋と本格中華がズラッと並ぶ。ホテルの朝食で食材の種類と充実ぶりは中国が一番かもしれない。コストパフォーマンスに優れたホテルだ。

2日目は強行スケジュールとなった。4日目の予定も今日に組み込んだのだが、昨夜の夕食から参加した科学院大慶分院から通訳として全日程に同行する女性のワンさん(新潟市役所に1年勤務経験有り)とHIHAとの間で深夜遅くまで話し合いがあったと聞かされた。そして民間の農場も視察できるとあって、今日一日でほぼ旅のメインが終了する事となった。

移動のバスでは、いきなり爆発か?と思う程の道の悪さに中国を感じながら科学院大慶分院へと向かった。

中国黒竜江省ヘンプ産業視察ツアーを終えて
火麻1号

中国黒竜江省ヘンプ産業視察ツアーを終えて 黒竜江省科学院大慶分院に着くと、真っ先に展示室へ案内された。そこには世界中から集めたヘンプ派生製品が展示されていて、新たに開発した火麻1号の紹介や、中国国内で作られるヘンプ製品を紹介された。昨年訪れた赤星博士によると、中国製品の展示が昨年よりもだいぶ増えているという。

ペプチド化した飲料や最近では水溶性CBDの販売も始めるなど、研究は先進国に引けを取っていない。しかし、中国でもブームは始まったばかりだという印象も完成品から見て取ることができる。

中国黒竜江省ヘンプ産業視察ツアーを終えて研究棟ではカンナビノイドの研究が進んでいた。法改正したことにより非精神活性成分などのCBDが合法化されたため、研究所ではヘンプからCBDを単体で抽出した濃縮クリスタル99.9%なども見せてくれた。法律が許せばなんでも単離抽出できると研究者は語った。

この展示室に飾られる中国製は種を中心とした食品や繊維製品が多く、その戦略のために、中国では法改正がいとも容易い事もワンさんの説明で理解できた。
日本では政治的な力が働かないとどうにもならない問題であり、ビジネスとしては時限的な問題も抱えている。国としての早急な対応が望まれる。

中国黒竜江省ヘンプ産業視察ツアーを終えて中国黒竜江省ヘンプ産業視察ツアーを終えて科学院から昼食に招かれたのだが、レストラン並みに豪華なのだ。2m以上ある円卓の端が料理で埋まる。どこに行ってもそうなので、儀礼的なものだと感じた。後日3m以上の円卓も経験したが、そこも料理が隙間なく並べられた。同行した松井先生が「今日の円卓の平均回転スピードは0.25rpmでした」と言うとその場がどっと沸いた。

午後。会議室へ入るとテーブルがただならぬ雰囲気を醸し出していた。日中の国旗がクロスされズラッと並んでいたのだ。

この時に会議の最後に調印式があると聞かされ、急いで菊地先生と調印式の段取りだけを話し、会議は中国側から労いの言葉から始まり厳かに滑り出した。

しかし裏舞台は違った。協定書のすり合わせに時間がかかり、なんとなくだらついた雰囲気になった会議は、そのための時間稼ぎの様になっていた。会議中に担当者の訂正した文書が向かい合ったテーブルを飛び交う状態だった。最後の質問に時間がとられ、なんとか調印式は滞りなく行われたという背景があった。ギリギリ攻めてる感じはたまりません。

中国黒竜江省ヘンプ産業視察ツアーを終えてこれは間違いなく日本の大きな一歩です。そして中国はこの協定の期間を5年間としました。通常ではあり得ない長さですが、これが何を意味するかだ。
これは世界市場が今後5年程度で開かれる可能性や、日本での開発も可能となる想定、日本自体が市場となるなどの見通しに立った判断として適切な時期ではないかと感じた。そして、これから必要となる先行する日本の植物加工技術へも興味があると考えるべきだろう。

今回私にとって中国の見方が一変してしまう旅行となった。1番の驚きは政治システムだ。古いものは改正されるのが当たり前の世の中なのだ。大麻法もそれに則って改正された法の一つで、そのインターバルはわずか20年程だという。今の中国に20年は長過ぎるかもしれない。

中国黒竜江省ヘンプ産業視察ツアーを終えて民間大麻農場では、とにかく規模が大きい。昨年設立した会社なのだが、栽培面積は4000ヘクタールもある。なんとこの会社の立役者は日本人ということには驚かされた。私たちが見た広い農場は、ちょうど刈り取りの時期を迎えていて端から端まで見えるかどうかという広さだったが、これと同じ農場が他に90区画あると説明された。

さらに規模の大きい話としては、今年ヘンプトゥデイで開かれたメディカルサミットでは、中国企業が初めて参加しのだが、その栽培規模は20万ヘクタールだ。この話を聞いた時に次のステップに移行しなければいけないと感じた。

中国黒竜江省ヘンプ産業視察ツアーを終えて 工場では1日最大40トンを繊維化できる機械が6台設置されており、今後の商品展開ではまだまだ栽培量が足りないと天木産業CEOの朴さんは語った。

こんなものを見せられると日本の生きる道はやはり加工や品種改良かなと頭をよぎる。

この晩、先々の事について話そうと2人と示し合わせていたのだが、気づいてみると8人で議論していた。多分ヘンプ・カンナビス に関わる者の一番気持ち良い瞬間ではないかと思う。それぞれの立場からそれぞれの考えを述べ、無理に答えは出さずに選択肢は広げる。プロローグの必要ない人間関係がとても心地良いのだ。最後の夜も定例会の様に私の部屋に集まって議論は尽きなかった。

そもそも日本で麻と名のつく地はヘンプ栽培に適している地であり、そのヘンプがコメの何倍も収入が得られるとなれば農家はどう考えるだろうか。減反政策を廃止した今、特産としてPR無くして売れるブランド米を作る農家以外は、ヘンプ農業への道も選択肢として考え始めてもいい次期だと思う。そこで提案したいのは地域での垂直型企業です。中国では農家が1キロ単価で卸している。しかし欧州の企業では栽培から販売までが一つとなって事業を行うところが多い。この場合、作物が不当に安く取引される事もなく、逆に利益率の高いカンナビノイド製品を取り扱えば、農家部門担当者として安定した給与所得に繋がる。この様な形態は大企業がすでに地方で行なっているが、利益がその地域に落とされることはない。また、地域ごとに連携する事で、多種多様なヘンプ&カンナビス 加工原料の供給や2次加工が可能となる。このヘンプ事業をこれを始める地方自治体は、この日本で新産業を切り開く開拓者精神が必要となり、正しい目を持ち正しい判断(科学的根拠を重視する公正な判断)を下さなければなりません。その為にも私達はあらゆるヘンプ産業情報を提供する必要があります。

しかし、今後日本がヘンプを大麻取締法と分けて扱うのであれば、CBD抽出やセルロースナノファイバーの生産などにより、お米とは比べ物にならない収益を上げられる新産業が誕生することになります。海外では数年で爆発的に発展するCBD企業を数多く見てきました。

そして、今後の国内ヘンプ産業の発展のためには、ヘンプ市場は世界市場として捉えた製品開発が重要となります。そのためにも日本文化を感じられる製品作りや、最先端技術を使った加工技術などが今後の発展の鍵となりそうです。

今回のツアーには、北海道議会産業ヘンプ推進研究会から副会長の広田議員と事務局長の藤沢議員、 北海道庁が主催する北海道産業用大麻可能性検討会の座長で北大名誉教授の松井先生が特別参加され、 黒龍江省科学院との調印式にも立ち会われました。

riki hiroi
riki hiroi

EACH JAPAN INC.

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